2025年12月23日
歯並びがガタガタ=スペース不足かも|永久歯が生える前に見抜く小児矯正サイン7つ

6歳前後の歯並びチェック
「スペース不足かも?」と思ったら、早めの検査が安心です
永久歯の生える位置は、成長のタイミングで変えられることがあります。
今の状態を確認して、「経過観察でOKか」「治療が必要か」を整理しましょう。
※診断・治療の適応は検査結果により異なります。
お子さんの歯並びを見て、「前歯がガタガタしている」「歯が重なって生えてきた」と感じたことはありませんか?
実は、こうした歯並びの乱れは「永久歯が生えるスペース不足」のサインかもしれません。
6歳前後から始まる永久歯への生え変わりは、お子さんの将来の歯並びを左右する重要な時期です。
この時期に適切なケアを行わないと、将来的に抜歯を伴う大掛かりな矯正治療が必要になることがあります。
東京歯科大学での研究と臨床経験から、永久歯が生える前に見抜くべき小児矯正のサインを7つにまとめました。
早期発見と適切な対応が、お子さんの健康な歯並びを守る鍵となります。
永久歯が生えるスペース不足とは?
永久歯は乳歯よりも大きいため、顎の成長が不十分だと歯が並ぶスペースが足りなくなります。
スペース不足が起こる主な原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。
普段何もしていない時に、舌が歯に触れている状態を「舌癖」といいますが、このような小さな力でも歯並びに影響を与えることがあります。
また、口呼吸や逆嚥下も歯並びが悪くなる原因となります。
口で呼吸していると舌は低位になり、上顎の成長を妨げ歯並び悪化の原因となる場合があるのです。

6歳~7歳くらいのタイミングで乳歯から永久歯が生え始めますが、この生え変わりの際に永久歯が生えるスペースが不足しているというお子さんは少なくありません。
永久歯の生えるスペースが不足していると、歯並びにさまざまな影響を及ぼします。
チェックだけでもOK
「スペース不足かどうか」を検査で確認できます
斜めに生えている・重なっている場合は、レントゲン等で位置確認が役立つことがあります。
まずは今の状態を把握して、必要な対応を一緒に整理しましょう。
永久歯が生える前に見抜く小児矯正サイン7つ
サイン1:前歯が重なって生えている
下の前歯が内側に入り込んだり、上の前歯が重なって生えてきた場合は注意が必要です。
これは歯列弓(歯が並ぶアーチ)が狭く、永久歯が正しい位置に並ぶスペースが不足しているサインです。
そのままにしておくと、さらに歯並びが乱れることがあります。
サイン2:乳歯の間にすき間がない
乳歯の間にすき間がないと、永久歯が生えるスペースが確保できません。
乳歯は永久歯よりも小さいため、本来であれば歯と歯の間に適度なすき間があるのが理想的です。
すき間がない場合は、顎の成長が不十分な可能性があります。
サイン3:口呼吸をしている
普段から口を開けて呼吸していませんか?
口呼吸は舌の位置を低くし、上顎の成長を妨げることがあります。
また、病原菌が喉の粘膜から直接取りこまれてしまうため、健康のためにも良いことではありません。
鼻呼吸を意識することが大切です。
サイン4:指しゃぶりや舌癖がある
3歳を過ぎても指しゃぶりをしていたり、舌で歯を押すような癖があると、歯並びや顎の発達に影響することがあります。
舌先は上の前歯のつけねの少し手前あたりに当たっている状態が正しい位置です。
小さな力であっても、舌の力によって歯並びに影響が出ることがあります。

サイン5:永久歯が斜めや横向きに生えてきた
永久歯が正しい方向ではなく、斜めや横向きに生えてくる場合は、スペース不足の明確なサインです。
隣の歯を圧迫したり、歯並びを乱す原因になるため、早めの対応が必要です。
レントゲンやCT検査で位置や状態を確認することが重要です。
サイン6:上下の前歯が噛み合わない
上下の前歯が噛み合わない「開咬」や、下の前歯が上の前歯より前に出ている「受け口」は、自然経過では改善しにくい場合があります。
これらは顎の成長バランスの問題であり、早期の矯正治療で改善できることが多いです。
サイン7:歯ぐきが腫れやすい・出血しやすい
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部位が多くなり、磨き残しが増えてしまいます。
その結果、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなります。
虫歯や歯周病のリスクも高まるため、歯並びの改善が予防につながります。
小児矯正の適切な開始時期とは
小児矯正は一般的に6歳~9歳の時期に開始するのが理想的とされています。
この時期は顎の成長が著しく、骨の可塑性が高いため、歯列に必要なスペースを自然に確保しやすくなります。
歯を移動させたり抜歯をしたりせずに、歯が並びやすい環境を整えることができるのです。
大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。
プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、
治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせていただきます。
親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。
早めの相談が、お子さんの将来の歯並びを守ることにつながります。
むらせ歯科の小児矯正アプローチ
当院では、子供の矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しています。
I期治療:原因を改善する矯正
I期治療では「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」を使用して、歯並びが悪くなる原因を改善していきます。
歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。
年齢に応じたアプローチがあり、0~2歳では姿勢の訓練、3~5歳ではインファントという取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10~20分使用、
6~9歳ではマイオブレーストレーナーという装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。
家庭でのトレーニング継続が重要で、専任スタッフの指導とオリジナルアプリケーションによる支援があります。
ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。
II期治療:仕上げの矯正
I期治療後も必要に応じてII期治療を行い、歯並びの仕上げを行います。
I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。
その場合に、仕上げのII期治療を行います。
II期治療では「唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)」や「マウスピース矯正(インビザライン)」といった本格矯正を行い、歯並びを細かく調整していきます。
当院では「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。
I期・II期の相談
お子さんの状態に合わせて「今必要なこと」をご提案します
「I期で終わる可能性があるか」「II期が必要か」など、検査結果を踏まえて説明します。
※治療内容・費用は症状や診断により異なります。
治療の流れと費用について
矯正治療は以下の流れで進めていきます。
①矯正相談・・・お子さんの歯並びや咬み合わせの状態を確認し、治療の必要性や方法についてご説明します。
②資料取り・・・レントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯型採取などを行い、詳細な診断のための資料を集めます。
③診断・・・資料をもとに治療計画を立て、治療期間や費用についてご説明します。
④治療開始・・・予防矯正(I期治療)または本格矯正(II期治療)を開始します。
⑤メンテナンス・保定治療・・・動的治療が終了した後は、保定装置を使用して歯並びを安定させます。
矯正治療の費用は症状や治療内容によって異なりますが、約22~110万円(税込)となります。
治療内容や期間によって費用が変わりますので、診断時に詳しくご説明させていただきます。
小児矯正のメリットと注意点
小児矯正のメリット
将来の本格矯正が不要になることがある:永久歯が正しく並ぶスペースが確保されるため、成人になってから矯正そのものが不要になることがあります。
抜歯の可能性を減らせる:成長期に顎を広げることで、将来的な抜歯矯正の割合を減らせることがあります。
治療期間が短縮されることがある:仮に成人矯正を行う場合でも、期間が短縮され、負担が軽減されることがあります。
虫歯や歯周病の予防:歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが減少します。
正しい咀嚼・呼吸機能の獲得:食べ物をしっかり咬んで食べることができるようになり、鼻呼吸が改善します。
矯正治療に伴うリスクや副作用
矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。
歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。そのため、丁寧なブラッシングと定期的なメンテナンスが必要です。
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの顎関節症状が生じることがあります。
様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
まとめ:早期発見と適切な対応が鍵
お子さんの歯並びがガタガタしている場合、それは永久歯が生えるスペース不足のサインかもしれません。
永久歯が生える前に見抜くべき7つのサインは、「前歯が重なっている」「乳歯の間にすき間がない」「口呼吸をしている」「指しゃぶりや舌癖がある」「永久歯が斜めに生えてきた」「上下の前歯が噛み合わない」「歯ぐきが腫れやすい」です。
小児矯正は、成長期の顎の骨や筋肉を正しい方向に育てるアプローチです。
骨の可塑性が高い時期に介入するため、歯列に必要なスペースを自然に確保しやすく、歯を移動させたり抜歯をしたりせずに歯が並びやすい環境を整えることができます。
大人の歯が生えてきたタイミングで、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。
プロの目で診断することで、今後の歯の動きを予測し、適切な治療開始時期を提案させていただきます。
お子さんの健康な歯並びを守るために、早めの相談と適切な対応を心がけましょう。
著者情報
院長:村瀬 俊彦

| 血液型 |
O型 |
| 星座 |
おとめ座 |
| 趣味 |
映画鑑賞、読書 |
| 出身大学 |
東京歯科大学 |
| 専門 |
補綴 |
まずは一度チェック
永久歯のスペース不足は「早めの評価」が安心です
「このまま様子見でいい?」「抜歯になる?」など、気になる点を整理しましょう。
検査結果を踏まえて、必要な場合のみ治療をご提案します。
※診断・治療の適応は検査結果により異なります。費用は診断時にご説明します。
2025年12月22日
【反対咬合】子どもの受け口は何歳までに治す?小児矯正の最適時期と治療法
公開日:2025年12月22日
お子さんの歯科検診で「受け口(反対咬合)」と指摘され、不安になったことはありませんか?
受け口は見た目だけでなく、噛み合わせ・発音・顎の成長に影響する可能性があるため、適切な時期に相談することが大切です。
先に結論:受け口の治療開始時期は状態によって異なりますが、3歳頃から相談できるケースがあり、遅くとも6〜8歳頃までに一度専門的な診断を受けることが推奨されます。
※診断結果により、経過観察となる場合もあります。
まずは相談から
受け口(反対咬合)が気になる方へ|矯正相談
「治療が必要か知りたい」「いつ始めるべき?」など、まずは現状を確認しましょう。
タイプ(歯の傾き/顎の成長バランス)によって対応は変わります。
※適応・治療内容は検査結果により異なります。
受け口(反対咬合)とは?原因と種類を理解する
受け口は、正式には「反対咬合」と呼ばれる状態です。
通常、上の前歯は下の前歯より2~3mm程度前に出ており、上の歯列が下の歯列を覆うように噛み合わさっています。
反対咬合の場合、この関係が逆転し、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態になります。横から見ると、下顎が前方に突出しているように見えることが特徴です。

反対咬合の2つのタイプ
反対咬合は、原因によって大きく2つのタイプに分類されます。
「歯槽性の反対咬合」は、骨格に問題はなく、歯の生え方や傾きに異常がある場合を指します。上の前歯が後ろ側に傾いて生えていたり、下の前歯が前側に傾いて生えていることが原因で、歯の位置関係が逆転している状態です。このタイプは比較的治療がしやすく、早期に対処することで良好な結果が得られやすい傾向にあります。
「骨格性の反対咬合」は、下顎が上顎よりも前方に突出している、もしくは上顎が下顎よりも後ろ側にあるなど、顎の骨格自体に問題がある場合です。下顎は身長と一緒に成長するため、下顎が上顎よりも大きく成長してしまうことで反対咬合になります。このタイプは治療の難易度が高く、成長期に適切な介入を行わないと、大人になってから外科的な手術が必要になることもあります。
子どもの受け口は何歳までに治すべき?治療開始の最適時期
「いつから治療を始めればいいのか」は、多くの保護者の方が抱く疑問です。
結論から言えば、受け口の治療開始時期はお子さんの口腔内の状況や顎の成長段階によって異なりますが、一般的には3歳から治療を開始できるケースもあり、遅くとも6歳~8歳頃までには専門医に相談することが推奨されます。
1~2歳では様子を見る
1~2歳頃に受け口であっても、まだ乳歯が全て生えていないため、噛み合わせが定まっていません。この時期は経過を観察しながら、歯ごたえのある食べ物でしっかり咀嚼させ、顎を鍛えることが大切です。顎の成長が促されることで、歯並びや噛み合わせが改善しやすくなります。
3歳以降は早期介入が効果的
乳歯が生え揃う3歳頃になっても受け口が続いている場合、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。3歳児健診などで反対咬合を指摘されたら、専門医の診断を受けることが重要です。
特に骨格性の反対咬合の場合、3~5歳頃から治療を開始することで、顎の成長をコントロールしながら改善を図ることが期待できます。レントゲン撮影ができる年齢である3歳以降であれば、骨格の状態を正確に診断し、適切な治療計画を立てることが可能です。
6~8歳は歯並びタイプの治療に最適
歯の生え方に問題がある「歯槽性の反対咬合」の場合、6~8歳頃が治療開始の最適な時期とされています。この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが始まり、顎の成長も活発です。顎の成長を上手く利用しながら治療を進めることで、歯並びの改善が期待できます。
成長期を逃すと、治療の難易度が上がり、期間や費用も増加する可能性があります。
治療のタイミングを逃すとどうなる?
受け口を放置すると、噛み合わせの問題だけでなく、発音障害や咀嚼機能の低下、顎関節への負担増加など、さまざまな問題が生じる可能性があります。成長に伴い前後・左右のバランス差がさらに広がり、顔貌にも影響を及ぼすことがあります。
大人になってから治療する場合、骨格を正しい位置に移動させるために外科的な手術が必要になるケースもあり、治療期間や費用、身体的負担が大きくなります。子どもの時期に治療を開始することで、これらのリスクを軽減できる可能性があります。
比較検討中の方へ
「うちの子は治療が必要?」を整理したい方へ
反対咬合はタイプによって対応が変わります。まずは検査で状態を確認し、必要な場合のみ治療をご提案します。
受け口の治療法とは?装置の種類と特徴を解説
反対咬合の治療には複数の方法があります。年齢、タイプ、骨格バランスなどを踏まえて選択します。
治療期間と費用はどれくらい?
期間・費用は状態や治療内容で変わります。正確な見積もりは検査・診断後に提示されます。
予防矯正(プレオルソ・ムーシールド)
3歳から始められる早期矯正治療として、「プレオルソ」や「ムーシールド」といったマウスピース型の装置があります。これらは取り外し可能で、主に就寝時に装着するため、小さなお子さんでも負担が少ないのが特徴です。
プレオルソはムーシールドを改良した装置で、歯並びや噛み合わせの改善と同時に、口周りの筋肉トレーニングや舌のトレーニングも行います。正しい舌の位置や口の使い方を習得することで、将来的な矯正治療の必要性を減らしたり、治療費を抑えたりする効果が期待できます。
日中1時間と就寝中の装着が推奨されており、慣れるまでは少し時間がかかることもありますが、幼稚園や保育園、学校には外していけるため、お子さんの日常生活への影響は最小限です。
床矯正(拡大床装置)
床矯正は、顎の幅を広げることで歯が並ぶスペースを確保し、歯並びの改善を図る治療法です。「拡大床装置」と呼ばれる取り外し可能な装置を使用します。
特に上顎の幅が狭いことが原因で反対咬合になっている場合に有効で、上顎を拡大することで上下の顎のバランスを整えます。装置は自宅で定期的にネジを回して調整し、徐々に顎を広げていきます。
取り外しができるため食事や歯磨きは通常通り行えますが、効果を得るためには1日12~14時間程度の装着が必要です。お子さんの協力が不可欠な治療法と言えます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)
むらせ歯科では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置「インビザライン」を導入しています。透明な装置を口にはめ、何度か新しいものに交換しながら徐々に歯を移動させる治療方法です。
取り外し可能なため、食べたい物がなんでも食べられ、食後の歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えるというメリットがあります。金属の装置と比べて見た目が目立たないため、お子さんの心理的負担も軽減されます。
むらせ歯科では、患者さんと医院とのコミュニケーションアプリを導入しており、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能が付いています。これにより、治療の進捗を可視化でき、お子さんのモチベーション維持にもつながります。
ただし、装置を装着する判断は患者さんに一任されるため、装着時間が短かったり装着しない期間があると、治療期間が長くなってしまうというデメリットもあります。お子さん自身の協力と、保護者の方のサポートが重要です。
フェイスマスク(上顎前方牽引装置)
骨格性の反対咬合で、上顎の成長が不十分な場合に使用される装置です。顔の外側から装置を装着し、上顎を前方に引っ張ることで、上下の顎のバランスを整えます。
主に就寝時に使用し、成長期の顎の成長を利用して骨格の改善を図ります。見た目が大きく目立つため、お子さんが嫌がることもありますが、骨格性の反対咬合には効果が期待できる治療法です。
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
永久歯が生え揃った後や、より精密な歯の移動が必要な場合には、ワイヤー矯正が選択されることもあります。歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、ワイヤーで歯を動かしていく方法です。
固定式のため取り外しができず、食事や歯磨きに工夫が必要ですが、確実に歯を移動させることが期待できます。治療期間は1~3年程度が一般的です。
治療期間の目安
予防矯正(プレオルソ・ムーシールド)の場合、治療期間は6ヶ月~2年程度が目安です。早期に開始し、お子さんの協力が得られれば、比較的短期間で改善が見られることもあります。
床矯正の場合は1~2年程度、マウスピース型矯正装置では1~3年程度が一般的です。骨格性の反対咬合でフェイスマスクを使用する場合は、成長期全体を通じて治療を行うため、数年にわたることもあります。
子どもの矯正治療は、成人矯正と比較すると治療期間が短く済む傾向があります。顎の成長を利用できるため、効率的に改善を図ることが期待できるからです。
費用の目安
小児矯正の費用は、治療法や医院によって異なりますが、一般的には30万円~80万円程度が相場です。
予防矯正(プレオルソ・ムーシールド)は比較的費用が抑えられ、10万円~30万円程度が目安です。床矯正やマウスピース型矯正装置の場合は30万円~60万円程度、ワイヤー矯正では50万円~80万円程度が一般的です。
むらせ歯科では、子どもの矯正治療は成人矯正と比較して費用も抑えられる体制を整えています。顎関節症の改善も同時に行う場合は、スプリント療法(別途費用11万円(税込み))を提供しており、顎関節症に由来する頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状改善が期待できます。
矯正治療は基本的に自由診療のため、医療費控除の対象となる場合があります。年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告で控除を受けられる可能性がありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。
受け口治療でよくある質問
受け口の治療について、保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
受け口は自然に治ることはありますか?
1~2歳頃に受け口であっても、自然に正常な噛み合わせに治ることがあります。しかし、乳歯が生え揃った後も受け口が続いている場合は、矯正治療で治す方法を検討することをおすすめします。
治療中に痛みはありますか?
治療方法によって異なりますが、マウスピース型の装置や床矯正などの取り外し可能な装置は、比較的痛みが少ないとされています。ワイヤー矯正の場合は、装置を調整した直後に数日間、歯が動く際の鈍い痛みを感じることがありますが、多くの場合は数日で慣れます。
治療後に後戻りすることはありますか?
矯正治療後は、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクがあります。これを防ぐために、治療後は「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用し、歯の位置を安定させる期間が必要です。指示通りにリテーナーを使用することで、後戻りのリスクを最小限に抑えられます。
矯正治療中に気をつけることは?
矯正治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧な歯磨きが重要です。装置を装着している場合は、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は避けるようにしましょう。定期的に歯科医院でチェックを受け、装置の調整やクリーニングを行うことも大切です。
まとめ:早期発見・早期相談が鍵
子どもの受け口(反対咬合)は、適切な時期に適切な治療を受けることで、改善が期待できます。
3歳以降で受け口が続いている場合は、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。特に骨格性の反対咬合の場合は、3~5歳頃からの早期介入が効果的です。歯並びに問題がある場合でも、6~8歳頃までに治療を開始すれば、顎の成長を利用しながら効率的に改善を図ることが期待できます。
治療法は、予防矯正、床矯正、マウスピース型矯正装置、フェイスマスク、ワイヤー矯正など、お子さんの状態に応じてさまざまな選択肢があります。むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者が治療を担当し、治療中の虫歯・歯周病予防のシステムも確立しています。子どもの矯正治療は成人と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる体制を整えています。
お子さんの健やかな成長のために、受け口が気になる場合は、ぜひ早めに専門医に相談してください。適切な治療を受けることで、噛み合わせや発音、顔貌の改善だけでなく、お子さんの自信や笑顔にもつながります。
むらせ歯科では、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画をご提案し、保護者の方と一緒にお子さんの健康をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
著者情報
院長:村瀬 俊彦

| 血液型 |
O型 |
| 星座 |
おとめ座 |
| 趣味 |
映画鑑賞、読書 |
| 出身大学 |
東京歯科大学 |
| 専門 |
補綴 |
今すぐ行動
受け口(反対咬合)は早めの評価が安心です
まずは「経過観察でよいか」「治療が必要か」を確認しましょう。ご希望に合わせてご案内します。
※診療時間・休診日は公式案内をご確認ください。
2025年12月14日
歯周病は全身病?糖尿病・動脈硬化との深い関係を専門医が解説

歯周病と全身疾患の関係が注目される理由
「歯周病は口の中だけの病気」と思っていませんか?
実は、歯周病は単なる「歯ぐきの病気」ではありません。近年の研究により、歯周病が糖尿病や動脈硬化といった全身の病気と深く関わっていることが明らかになってきました。歯周病は、歯を支える骨や歯肉など周りの組織が溶けて破壊されていく細菌感染症であり、その影響は口腔内にとどまらず、血管を通じて全身に及ぶことがわかっています。
日本では40歳以上の約7割が何らかの歯周病に罹患しており、まさに「国民病」と呼べる状態です。歯周病は「お口の中のサイレントディジーズ(静かに進行する病気)」とも呼ばれ、症状が大きく進行するまで自覚症状が出にくいという特徴があります。そのため、知らない間に全身の健康を脅かしている可能性があるのです。
歯周病のメカニズム・・・なぜ全身に影響するのか
歯周病の基本的な仕組み
歯周病の原因は、歯の表面に付着している「プラーク(歯垢)」です。
プラークは単なる食べかすではなく、細菌が被膜を形成した「バイオフィルム」と呼ばれるものです。このバイオフィルムは薬物の浸透を防ぐバリアとなっているため、水や洗口剤で口をすすぐだけでは除去できません。しかし、歯磨き(ブラッシング)で簡単に取り除けるため、日々の口腔ケアが非常に重要になります。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないと、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉に炎症を起こします。歯肉が赤くなったり腫れたりしますが、痛みを感じることがほとんどないため、知らない間に症状が進行していきます。さらに悪化すると、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし、膿が出たり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
炎症が全身に広がるメカニズム
歯周病が進行すると、歯周ポケットと呼ばれる深い溝が形成されます。
出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されていると考えると、からだ全体からも無視できない問題であることが理解できるでしょう。
ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします(インスリン抵抗性)。そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。
歯周病と糖尿病の「双方向の関係」
糖尿病があると歯周病になりやすい理由
糖尿病は、インスリンの作用不足で慢性的な高血糖を引き起こす代謝疾患です。
糖尿病患者では、歯周病が悪化しやすいことが以前から知られていました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。歯周病は糖尿病の合併症の一つとも言われており、高血糖状態が続くと免疫機能が低下し、細菌感染に対する抵抗力が弱まるため、歯周病が進行しやすくなるのです。
重度の歯周病を併発している糖尿病患者では、歯周病菌由来の毒素が歯周ポケットの深部に侵入し、多量の炎症性物質が産生されます。この炎症性物質は、インスリンの働きを妨げる「TNF-α」という物質の産生を促進し、血糖コントロールをさらに困難にします。
歯周病があると糖尿病が悪化する仕組み
歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっています。
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素(エンドトキシン)は残り血糖値に悪影響を及ぼします。血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。
一般的に歯周病を治療すると、血糖値が改善することが報告されています。歯周病を合併した糖尿病の患者に、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。歯周病治療により、HbA1c値が平均0.4%程度改善するという研究結果もあり、これは糖尿病の内服薬1剤分に相当する効果と考えられています。

歯周病と動脈硬化の深い関連性
歯周病が動脈硬化を引き起こすメカニズム
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていました。
しかし、近年では別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て、血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)ができ、血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊ができると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
2025年の研究では、日本の地域在住の中高齢者において、歯周病の進行とアテローム性動脈硬化が有意に関連していることが示されました。頸動脈内膜中膜厚(cIMT)が1mm以上であった群は、歯周病進行のリスクが2.35倍高いという結果が報告されています。また、心臓足首血管指数(CAVI)の値は、歯周病進行群で有意に増加していました。
心臓病・脳卒中のリスクが高まる
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまうと、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。
歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。脳の血管のプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気が脳梗塞です。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
実際、歯周炎患者血中からは歯周病原細菌をはじめとする口腔細菌の遺伝子が検出され、歯周炎を有する全身性の疾患患者の動脈硬化病変、心臓弁、滑膜組織、肝臓などからは歯周病原細菌のDNAが検出されています。また、歯周炎患者血中の炎症マーカー(高感度CRP)は歯周病の重症度と比例して上昇し、治療により低下することが示されています。

歯周病が腸内環境にも影響を与える
口腔細菌叢と腸内細菌叢の関係
2025年の最新研究により、歯周病患者では唾液中の細菌叢だけでなく腸内細菌叢にも乱れが生じていることが明らかになりました。
理化学研究所と新潟大学、群馬大学の国際共同研究グループは、歯周病以外に全身的な疾患のない患者と健康な対象者の唾液、ならびにふん便中の細菌叢を網羅的に解析しました。その結果、歯周病患者では唾液中の細菌叢だけでなく腸内細菌叢にも乱れが生じていることを突き止めました。また、歯周病を治療することで唾液中の細菌叢だけでなく、腸内細菌叢も変化することが明らかになりました。
近年、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)がさまざまな疾患のリスクを高めることが明らかになっていますが、それらの疾患は歯周病とも密接に関係しています。代表的な歯周病原細菌を口腔から投与すると、腸内細菌叢の乱れが誘導されることが動物実験で確認されており、口腔細菌の腸内細菌叢への影響が注目されるようになっています。
全身疾患との新たな因果メカニズム
歯周病が全身疾患に影響を与える因果メカニズムとして、従来は「歯周炎病変部から侵入した細菌による菌血症」と「病変部で産生された炎症メディエーターの血中への流入」が考えられてきました。
しかし、これらのメカニズムだけでは歯周病と全身疾患の関連を十分に説明できませんでした。最新の研究により、口腔細菌が腸内細菌叢に影響を与え、その結果として全身の健康に悪影響を及ぼすという新たなメカニズムが明らかになりつつあります。歯周病治療・予防により健全な口腔細菌叢を回復し、それを維持することが全身の健康にとっても重要であることが示唆されています。
歯周病の予防と治療で全身の健康を守る
歯周病治療の基本的なアプローチ
歯周病治療の基本は、プラークや歯石除去といった原因除去です。
治療ではまずブラッシング指導により患者自身でプラークを取り除けるような練習を行います。プラークを形成する細菌が歯肉で引き起こしている炎症を減らすのが目的で、これは「プラークコントロール」と呼ばれ、歯周病治療の中心となります。患者自身によるプラークコントロールが基本となりますが、その上で歯科医院で定期的に受診を行い、歯周ポケットの中に付着しているプラークや歯石を超音波振動機器や手用器具を用いて取り除きます。これは「スケーリング」といい、歯科医療従事者が行う重要なプラークコントロールです。
一旦治療が終了しても、歯周病は再発することが多いため、「メインテナンス」もしくは「サポーティブセラピー」と呼ばれる定期的なチェックとケアを行っていくことが必要です。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしましょう。
日々の口腔ケアが全身の健康につながる

歯周病の予防・治療を行うことで、全身の様々な病気のリスクを下げることが可能です。
日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
歯医者は口腔内の変化をみることのできるプロです。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。定期的に歯科医院を受診し、専門的なケアを受けることが、お口の健康だけでなく、糖尿病や動脈硬化といった全身疾患の予防にもつながるのです。
まとめ・・・歯周病は全身の健康を左右する重要な疾患
歯周病は単なる「口の中の病気」ではありません。
糖尿病との双方向の関係、動脈硬化や心臓病・脳卒中のリスク増加、さらには腸内細菌叢への影響など、歯周病は全身の健康に深く関わっています。歯周病を予防・治療することは、お口の健康を守るだけでなく、生活習慣病の改善やQOL(生活の質)の向上といった全身の健康にも寄与します。日々の丁寧な歯磨きと定期的な歯科受診により、歯周病を予防し、全身の健康を守りましょう。
むらせ歯科医院では、厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、科学的根拠に基づいた歯周病治療を提供しています。「ヨーロッパ基準の滅菌体制」に基づいた厳格な感染予防対策のもと、専門性の高いスタッフが患者様一人ひとりのお口の健康を守り抜きます。歯周病でお悩みの方、予防に取り組みたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
詳細はこちら:むらせ歯科医院
2025年12月13日
治療期間を短縮できる抜歯即時埋入|従来法との違いと成功のポイント

抜歯即時埋入という選択肢
インプラント治療を検討されている方の中には、「できるだけ早く治療を終えたい」「何度も手術を受けるのは避けたい」という思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。

従来のインプラント治療では、歯を抜いた後に数ヶ月間の治癒期間を待ち、その後にインプラントを埋め込むという手順が一般的でした。しかし近年、「抜歯即時埋入」という治療法が注目を集めています。これは、抜歯と同時にインプラントを埋め込む方法で、治療期間を大幅に短縮できる可能性があります。
ただし、すべての症例に適応できるわけではありません。骨の状態や感染の有無など、さまざまな条件を満たす必要があります。この記事では、抜歯即時埋入の基本的な考え方から、従来法との違い、そして成功のために押さえるべきポイントまで、詳しく解説していきます。
抜歯即時埋入とは何か
抜歯即時埋入とは、その名の通り「歯を抜いたその日にインプラントを埋め込む」治療法です。
従来法との大きな違い
通常のインプラント治療では、まず抜歯を行い、その後2〜3ヶ月の治癒期間を経てからインプラントを埋入します。さらに、インプラントと骨が結合するまでに3〜6ヶ月を要するため、最終的な被せ物が入るまでに約10ヶ月かかることも珍しくありません。
一方、抜歯即時埋入では抜歯とインプラント埋入を同日に行います。これにより、骨が治癒するのを待つ期間が不要となり、治療全体の期間を最短で4〜5ヶ月程度まで短縮できる可能性があります。手術回数も減るため、患者様の身体的・精神的な負担も軽減されます。
治療期間短縮のメカニズム
抜歯後、歯があった部分の骨は徐々に吸収されていきます。研究によれば、抜歯後6ヶ月で頬舌的に約3ミリメートル、垂直的に約1ミリメートルの骨吸収が起こるとされています。抜歯即時埋入では、この骨吸収が始まる前にインプラントを埋め込むため、骨の量を保つことができます。
また、抜歯窩(歯を抜いた穴)を利用してインプラントを配置するため、理想的な位置にインプラントを埋入しやすいという利点もあります。特に前歯部では、審美性を重視した配置が可能になります。
抜歯即時埋入のメリット
治療期間の大幅な短縮
最大のメリットは、やはり治療期間の短縮です。従来法では抜歯からインプラント埋入まで数ヶ月待つ必要がありましたが、即時埋入ではその待機期間がなくなります。仕事や日常生活への影響を最小限に抑えたい方にとって、大きな利点となるでしょう。
骨吸収の予防
歯を失うと、その部分の骨は使われなくなるため徐々に吸収されていきます。抜歯後2〜3年の間に骨幅が40〜60パーセント減少するという報告もあります。抜歯即時埋入では、骨吸収が進む前にインプラントを埋め込むため、骨の量を維持しやすくなります。
骨が十分に保たれていれば、将来的に追加の骨造成手術が必要になるリスクも低減できます。
審美性の向上
特に前歯部では、見た目の回復が重要です。抜歯後に時間が経過すると、歯肉が退縮し、審美的な回復が難しくなることがあります。抜歯即時埋入では、歯肉の形態を維持しやすく、自然な見た目を実現しやすいという特徴があります。
また、仮歯を装着することで、歯がない期間をなくすことも可能です。これは、人前に出る機会が多い方にとって、心理的な安心感につながります。
外科処置の回数削減
抜歯とインプラント埋入を1回の手術で行うため、外科処置の回数が減ります。手術に対する不安や恐怖を感じる方にとって、これは大きなメリットとなるでしょう。術後の腫れや痛みも、2回手術を受ける場合と比べて軽減される可能性があります。
抜歯即時埋入の適応条件

骨の状態が良好であること
抜歯即時埋入を成功させるためには、十分な骨の量と質が必要です。インプラントを安定させるためには、周囲に十分な骨が存在し、初期固定が得られることが重要です。CT撮影によって骨の厚みや高さを詳細に確認し、適応を判断します。
骨が非常に薄い場合や、上顎洞や下顎管といった重要な解剖学的構造物との距離が不十分な場合は、即時埋入が難しいことがあります。
感染がないこと
抜歯する歯に重度の感染がある場合、即時埋入は推奨されません。感染が残っている状態でインプラントを埋め込むと、インプラント周囲炎のリスクが高まります。急性炎症を呈している場合や、歯周病が進行している場合は、まず感染のコントロールを行い、治癒を待ってからインプラント治療を行うのが安全です。
十分な初期固定が得られること
抜歯窩にインプラントを埋め込む際、インプラントが動かないようにしっかりと固定される必要があります。これを「初期固定」と呼びます。初期固定が不十分だと、インプラントと骨の結合がうまく進まず、治療が失敗するリスクが高まります。
抜歯窩の形状やサイズ、周囲の骨の質などを総合的に評価し、十分な初期固定が得られると判断された場合に、抜歯即時埋入が選択されます。
全身状態が良好であること
糖尿病や免疫系に問題がある場合、治癒が遅れることがあり、即時埋入には向かないことがあります。また、重度の喫煙者の場合、喫煙が骨の回復を遅らせ、インプラントの成功率を低下させることが知られています。
全身疾患がある場合は、治療前に主治医と連携し、全身的な管理を行った上で治療を進めることが重要です。
成功のためのポイント
綿密な診査診断
抜歯即時埋入を成功させるためには、事前の診査診断が極めて重要です。当院では、CT撮影によって骨の状態を三次元的に把握し、シミュレーションソフトを活用して術前計画を立案しています。
どの位置に、どの角度で、どのサイズのインプラントを埋入するか。神経や血管の位置を正確に把握し、安全な手術を実現するために、データに基づいた計画が不可欠です。
ガイデッドサージェーリーの活用
ガイデッドサージェーリーとは、CTデータとシミュレーションソフトによる分析で得られた情報をもとに作成されたガイド(マウスピースのようなもの)を使用する手術法です。このガイドを使用することで、計画通りの位置・角度・深さにインプラントを埋入でき、安全性が向上します。
手術時間の短縮にもつながり、患者様の負担軽減にも役立ちます。
経験豊富な術者による施術
抜歯即時埋入は、通常のインプラント治療よりも高度な技術と経験が求められます。抜歯窩の状態を正確に評価し、適切な位置にインプラントを配置する技術、そして初期固定を確実に得る技術が必要です。
当院のインプラント担当医は、日本口腔インプラント学会専修医の資格を持ち、大学院でインプラント学を専攻した経験があります。豊富な知識と技術をもとに、安全で確実な治療を提供しています。
術後のメンテナンス
インプラント治療後、長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に注意すべきは「インプラント周囲炎」です。これは歯周病と類似した病気ですが、進行速度が天然歯の10〜20倍と非常に速いのが特徴です。
当院では、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムを構築しています。患者様ごとにオリジナルのメンテナンスプログラムを作成し、予防処置の効果を検証しながら、インプラントを長持ちさせるサポートを行っています。
当院の抜歯即時埋入へのアプローチ
「残せる歯は残す」という基本理念
当院では、「残すことができる歯は可能な限り残す」という基本理念のもと、インプラント治療を提供しています。インプラントを希望して来院される患者様すべてに、すぐにインプラント治療を行うわけではありません。
まず、歯周病治療や根管治療といった基本治療で歯を残せる可能性を徹底的に検討します。本当に歯を残すことができないと判断して初めて、インプラントが治療の選択肢に入ってきます。歯は1つの「臓器」であり、簡単に取り除いていいものではないと考えています。
安全性を最優先した治療計画

当院のインプラント治療の特徴は、安全性を最優先した診査診断にあります。CT撮影による三次元的な骨の状態や神経位置の把握、シミュレーションソフト(ノーベルガイド)を活用した術前計画の立案、そしてガイデッドサージェーリーによる安全性の高い手術を実施しています。
従来の歯科医師の経験や勘に頼った手術から、データに基づいた正確で安全性の高い手術が可能となっています。
信頼できるインプラントシステムの採用
使用するインプラントは、世界的に信頼されている「ノーベルバイオケア社」と「ストローマン社」の製品を採用しています。全世界で約200社、日本国内でも30社ほど存在するインプラントメーカーの中から、治療実績、手術方法、価格、保障、安全性などを総合的に考慮して選定しています。
これらのメーカーは長い歴史と豊富な臨床データを持ち、世界中のドクターから支持を得ています。患者様に自信を持ってお勧めできるシステムです。
抜歯即時埋入を行わない方が良いケース
重度の感染がある場合
歯周病が進行している場合や、歯の根に感染がある場合は、インプラントを埋め込んでも治癒が難しく、トラブルが起こる可能性が高くなります。このような場合は、まず感染のコントロールを優先し、治癒を待ってからインプラント治療を行うのが安全です。
骨量が著しく不足している場合
骨量が不足していると、インプラントが安定しない可能性があります。この場合、骨移植や骨の再生治療が必要になることがあり、即時埋入が難しいことがあります。ただし、骨再生療法を組み合わせることで治療が可能になるケースもありますので、詳しい検査と診断が重要です。
全身疾患のコントロールが不十分な場合
糖尿病や免疫系に問題がある場合で、全身状態のコントロールが不十分な場合は、治癒が遅れるリスクがあります。主治医と連携し、全身状態を安定させた上で治療を進めることが大切です。
インプラント治療のメリット
しっかり噛める
インプラントは、人工の歯根をあごの骨に直接埋め込むため、しっかりと固定されます。その結果、自分の歯と同じように安定した状態で噛むことができ、かたい食べ物もしっかり噛みしめることが可能になります。
見た目が自然で美しい
インプラントは、一度装着すると入れ歯のように取り外す必要がありません。また、人工の歯の部分はセラミック素材で作られており、自然な歯の色や形に近いため、見た目がとても自然で違和感が少ないのが特徴です。
他の健康な歯を守る
入れ歯の場合、入れ歯を安定させるために金属のバネを他の健康な歯にひっかける必要があり、健康な歯に負担をかけてしまうこともあります。ブリッジの場合も、他の健康な歯を支台とする必要があり、咀嚼の度に健康な歯へ過度の負担がかかることで、寿命が短くなる可能性があります。
しかし、インプラントの場合は他の健康な歯に負担をかけることはありません。つまり「他の健康な歯を守る」という意味で、インプラントは予防処置といえます。
認知症予防にも
最近の研究では、物をしっかり噛むことで脳に新鮮な血液が行き渡り、認知症の予防になるという結果が出ています。この意味からも、インプラントは「自立した人生を送る」ための予防処置と言えるでしょう。
まとめ
抜歯即時埋入は、治療期間の短縮、骨吸収の予防、審美性の向上など、多くのメリットを持つ治療法です。ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、骨の状態、感染の有無、全身状態などを総合的に評価し、適応を慎重に判断する必要があります。
成功のためには、綿密な診査診断、高度な技術を持つ術者による施術、そして術後の適切なメンテナンスが不可欠です。当院では、CT撮影やシミュレーションソフトを活用した安全性の高い治療を提供し、患者様一人ひとりに最適な治療法を提案しています。
インプラント治療を検討されている方は、まずは詳しい検査と診断を受けることをお勧めします。あなたの状態に最適な治療法を一緒に考え、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。歯を失ったままの状態に悩むことなく、迅速に美しい笑顔と快適な生活を取り戻しましょう。
むらせ歯科では、「残すことができる歯は可能な限り残す」という理念のもと、インプラント治療を提供しています。抜歯即時埋入を含め、あなたに最適な治療法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
2025年12月11日
舌癖が招く歯並びトラブル|小児矯正で改善する仕組みと治療のタイミング

舌癖とは?歯並びに影響を与える無意識の習慣
「舌癖(ぜつへき)」という言葉をご存じでしょうか。
舌癖とは、舌で歯を触ったり押したり、歯と歯の間に舌を挟んだりする無意識の習慣のことです。普段何もしていない時に舌が常に歯に触れている状態や、食べ物を飲み込むたびに舌で歯を押してしまうような癖も含まれます。一見なんでもないような癖に思えるかもしれませんが、実は歯並びや身体の健康に大きな悪影響を及ぼす可能性があるのです。
人間は1日に約1500回、無意識に唾液を飲み込んでいます。その度に舌で歯を押していると考えると、歯に与える力は相当なものになります。たとえ小さな力でも、継続的に歯に圧力がかかることで、歯並びは少しずつ崩れてしまうのです。
舌癖は幼少期のお子さまに多く見られ、大人になっても改善しない方もいらっしゃいます。しかし、適切なトレーニングや矯正治療によって改善することが可能です。

舌癖が引き起こす歯並びのトラブル
舌癖は、さまざまな歯並びの問題を引き起こします。
出っ歯(上顎前突)
舌で上の前歯を押す癖があると、歯が前方に傾き「出っ歯」になることがあります。常に舌が前歯に触れている状態が続くと、少しずつ歯が外側に押し出されてしまうのです。
受け口(下顎前突)
舌が後方に下がっている状態では、食べ物を飲み込む時に下の前歯を舌で押す癖がつきやすくなります。この習慣が続くと「受け口」の原因となります。
開咬(前歯が閉じない)
上下の前歯で舌を噛んだり、隙間に舌を押し付けたりする癖があると、前歯のあいだに縦方向の隙間が生じてしまいます。これを「開咬(かいこう)」といい、前歯で食べ物を噛み切ることができなくなってしまいます。
また、舌癖は発音にも影響を与えることがあります。サ行、タ行、ナ行、ラ行などが不明瞭になりやすく、滑舌の問題につながることもあるのです。
舌癖の原因を知って早期に対処する
舌癖が生じる原因はさまざまです。
離乳食の食べ方
離乳食を食べる際に唇を正しく使えていないと、舌を前方に出す癖がつくことがあります。食べ物が乗ったスプーンを唇で挟み込み「パクッ」と食べることが大切です。
指しゃぶり
指しゃぶりを4歳頃までにやめさせないと、前歯が傾き、その隙間が気になって舌で触る癖がつくことがあります。指しゃぶりは生後2~3ヵ月頃からほとんどの赤ちゃんに見られる心を落ち着かせるための習慣ですが、4歳以降も続くと歯並びに影響を及ぼす可能性が高まります。
乳歯の早期喪失
重度の虫歯などで乳歯の前歯が本来より早く抜けると、永久歯が生えてくるまで歯がない状態が長く続くことがあります。すると、抜けたところが気になって舌で触る癖がつく可能性が高くなります。
慢性的な鼻づまり

アレルギー性鼻炎などに伴う慢性的な鼻づまりは、口呼吸の原因となります。口からの空気を通すため、舌の位置が後方へと下がり、舌癖が生じやすくなるのです。
小児矯正で舌癖を改善する仕組み
小児矯正では、歯を直接動かすだけでなく、歯並びが悪くなる「原因」そのものにアプローチします。
むらせ歯科では、子供の矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しています。I期治療では歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目し、「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」を使用して改善していきます。
歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)とは
この装置は、歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。口呼吸や舌癖、逆嚥下といった習慣を改善することで、自然と正しい歯並びへと導いていきます。
年齢に応じたアプローチがあり、0〜2歳では姿勢の訓練を行います。歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうこともあるからです。
3〜5歳では「インファント」という取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用し、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。
6〜9歳では「マイオブレーストレーナー」という装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善していくのです。
正しい舌の位置を覚える
安静時の舌の正しい位置は、「スポット」と呼ばれる「舌先が上の前歯の裏側にあり(前歯とは触れない)、舌の表側が上顎にくっついた状態」です。この位置を保つことで、自然と口が閉じるようになります。
お子さまにこの正しい舌の位置を伝え、覚えてもらうことが重要です。飲み込むときも、舌で食べ物を後方へと押しやり、そのまま舌先が上顎に触れた状態で飲み込みます。飲み込んだときには、奥歯が噛んだ状態にあることが理想的です。
家庭でのトレーニングの重要性

矯正治療の効果を最大限に引き出すためには、ご自宅で毎日トレーニングを行うことが大切です。
トレーニングというと「難しそう」「続けられるかな……」と不安に思われるかもしれません。しかし、トレーニング自体は難しくありませんし、痛みも一切伴いません。ただし、「継続」が大切になります。このトレーニングを行わないと効果が半減してしまうため、お子さまに継続してもらうため、親御さんの協力が必要となります。
舌の筋力トレーニング
舌の筋力を鍛えるためのトレーニングが効果的です。「あいうべ体操」では、あー、いー、うー、べー、のお口を作ることで舌の筋肉を鍛えることができます。また、キシリトール入りのガムを口の中で丸める・伸ばすことを繰り返す「ガムトレーニング」や、突き出したベロをグルグルと回す「ベロ回し」なども有効です。
専任スタッフによる指導
むらせ歯科では、専門のトレーニングを受けた専任スタッフがトレーニング方法をお伝えします。また、ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施してもらうため、ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。
治療開始のタイミングと期間
小児矯正を始めるのに適した時期は、一般的には6〜8歳とされています。
永久歯が生えそろう前のお子さまの治療の場合、I期治療から始めることが多く、平均的な治療期間は1年半〜3年程度です。早期に始めることで、顎の成長を利用しながら自然な歯列に導くことができるため、結果として治療期間の短縮につながることもあります。
親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせて頂きます。
I期治療とII期治療
I期治療が終わり、顎(アゴ)の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。その場合に、仕上げのII期治療を行います。
むらせ歯科では、「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。どうしてもII期治療まで必要な場合は、しっかりとお子さんと親御さんにご説明させて頂き治療を進めていきます。
小児矯正のメリットとリスク
小児矯正には多くのメリットがあります。
メリット
噛み合わせが整うことで、食べ物をしっかりと噛むことができるようになります。また、歯並びが良くなることで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病になりにくくなります。顎の成長をコントロールしながら歯を整列させることができるため、スペース不足を回避し、歯を抜かずに矯正する可能性が高まります。
さらに、お口周りの筋肉を正しく使えることで、不正咬合の予防だけでなく、発音が改善したり鼻呼吸ができるようになったりします。鼻呼吸をすることで、身体がもつ免疫機能をうまく働かせることができ、風邪などの感染症の予防につながるのです。
デメリットとリスク
一方で、抜歯が必要な場合があることや、自費診療で高額になることがあるといったデメリットもあります。また、歯根吸収が起こる可能性もあります。
矯正歯科装置を付けた後しばらりは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。きれいに並んだ歯並びを維持するためには、保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。
まとめ|舌癖は早期改善が鍵
舌癖は、無意識のうちに歯並びや身体の健康に悪影響を及ぼす習慣です。
しかし、適切な小児矯正とトレーニングによって改善することが可能です。歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用したI期治療では、歯並びが悪くなる原因そのものにアプローチし、口腔周囲筋の機能を正常化します。年齢に応じた装置とトレーニングを組み合わせることで、自然と正しい歯並びへと導くことができるのです。
お子さまの口呼吸や舌癖が気になる方は、早めに歯科医院にご相談ください。大人の歯が生えてきたタイミングでプロの目で診断することで、今後の歯の動きを予測し、適切な治療開始時期を提案してもらえます。お子さまのすこやかな成長のために、舌癖の早期改善を目指しましょう。
むらせ歯科では、お子さまの成長に合わせた小児矯正を提供しています。舌癖や歯並びのお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。専門のスタッフが丁寧にサポートいたします。
2025年12月9日
子どもの噛み合わせチェック6つのポイント|自宅でできる成長観察ガイド

子どもの噛み合わせ、気になったことはありませんか?
お子さんの歯並びや噛み合わせについて、「これって大丈夫かな?」と不安に思ったことはありませんか?
実は、子どもの噛み合わせは成長とともに変化していくものです。乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、特に注意深く観察することが大切になります。なぜなら、この時期の噛み合わせの問題を早期に発見することで、将来的な大掛かりな矯正治療を回避できる可能性が高まるからです。
学校の歯科検診で「歯列・咬合」の項目に「要観察」や「要精検」と書かれていたら、保護者としては心配になりますよね。しかし、すべてのケースで矯正治療が必要というわけではありません。顎の成長による自然改善が見込める場合もあれば、早期の介入が必要な場合もあります。
このガイドでは、ご家庭で簡単にできる噛み合わせのチェック方法を6つのポイントに分けてご紹介します。専門的な知識がなくても、日常的にお子さんの口元を観察することで、適切なタイミングで歯科医院に相談できるようになります。
【ポイント1】前歯の重なり具合をチェックする
まず最初に確認したいのが、前歯の重なり具合です。
正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯に2〜3mm程度被さって噛んでいる状態が理想的とされています。お子さんに「イー」と言ってもらい、奥歯をしっかり噛んだ状態で前歯の位置関係を観察してみましょう。
上の前歯が下の前歯より奥に入り込んでいる場合
これは「反対咬合」や「受け口」と呼ばれる状態です。下の歯が上の歯よりも前に突き出ている場合、3歳児歯科健康診断では前歯部の連続した3歯以上の逆被蓋が経過観察の対象となります。受け口は放置すると骨格的な変形が強まり、下あごがどんどん突き出てしまう可能性があります。
特に注意が必要なのは、下あごが「長管骨」という骨の一種であるため、身長が伸びる小学生以降にぐんぐん成長する点です。そのため、幼児期のうちに治療を開始することが推奨されています。
上の前歯が大きく前に出ている場合
「出っ歯」と呼ばれる「上顎前突」の状態です。オーバージェット(上下の前歯の水平的な距離)が4mm以上ある場合は、経過観察が必要とされています。この状態では、前歯で物を噛みきりにくかったり、口が閉じにくくなったりすることがあります。
上下の前歯が全く重ならない場合
奥歯を噛み締めても前後の歯が重ならない状態を「開咬」といいます。上下前歯切縁間に僅かでも空隙がある場合は、3歳児歯科健康診断でも経過観察の対象となります。開咬があると、前歯で物を噛みきることができず、食事に時間がかかったり、発音が舌足らずになったりすることがあります。
【ポイント2】歯並びの凸凹をチェックする
次に確認したいのが、歯並びの凸凹です。
歯が重なり合っている状態を「叢生」といいます。3歳児歯科健康診断では、隣接歯が少しでも重なり合っている場合は経過観察の対象となります。学校歯科健康診断では、隣接歯が互いの歯冠幅径の1/4以上重なり合っている場合に専門医による診断が必要とされています。
なぜ歯並びが凸凹になるのか
歯並びが凸凹になる主な原因は、歯の大きさに対してアゴの大きさが小さいことです。永久歯が生えるスペースが足りないと、歯が重なり合ったり、斜めに生えてきたりします。乳歯の段階で永久歯の生えるスペースが足りない場合は、早めに歯科医院に相談することをおすすめします。
また、指しゃぶりや舌癖などの悪習癖も歯並びの乱れの原因となることがあります。普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている状態を「舌癖」といい、常に歯に対して一定の力が与えられることで歯並びは崩れてしまいます。
年齢別のチェックポイント
3歳から5歳の乳歯列完成期では、上下の歯が合計20本あり、上下の前歯の間に1〜2mm程度の隙間があることが正常です。一方、6歳から8歳以上では、上下の前歯(永久歯)が生え揃い、上下の前歯の間に0.5〜1mm程度の隙間があることが望ましいとされています。
2歳以下の乳歯の段階では、前歯に隙間がある方が正常咬合となります。これは、永久歯が乳歯よりも大きいため、将来的に永久歯が生えるスペースを確保するために必要な隙間だからです。
【ポイント3】左右のバランスをチェックする
噛み合わせの左右のバランスも重要なチェックポイントです。
顔の中心と歯の中心が一致しているか
お子さんに「イー」と言ってもらい、口を「い」の形にした時に、顔の中心と上下の歯の中心がまっすぐ並んでいるか確認しましょう。顔の中心と上下の歯の中心がまっすぐ並ばない場合は、歯が左右にズレている可能性があります。
割り箸を使った簡単チェック

割り箸などを口にくわえ、奥歯で噛んでみてください。割り箸が水平にならない場合は、左右の歯の高さがズレている可能性があります。このような左右のズレは、顎の関節や咀嚼筋のバランスにも影響を及ぼす可能性があるため、気になる場合は歯科医院に相談しましょう。
交叉咬合のチェック
左右どちらかの奥歯で、上の歯が下の歯の内側に入り込んでいる状態を「交叉咬合」といいます。3歳児歯科健康診断では、左右どちらかでも交叉咬合がある場合は経過観察の対象となります。交叉咬合は、顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の治療が推奨されることがあります。
【ポイント4】口の開け方と顎の動きをチェックする
噛み合わせの問題は、顎の関節にも影響を与えることがあります。
口の開き具合を確認する
お子さんに大きく口を開けてもらい、縦に指が3本入るか確認してみましょう。縦に指が3本入らなかったり、顎に痛みを感じる場合は、顎の関節に問題がある可能性があります。また、口を開けた時に顎がカクカクと音を立てたり、口が開きにくいといった症状がみられる場合は、顎関節症の可能性がありますので、早めに歯科医院に相談しましょう。
奥歯の噛み合わせを確認する
奥歯をカチカチと噛んでみて、歯が当たる箇所が左右非対称な場合、噛み合わせがズレている可能性があります。また、6才臼歯(真ん中から数えて6番目の歯)が8歳を過ぎても生えてこない場合は、歯科医院での確認が必要です。
食事中の様子を観察する
食べ物をきちんと噛めない場所があったり、誤って口の中を噛んでしまうことが多い場合は、噛み合わせに問題がある可能性があります。また、食べ物を噛むときに痛みを感じたり、クチャクチャ音を立てて食べたり、固いものが苦手になったり、食事にとても時間がかかったりする場合も、噛み合わせの問題が原因かもしれません。
【ポイント5】日常の癖や習慣をチェックする
噛み合わせは、日常の癖や習慣によっても影響を受けます。
口呼吸をしていないか
口で呼吸していると舌は低位になり、上顎の成長を妨げ歯並び悪化の原因となります。また、病原菌が喉の粘膜から直接取りこまれてしまうため、健康のためにも良いことではありません。お口がポカンと開いている状態が続いている場合は、口呼吸の可能性があります。
指しゃぶりや舌癖がないか
指しゃぶりや舌突出癖、口呼吸などの悪習癖は、歯並びの乱れの原因となることがあります。普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている場合はこの癖に該当します。舌先は上の前歯のつけねの少し手前あたりに当たっている状態が正しい位置です。たとえ小さな力でも舌の力によって歯並びは崩れてしまいます。
姿勢や寝方をチェックする
歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。うつぶせ寝をする癖がある場合も、顎の成長に影響を与える可能性があります。正しい姿勢を獲得する訓練を行うことで、歯並びの悪化を予防できる場合があります。
発音や滑舌をチェックする
「さ行」や「た行」が言いにくくなり、発音が舌足らずで不明瞭になる場合は、噛み合わせの問題が原因かもしれません。言葉が聞き取りにくい場合や、発音に違和感がある場合は、歯科医院に相談してみましょう。
【ポイント6】成長段階に応じた観察をする
子どもの噛み合わせは、成長段階によって変化していきます。
乳歯列期(3歳〜5歳)のチェックポイント
この時期は乳歯列完成期です。上下の歯が合計20本あり、上下の前歯の間に1〜2mm程度の隙間があることが正常です。噛んだ時に上の前歯が下の前歯に被さって噛んでいる状態が理想的です。上の前歯が下の前歯より奥に入り込む場合は、注意が必要です。
また、歯ぎしりをする、大きないびきをするといった症状も、将来的な不正咬合のリスク因子とされています。この時期に気になる症状がある場合は、6歳未満でも矯正歯科の評価を受けておくことをおすすめします。
混合歯列期(6歳〜9歳)のチェックポイント
6歳になると下の前歯が抜けて、7歳を過ぎると上の前歯が抜けて、前歯から奥歯の順に永久歯に生え変わります。この時期は、混合歯列期と呼ばれ、小児矯正の開始時期として一般的なタイミングです。
上下の前歯(永久歯)が生え揃い、上下の前歯の間に0.5〜1mm程度の隙間があり、上の前歯は下の前歯に2〜3mm程度被さって噛んでいることが望ましいとされています。永久歯が斜めに生えてきている、または重なり始めている場合は、早めに歯科医院に相談しましょう。

自然改善が見込める場合と早期介入が必要な場合
乳歯から永久歯に生え変わる時期は、顎の骨も成長し、歯並びが自然に改善されることがあります。特に、顎の成長が十分に見込まれる場合は、急いで矯正治療をする必要はないかもしれません。定期的な歯科検診で経過観察を行い、必要に応じて矯正治療を検討します。
一方、顎の成長に問題がある場合や、重度の歯並びの乱れがある場合は、小児矯正によって顎の成長をコントロールし、正常な発達を促すことができます。特に、顎の成長が活発な時期に矯正治療を行うことで、より効果的な改善が期待できます。早期に治療を開始することで、外科手術が必要なケースを回避できる可能性も高まります。
気になる症状があったら、早めに専門家に相談を
ここまで、ご家庭でできる噛み合わせのチェック方法を6つのポイントに分けてご紹介しました。
これらのチェックポイントはあくまでも簡易検査になりますので、矯正治療が必要かどうかは歯科医院に相談されることをおすすめします。特にお子さんの歯並びの場合、親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。
大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせて頂きます。
小児矯正のメリット
小児矯正には、成人矯正にはないメリットがあります。顎の骨の成長を利用できることにより、永久歯を抜歯せずに矯正できる可能性が高まります。また、顎の成長をコントロールすることで、顔全体のバランスを整える効果も期待できます。
むらせ歯科では、子供の矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しています。I期治療では歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目し、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用して改善します。この装置は歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになる原因をオリジナル装置やトレーニングで改善する方法です。
年齢に応じたアプローチ
0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳ではインファントという取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用、6〜9歳ではマイオブレーストレーナーという装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。家庭でのトレーニング継続が重要で、専任スタッフの指導とオリジナルアプリケーションによる支援があります。
I期治療後も必要に応じてII期治療を行い、歯並びの仕上げを行います。むらせ歯科では「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。
お子さんの健やかな成長のために
子どもの噛み合わせは、見た目だけでなく、よく噛んで食事するためにもとても大切です。噛み合わせが整うことで、虫歯や歯周病になりにくくなるというメリットもあります。また、正しい噛み合わせは、発音や咀嚼機能の向上にもつながります。
お子さんの歯並びや噛み合わせに少しでも気になる点がある場合は、ぜひ一度専門家にご相談ください。早期発見・早期治療が、お子さんの健やかな成長をサポートします。むらせ歯科では、子供の成長・発育を専門的に考え、あごの骨格や歯の位置の分析を得意としています。あごの関節や噛み合わせを重視した歯並び治療をぜひお試しください。
2025年12月9日
学校検診で歯科指摘を受けたら?小児矯正相談までの流れと保険適用のポイント

学校検診で「歯列・咬合」の指摘を受けたら
お子さんが学校から黄色い用紙を持って帰ってきた時、多くの保護者の方が不安を感じるのではないでしょうか。
特に「歯列・咬合」という項目にチェックが入っていると、「すぐに矯正治療が必要なの?」「費用はどれくらいかかるの?」といった疑問が次々と浮かんでくるものです。実は、この指摘は「今すぐ治療を始めなさい」という意味ではなく、「今後の成長を見守るために、専門家に一度相談してみましょう」というサインなのです。
2024年6月からは、学校検診で歯列・咬合の指摘を受けた場合、矯正相談が保険適用となる制度が始まりました。これにより、こども医療券をお持ちの方であれば、窓口負担なく専門家のアドバイスを受けることができるようになっています。まずは落ち着いて、正しい知識を身につけることから始めましょう。
「歯列・咬合」の指摘が意味すること
学校歯科検診における「歯列・咬合」とは、歯の並び方や噛み合わせの状態を確認する項目です。
この項目にチェックが入ったということは、学校歯科医が「今後の成長過程で、歯並びや噛み合わせについて慎重な経過観察が必要」と判断したことを示しています。つまり、現時点で緊急性があるわけではなく、将来的な健全な発育のために専門家の目で確認しておくべき、という意味合いが強いのです。
不正咬合の主な種類
歯並びや噛み合わせの問題には、いくつかの代表的なタイプがあります。
「叢生(そうせい)」は歯が重なり合って生えている状態で、いわゆる「乱ぐい歯」と呼ばれるものです。「下顎前突」は受け口の状態を指し、下の歯が上の歯よりも前に出ています。「上顎前突」は出っ歯と呼ばれる状態で、上の前歯が前方に突出しています。「開咬」は奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態です。これらの原因は遺伝的要因や、指しゃぶり・舌の癖などの習癖、口呼吸など多岐にわたります。
検診結果は「治療勧告」ではない
重要なのは、学校検診での指摘は直ちに治療を開始することを求めるものではないということです。
学校検診は短時間で多くのお子さんを診るため、精密な診断というよりは「気になる点がある」というスクリーニングの役割を果たしています。そのため、指摘を受けた場合でも、まずは専門家に相談して現状を正確に把握することが第一歩となります。逆に、指摘がなかったからといって完全に安心できるわけでもありません。歯と歯の間の初期虫歯や、レントゲンでしか確認できない問題は、学校検診では発見できないこともあるのです。
保険適用での矯正相談とは?
2024年6月から始まった新しい制度により、学校検診で歯列・咬合の指摘を受けたお子さんは、保険を使って矯正相談を受けられるようになりました。
保険適用の範囲と条件
この保険適用は、「学校検診での指摘内容が、保険適用対象の疾患に該当するかどうかを判断するための精密診断」に限定されています。
一般的な矯正治療の進め方や期間、装置に関する相談は、この保険適用の範囲外となります。相談を受ける際には、学校から受け取った検診結果の用紙を必ず持参する必要があります。この用紙がないと保険適用ができませんので、大切に保管しておきましょう。また、この保険での相談は年度内に1回限りと定められているため、すでに他の医院で保険を使って相談された場合は、通常の矯正相談(自費)での対応となります。

診断結果の4つのパターン
保険適用での相談を受けた後、歯科医師から診断結果を記した文書が渡されます。
この文書には、現状の不正咬合の状態説明とともに、以下の4つのいずれかの判断が記載されています。「お子様の歯科矯正治療は保険適用になります」というパターンAは、口唇裂・口蓋裂などの先天性疾患や顎変形症など、厚生労働省が定める特定の疾患に該当する場合です。「お子様の歯科矯正治療は保険適用になる可能性が高いです」というパターンBは、詳細な検査を行えば保険適用の可能性が高いケースです。「お子様の歯科矯正治療は保険適用外と考えられます」というパターンCは、詳細検査の結果次第で判断が変わる可能性があるケースです。「お子様の歯科矯正治療は保険適用外で自費となります」というパターンDは、一般的な歯並びの問題で、矯正治療を行う場合は自費診療となるケースです。
小さなお子さんの場合の注意点
保険適用での相談には、お口の中の写真撮影やレントゲン撮影などの精密検査が必須となります。
お子さんが歯科への恐怖心が強く検査が難しい場合や、まだ小さくて協力が難しい場合には、お子さんの負担を考慮して、まずは慣れていただくための通常の矯正相談(自費)をおすすめする歯科医院もあります。お子さんの年齢や性格に応じて、無理のない形で相談を進めることが大切です。
小児矯正の治療内容と流れ
子どもの矯正治療は、一般的に2段階で行われます。
I期治療〜根本原因へのアプローチ
I期治療は、永久歯が生え揃う前の段階で行う治療です。
この時期の治療では、歯並びが悪くなる根本的な原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目します。例えば、普段何もしていない時に舌が常に歯に触れている「舌癖」があると、小さな力でも持続的に歯に圧力がかかり、歯並びが崩れてしまいます。また、口呼吸をしていると舌の位置が低くなり、上顎の成長を妨げて歯並び悪化の原因となります。I期治療では、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)という方法を用いて、これらの悪習癖を改善していきます。
年齢に応じた治療アプローチがあります。
0〜2歳では、座り方や姿勢、抱っこの仕方など、日常生活の中で正しい姿勢を獲得する訓練を親御さんと一緒に行います。3〜5歳では、「インファント」という取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。6〜9歳では、「マイオブレーストレーナー」という装置と、舌・口・呼吸の訓練を組み合わせて行います。
家庭でのトレーニングの重要性

I期治療の効果を最大限に引き出すには、家庭でのトレーニング継続が欠かせません。
トレーニング自体は難しくなく、痛みも一切伴いませんが、「継続」が何より大切です。そのため、お子さんに継続してもらうためには親御さんの協力が必要となります。専門のトレーニングを受けた専任スタッフが丁寧に方法をお伝えし、ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施できるよう、パソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションを提供している歯科医院もあります。アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境が整えられています。
II期治療〜仕上げの段階
I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものに問題が残ることがあります。
歯がでこぼこしていたり、回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりする場合には、仕上げのII期治療を行います。II期治療では、すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並びと噛み合わせを目指します。治療方法には、歯にワイヤー型の装置を取り付ける「唇側マルチブラケット矯正」と、透明なマウスピース型の装置を定期的に取り換える「マウスピース矯正(インビザライン)」の2種類があります。

矯正治療の費用と医療費控除
矯正治療は基本的に自費診療となるため、費用面での不安を感じる方も多いでしょう。
治療費用の目安
矯正治療の費用は、症状や治療内容によって異なりますが、一般的に約22〜110万円程度かかります。
I期治療(予防矯正)の場合は44万円程度、II期治療(本格矯正)の場合は77〜110万円程度が目安となります。これに加えて、毎月の再診料として3,300〜5,500円程度が必要です。装置を紛失したり破損したりした場合には、別途費用がかかることもあります。治療開始前には、資料取り・診断料として33,000円程度が必要となる場合が一般的です。
医療費控除の対象となるケース
矯正治療は保険が効かない自費診療ですが、医療費控除の対象となる場合があります。
お子さんの矯正治療が医療費控除の対象となるのは、その治療が「疾病の予防」または「口腔機能の回復」を目的としており、歯科医師の診断に基づいて実施されている場合です。具体的には、顎顔面の正常な発育を促す目的、咀嚼・嚥下・発音などの口腔機能の正常化、虫歯や歯周病のリスク低下、顎関節や顔貌への二次的影響の予防といった医学的理由がある場合は、医療費控除の対象となります。一方で、単に見た目を整えることだけを目的とした審美的な矯正治療は、控除の対象外となります。
学校検診での指摘と医療費控除
学校検診で不正咬合を指摘された場合、その後の矯正治療は医療費控除の対象となる可能性が高くなります。
学校検診での指摘は、医学的な必要性を示す一つの根拠となるためです。医療費控除を受けるためには、確定申告時に治療費の領収書や診断書を保管しておく必要があります。また、通院にかかった交通費も控除の対象に含められる場合があります。医療費控除は、納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者やお子さんなどのご家族にかかった医療費も対象となるため、保護者の方が支払ったお子さんの矯正治療費についても申請が可能です。
治療開始のタイミングと経過観察
「いつから矯正治療を始めるべきか」は、多くの保護者の方が悩まれる点です。
適切な治療開始時期
矯正治療に「手遅れ」はありません。
ただし、早めに介入すれば比較的簡単に治療できる場合があることも事実です。一般的には、大人の歯(前歯)が生えてきたタイミングで一度専門家に相談することが推奨されています。この時期にプロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測でき、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどの適切なアドバイスを受けることができます。治療するしないにかかわらず、一度相談しておくことで、お子さんの成長に合わせた最適な対応が可能になります。
定期検診の重要性
学校検診は年に1回ですが、お子さんの口腔健康を守るには、それだけでは不十分です。
歯科医院での定期検診は、3か月に1回程度が推奨されています。定期検診では、虫歯の有無、奥歯の噛み合わせ、日常の歯磨き方法、食生活などを総合的に確認します。虫歯の早期発見・早期治療が可能になるだけでなく、小児矯正の適切な開始時期を逃さないためにも重要です。お子さんの頃から定期検診やクリーニングに通い、正しい歯磨き方法を身につけておけば、大人になってからも健康なお口を維持できます。
まとめ〜お子さんの歯の健康のために
学校検診で「歯列・咬合」の指摘を受けたら、まずは落ち着いて専門家に相談しましょう。
2024年6月からは保険適用での矯正相談が可能になり、こども医療券があれば窓口負担なく専門家のアドバイスを受けられます。学校検診結果の用紙を忘れずに持参して、お子さんの現状を正確に把握することが第一歩です。矯正治療は決して急ぐ必要はありませんが、早めの相談で治療の選択肢が広がることもあります。
お子さんの歯の成長は、将来の健康に大きく影響します。
歯並びや噛み合わせの問題は、見た目だけでなく、咀嚼機能、発音、虫歯リスク、顎関節の健康など、さまざまな面に関わっています。「うちの子の場合はどうなんだろう?」と少しでも気になったら、お一人で悩まず、気軽に歯科医院に相談してみてください。専門家が、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適なアドバイスを提供してくれます。
むらせ歯科では、お子さんの健やかな成長を支える小児矯正治療を提供しています。学校検診で指摘を受けた方も、歯並びが気になる方も、まずはお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にご説明し、お子さんと保護者の方が納得できる治療プランをご提案いたします。
2025年12月9日
指しゃぶりと歯並びの関係|やめられない時の対処法を専門医が解説

お子さんの「指しゃぶり」が気になっている親御さんは多いのではないでしょうか。
可愛らしい仕草に見える一方で、「歯並びに影響が出るのでは」「いつまで続けていいの」といった不安を抱えている方も少なくありません。実際、指しゃぶりは年齢や頻度によって、お子さんの口腔発育に大きな影響を及ぼす可能性があります。
東京歯科大学で学び、矯正歯科の専門知識を持つ私が、指しゃぶりと歯並びの関係について詳しく解説します。
この記事では、指しゃぶりがなぜ起こるのか、どのような影響があるのか、そしてやめられない時の具体的な対処法まで、科学的根拠に基づいた情報をお伝えします。
指しゃぶりはなぜ起こる?年齢別の原因と特徴
指しゃぶりは、お子さんの成長過程で見られる自然な行動です。
実は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から、すでに指しゃぶりは始まっています。超音波検査で胎児の様子を観察すると、多くの赤ちゃんが指をしゃぶっている姿が確認されており、これは生まれた後におっぱいを飲む練習をしていると考えられています。

0歳児の指しゃぶり|本能的な反射行動
生後数ヶ月の赤ちゃんの指しゃぶりは、「吸てつ反射」と呼ばれる原始反射の一つです。
これは口に触れたものに吸い付く本能的な行動で、生命維持に欠かせない重要な反射運動です。赤ちゃんは自分の手が口元に触れると、この反射によって自然と指をしゃぶり始めます。また、興奮したときなどに指を口に持っていく傾向があり、指をしゃぶることで自らが安心感を得ています。
歯が生え始める時期になると、歯茎の部分がむずがゆく、口の中で何かを噛んだり舐めたりすることで歯茎のかゆみを和らげようとすることもあります。さらに、おもちゃなどの物の特性をつかむために口に入れて試すという行為をします。その一部として指しゃぶりという行動が見られます。
1〜3歳児の指しゃぶり|学習と安心感の獲得
1〜3歳になると、0歳児の頃と比べて徐々に遊びが活発化していきます。
ただ物を舐めるだけだったのが、手を使う行動に変わっていきます。そのため、この期間では指しゃぶりの頻度が減るといわれています。こうした手を使う遊びの中で自我が芽生え、自己表現が増えていき、ストレスの発散方法も多様化していくでしょう。
その結果、指しゃぶりに頼ることが少なくなると考えられます。ただし、1〜3歳の段階では、まだまだ指しゃぶりを続ける子も一定数おり、あくまでも指しゃぶりの頻度が減るということを覚えておきましょう。退屈な時や眠い時など限られた場面で見られるようになります。
3歳以降の指しゃぶり|習慣化に注意が必要
3歳児〜就学前のこどもは、社会性が芽生え、自我が形成され、言葉を使って表現する能力が高まります。
この時期になると、指しゃぶりの頻度は徐々に減少していくでしょう。刺激が多くなる学校生活の準備や友だちとの関わり方を覚えるなど、新たな生活適応能力が求められるためです。この段階では、指しゃぶりをするこどもの割合は減少しますが、引き続き指しゃぶりを続ける子も一定数います。
6歳頃〜小学校入学後に指しゃぶりが続いていると、次第に歯並びに影響を及ぼす可能性があります。この年齢まで来ると、こどもの口腔の発育に関わるため、親が注意を促し、指しゃぶりの癖をやめさせる働きかけが必要となるでしょう。
指しゃぶりが歯並びに及ぼす具体的な影響
指しゃぶりは、お子さんの歯並びや顎の成長に大きな影響を与える可能性があります。
子どもが指しゃぶりをする際の、指を吸う力はかなり強いです。子どもの口から指を抜こうとしても、簡単には抜けないほどの力で指を吸っています。強い力で指を吸い続けていると、歯に強い圧力がかかるのです。口の中の圧力も強くなり、上顎の形にも影響がでる可能性もあります。
指しゃぶりする行為自体は、胎児の頃から始まっていて、乳児期は本能でしているものです。指しゃぶりすべてが歯並びに影響するわけではありません。問題は、歯が生えそろい顎の成長が活発な幼児期の指しゃぶりです。幼児期に長時間・長期的に指しゃぶりをしている場合は、注意をしましょう。

歯列狭窄|歯列の幅が狭くなる
歯列の形は本来、U字です。
しかし、指しゃぶりで指を吸う力が加わることで、奥歯が内側に押される力が働きます。奥歯が内側に押されることで、歯列の幅が狭くなってしまうのです。歯列の幅が狭くなると、歯が正しい位置に生えることができません。歯列が狭くなると歯が重なって生えてしまうこともあります。
指を吸うときには、ほっぺたの筋肉を使います。口をすぼめるような動きになり、歯が生える場所全体が狭くなってしまうこともあります。その結果、将来的に歯並びのガタガタを誘発してしまうこともあります。
上顎前突(出っ歯)|前歯が前方に突出
下の前歯に比べて、上の前歯が大きく前にでている状態が上顎前突です。
上顎前突は、出っ歯や下顎の後退によって起こります。指しゃぶりで口にくわえた指の力で、上の前歯が前方に傾いて、出っ歯になってしまうのです。歯列狭窄によって前歯が押し出されて、出っ歯になるケースもあります。どちらも、指しゃぶりが原因で起こる出っ歯の症状です。
また、指しゃぶりをするときは指をくわえるために、下顎を後ろに引きます。下顎を引いた状態が続くと、下顎が下がってしまうことも上顎前突の原因です。この状態になると、前歯で食べ物がかみづらくなり、発音も不明瞭になります。
開咬|上下の前歯が噛み合わない
上下の歯を噛み合わせたときに、奥歯は噛み合っているのに前歯の上下が噛み合わず、隙間ができている状態が開咬です。
指しゃぶりのときに、指を上下の歯ではさみます。常に歯と歯の間に指をはさんでいることで、前歯に指を通すための隙間ができてしまうのです。出っ歯も開咬の原因になります。指しゃぶりのほかに、舌を前歯ではさむ癖がある人も、開咬になりやすいです。
前歯でかむことができないので、奥歯の負担が大きくなり、発音もはっきりしなくなります。
歯並びの悪化がもたらす二次的な影響
指しゃぶりによって引き起こされる歯並びの問題は、単に見た目の問題だけではありません。
歯並びの悪化を放っておくことは、お子さんの健康や発達にさまざまなリスクをもたらします。ここでは、歯並びの問題が引き起こす二次的な影響について詳しく見ていきましょう。
口呼吸|虫歯や歯周病のリスク増加
上顎前突や開咬の状態が悪化すると、口をしっかり閉じることが難しくなります。
口が開いたままでいると、鼻呼吸の癖がつきません。鼻で呼吸ができないと、口で呼吸をする口呼吸の状態になります。口呼吸は、口臭や歯周病のリスクを高めるのです。また、口は鼻よりもウイルスなどが入り込みやすい場所になっています。そのため、口呼吸が癖になっていると、風邪やアレルギーになりやすいです。
矯正治療中は「器具」をお口の中に入れますので、汚れが付きやすく、虫歯や歯周病になってしまう可能性が高まります。せっかく歯並びが綺麗になったのに、虫歯や歯周病になってしまい、お口の「審美性」「機能性」がおかしくなってしまったら本末転倒ですよね。
舌癖|さらなる歯並びの悪化
指しゃぶりによって前歯に隙間ができると、その隙間が気になって舌を突き出す癖がついてしまうことがあります。
たとえ指しゃぶりを卒業しても、歯の隙間に舌を突っ込んでしまう癖が、残る可能性が高いです。舌癖があると、舌が歯の隙間からみえてしまうため、見た目もよくありませんし、歯並びの状態が、さらに悪化する可能性もあります。舌癖は、発音にも影響がでるため、舌足らずなしゃべり方になることもあるのです。
顔の歪み|顎の骨の成長への影響
指しゃぶりによって、噛み合わせが合わない状態が続くと、顎の骨が正しく成長することができません。
噛み合わせが悪いと、食べ物を咀嚼するときに、顎に大きな負担がかかります。左右どちらかに偏った噛み方をすることで、顔の筋肉や骨格のバランスが崩れ、顔の歪みにつながる可能性があります。顎関節にトラブルを抱える場合も多く、頭痛や肩こりなどの不定愁訴、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が現れることもあります。
指しゃぶりをやめさせるタイミングと判断基準
指しゃぶりをいつやめさせるべきか、多くの親御さんが悩むポイントです。
指しゃぶりは子どもの成長とともに自然に減少していく傾向にありますが、個人差があるのも事実です。ここでは年齢別の指しゃぶりの特徴と、いつまで見守っていてよいのかについて詳しくお話しします。
3歳まで|温かく見守る期間
3歳くらいまでの指しゃぶりは、お子さんの精神の成長発達における自然な行動ですので、無理にやめさせる必要はありません。
また、この時期の指しゃぶりは歯並びにもほとんど影響しないといわれています。指しゃぶりは赤ちゃんや子どもの健全な精神発達段階の一つとして必要な反応だといわれています。指しゃぶりを卒業するタイミングの目安として、3歳までは様子を見てあげてください。
ただし、3歳になった段階でずっと指しゃぶりを続けていて、かつ歯並びなど口の状態が気になったら、4歳になるまでの間にやめさせる方向にもっていくことができれば安心です。
4歳以降|積極的な対応が必要な時期
お子さんが4歳を過ぎても指しゃぶりを続けている場合は、注意が必要です。
この時期は歯や歯並び、あごの骨の発育が活発な大切な時期ですので、指しゃぶりが継続することで歯並びに影響を与える可能性が高くなります。3歳以降のお子さんが、指しゃぶりをしていても、一説には長時間続かない限りほとんど問題ないといわれています。
歯並びやあごの状態に問題がなく、「機嫌が悪い時に指しゃぶりをするくせがある」「寝る前にぐずって少し指しゃぶりをしている時がある」程度なら、無理にやめさせる必要はありません。本人にとっても精神的に安定するためのしぐさなので、見守ってあげましょう。
特に注意が必要なケース
以下のような場合は、年齢に関わらず早めの対応をお考えください。

- 指に「吸いダコ」ができるほどしつこい指しゃぶりを続けている場合
- 一日の中で長時間指しゃぶりをしている場合
- 新しい環境への不安から、かえって指しゃぶりが増えてしまった場合
- 寝ている間ずっと指しゃぶりをしているなど一日の中で長時間続けてしまっている場合
これらの状況では、指しゃぶりをやめられるように環境を整えてサポートしてあげることが大切です。
指しゃぶりをやめさせる具体的な方法
指しゃぶりは歯並びに影響を及ぼしますが、小さい子どもにとっては、精神的な安定を得るために必要な行動である場合もあります。
よくあるのが「寂しさをまぎらわせるための指しゃぶり」です。弟や妹が産まれて、「お父さんやお母さんがかまってくれない」「もっと遊んでほしい」という気持ちが指しゃぶりに現れることがあります。
家庭でできる指しゃぶり対策
3歳を過ぎても指しゃぶりをずっと続けているお子さんの場合、「本当は自分でもやめたいけれど、やめられない」ということが多々あります。
ご家庭で、お子さんが指しゃぶりをスムーズにやめられるようにサポートしてあげてください。具体的には、指しゃぶりをしている時に声かけをして意識を別のところに向けさせたり、手袋をして指しゃぶりをした時に違和感を与えることで、だんだんおさまることがあります。
他にも、「お気に入りのキャラクターのばんそうこうを指に貼って、うっかり口に入れるのを防ぐ」「赤ちゃん用品店で売っている、口に入れると苦い味がする無害なマニキュアを利用する」などの方法があります。
優しく教えてあげる|理由を説明する
3歳以降になり、お話が理解できるようになったら「なぜ、指しゃぶりがダメなのか」「お口の中にバイ菌が入っちゃうんだよ」など、やめる理由を優しく教えてあげて下さい。
「もうお兄ちゃん・お姉ちゃんだからやめようね」「〇歳になったんだから、やめようね」といった言葉で、お子様に自分の「成長」を意識させて指しゃぶりをやめさせるという方法です。ただし、これも、1回言ったからやめられるというものではありません。あまり神経質にならないように、気長に続けていきましょう。
指しゃぶり以外の楽しみを与える
新しいおもちゃで気をそらしたり、おやつやごはんをあげることで、指しゃぶり以外の楽しみを与えてあげましょう。
遊びに誘ったり、絵本を読んであげるなどの方法で、お子様を刺激してあげましょう。楽しいこと、面白いことを見つけると、そちらに気がそれて指しゃぶりをやめることが期待できます。もちろん、1回でやめられるわけではありませんので、根気強く、特にお子様が時間を持て余している時など、積極的に遊びに誘ってあげてください。
スキンシップを増やす|愛情を伝える
指しゃぶりをする理由が、寂しい気持ちなどの精神的な理由が原因の場合はたくさんスキンシップをとりましょう。
例えば、寝る前に手を握ったり、ぎゅっと抱きしめて安心させてあげましょう。親御さんからの愛情をいっぱい感じれば、少しづつ指しゃぶりは減っていきます。指しゃぶりに使っていた手を、お母さんやお父さんとのスキンシップに使ってもらう方法です。手を握り合う、指を握らせる、手のひらのマッサージをする、手や指を使った遊びをするといったことに楽しさを覚えると、指しゃぶりの回数が減ることが期待できます。
やめさせる際の注意点
子どもの気持ちを無視して無理やりやめさせようとすると、他のものに執着するようになったり、頭の毛を抜く、まゆげを抜くといった問題行動をとる可能性があります。
「何回言ってもやめない」と親御さんはイライラしてしまうこともあると思いますが、指しゃぶりを卒業する時期は個人差があります。他の子と比べることで焦って子どもに怒ってしまうと、逆にストレスになってしまいます。まわりと比べずに、時間をかけて気長に取り組んでいきましょう。厳しく叱るのではなく、優しくアプローチすることを心掛けましょう。
大きな声で叱ったり、手を取って無理に禁止する方法はおすすめできません。お子様も「意識してやっているわけではない」ということを理解してあげましょう。
歯科医院での専門的な指しゃぶり対策
家庭での対策だけでは改善が難しい場合、歯科医院での専門的なサポートを受けることができます。
指しゃぶりによって上下の前歯にすき間がある、前歯で食べ物がかみづらい、発音がはっきりしないなど不正咬合の症状がみられる場合は、小児歯科で治療を行う必要があります。また、小児歯科では家庭で指しゃぶりのくせがなかなか治らない場合の指導もしています。
お子さんのくせや口の中の状態にあわせて専用の器具を入れて、上の歯の裏側に指が入らないようにする方法など、さまざまな治療法があります。家庭だけでかかえこまず、ぜひ小児歯科へご相談ください。
むらせ歯科の矯正治療の特徴
むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者(非常勤)が治療を担当し、専門教育と臨床経験を積んだ医師による質の高い治療を提供しています。
治療中の虫歯・歯周病予防のためのシステムが確立されており、子供の矯正治療は成人と比較して治療期間が短く済み、費用も大幅に抑えられる体制を整えています。矯正治療を「専門」に行っている医院と異なり、当院では虫歯治療や歯周病治療も行っていますので、矯正治療を行う前の初期処置(虫歯治療・歯周病治療・抜歯)、矯正治療中の虫歯予防・歯周病予防が適切に対処できます。
「歯を綺麗に並べる」という基準だけではなく、「虫歯や歯周病を防ぐための処置をしっかりできるのか」も1つの判断基準として医院選びをして頂くことを強くお勧めします。
目立ちにくいマウスピース矯正「インビザライン」
むらせ歯科では、「見えにくい・目立ちにくい」装置として、マウスピース型矯正装置「インビザライン」を導入しています。
このシステムは透明な装置を口にはめ、何度か新しいものに交換しながら徐々に歯を移動させる矯正治療方法です。取り外し可能なため、食事制限がなく、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えるメリットがあります。ただし、装置の装着時間が患者の判断に委ねられるため、装着時間が短かったり装着しない期間があると治療期間が長くなるというデメリットもあります。
当院では患者さんと医院とのコミュニケーションアプリを導入しています。このアプリでは、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能があり、患者さんとのコミュニケーションを円滑にするとともに、医院の作業効率化も図れ、サービス精度の向上につながっています。
顎関節に配慮した治療
不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを持つ方が多いため、患者さんの希望がある場合は、むらせ歯科では矯正治療に入る前にスプリント療法(別途費用11万円(税込み))を行い、歯並びを綺麗に整えるだけではなく、顎関節症の改善も同時に行っていきます。
これにより、顎関節症に由来する不定愁訴(頭痛/肩こりなど)、顎の痛み/疲れ、歯ぎしり改善、顎の異音などの症状改善が可能です。
まとめ|指しゃぶりは適切な時期に優しく対処を
指しゃぶりは、お子さんの成長過程で見られる自然な行動です。
3歳までの指しゃぶりは、精神の成長発達における自然な行動ですので、無理にやめさせる必要はありません。しかし、4歳以降も長時間・長期的に指しゃぶりを続けている場合は、歯列狭窄、上顎前突(出っ歯)、開咬といった歯並びの問題を引き起こす可能性があります。
指しゃぶりをやめさせる際は、叱らずに優しくアプローチすることが大切です。理由を説明したり、スキンシップを増やしたり、指しゃぶり以外の楽しみを与えることで、徐々にやめられるようサポートしてあげましょう。家庭での対策だけでは難しい場合は、小児歯科での専門的なサポートを受けることもできます。
むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者による質の高い矯正治療を提供しており、治療中の虫歯・歯周病予防のシステムも確立されています。お子さんの指しゃぶりや歯並びについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。お子さんの健やかな成長と美しい歯並びのために、適切な時期に優しく対処していきましょう。
2025年12月8日
口呼吸が子どもの歯並びに与える影響|今すぐできる改善アプローチ

「うちの子、いつも口が開いているな」「テレビを見ている時、ポカンと口を開けている」…そんな光景を目にしたことはありませんか?
実は、この何気ない「口呼吸」という習慣が、お子さんの歯並びや顔立ち、さらには全身の健康にまで深刻な影響を及ぼす可能性があります。
私は東京歯科大学で学び、日々の診療の中で多くのお子さんの口腔内を診てきました。その経験から、口呼吸がもたらす影響の大きさを実感しています。単なる「癖」として見過ごしてしまうと、将来的に大きな問題につながることも少なくありません。
今回は、口呼吸が子どもの歯並びに与える具体的な影響と、今日から始められる改善アプローチについて詳しく解説します。
口呼吸とは何か|鼻呼吸との違いを理解する
私たち人間は、本来「鼻」で呼吸をするのが正常な状態です。
鼻呼吸では、鼻の粘膜や鼻毛がフィルターの役割を果たし、空気中の細菌やウイルス、埃などを体内に取り込む前に除去してくれます。また、冷たく乾燥した空気を温かく湿度の高い状態に調整してから体内に送り込むため、喉や肺への負担が少なくなります。
一方、口呼吸は文字通り「口」で呼吸をする状態を指します。何らかの理由で常に口を開けたまま呼吸をしていると、フィルター機能が働かず、細菌やウイルスが直接体内に侵入しやすくなります。さらに、冷たく乾燥した空気がそのまま喉を刺激するため、風邪やアレルギーを引き起こすリスクが高まるのです。
口呼吸が習慣化すると、口の中が常に乾燥した状態になります。唾液には自浄作用があり、食べかすや細菌を洗い流す役割を担っていますが、口呼吸によって唾液の分泌が減少すると、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
口呼吸をしている子どもの特徴
お子さんが口呼吸をしているかどうかは、以下のような特徴で見分けることができます。
- 常に口がポカンと開いている
- テレビを見ている時や寝ている時に口が開いている
- 上唇が下唇よりも白っぽく乾燥している
- 唇を頻繁になめる癖がある
- 音を立てて食べる(クチャクチャ食べ)
- いびきをかきやすい
- 風邪をひきやすい
- 姿勢が悪い
- 滑舌が悪い
これらの特徴が複数当てはまる場合、口呼吸が習慣化している可能性が高いです。
口呼吸が子どもの歯並びに与える具体的な影響
口呼吸は単なる呼吸方法の違いではありません。
実は、歯並びや顎の発達に深刻な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、口呼吸が引き起こす具体的な歯並びの問題について詳しく見ていきましょう。
上顎前突(出っ歯)のリスク
口呼吸が習慣化すると、常に口を開けた状態になるため、上唇の筋肉が緩んで力が入らない状態が続きます。通常、上唇の筋肉は上の前歯を内側から押さえる役割を果たしており、その力によって前歯が正しい位置に保たれています。
ところが、口呼吸によって上唇の力が働かなくなると、舌が上の前歯を前方に押し続けることになります。この状態が長期間続くと、少しずつ上の前歯が前に動いていき、「上顎前突(出っ歯)」と呼ばれる不正咬合になってしまうのです。
開咬(前歯が噛み合わない状態)の発生
口呼吸をしている子どもは、舌の位置が下がりやすくなります。本来、舌は上の前歯の裏側の歯ぐき(スポット)に軽く触れている状態が正しい位置です。
しかし、口呼吸では舌が下顎の歯列の中に落ち込む「低位舌」と呼ばれる状態になりやすく、舌が上下の前歯の間を押し広げてしまいます。その結果、上下の前歯の間に隙間が生じる「開咬」という不正咬合を引き起こすことがあります。

顎の発達不良と歯列の狭窄
口呼吸が原因で舌の位置が下がると、上顎の成長が妨げられます。舌が上顎の内側に正しく接することで、上顎の幅や高さの成長が促されるのですが、口呼吸ではこの刺激が不足してしまうのです。
上顎が十分に成長しないと、歯が並ぶためのスペースが不足し、永久歯が生え変わる6歳から12歳頃の時期に、歯が変な方向に生えてきたり、歯と歯が重なって生える「叢生(乱ぐい歯)」になったりするリスクが高まります。
また、舌が前歯を前方に押す一方で、奥歯を外側に押す力が働かないため、頬の筋肉が歯を内側に押してしまい、奥歯が内側に傾いて口腔内が狭くなることもあります。
受け口(反対咬合)のリスク
低位舌の状態が続くと、落ち込んだ舌によって下顎の歯列が外側に押され、下顎が前方に突き出す「反対咬合(受け口)」を引き起こす原因にもなります。
このように、口呼吸は舌や唇、頬の筋肉の使い方を悪くし、歯のアーチを正しい位置から歪めてしまうのです。
口呼吸が引き起こす歯並び以外の健康への影響
口呼吸の影響は、歯並びだけにとどまりません。
全身の健康や顔立ち、さらには学習能力にまで影響を及ぼす可能性があります。ここでは、口呼吸が引き起こす様々な問題について見ていきましょう。
顔立ちの変化|アデノイド顔貌のリスク
小さな頃から口呼吸が習慣化すると、顎やのど周りの筋肉が十分に鍛えられず、顎の骨格が健全に成長しません。その結果、以下のような特徴的な顔立ちになることがあります。
- 顎無し顔…下顎の骨格が発達せず、下顎が引っ込んだ顔立ち
- アデノイド顔貌…下顎が小さく、ぼんやりとした表情
- 口ゴボ…口元が突き出した顔立ち
これらの顔立ちは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや呼吸機能にも影響を及ぼします。
むし歯・歯周病・感染症のリスク増加
口呼吸によって口腔内が常に乾燥すると、唾液の自浄作用が弱まり、むし歯や歯周病になりやすくなります。また、口やのどの乾燥により免疫機能が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることも分かっています。

姿勢の悪化
口呼吸をしていると、自然と口元(下顎)が前に突き出しやすくなります。この姿勢が習慣化すると、猫背などの悪い姿勢につながることがあります。口周りと全身の筋肉・骨格は密接に関係しているため、口呼吸は全身の姿勢にまで影響を及ぼすのです。
学習能力・記憶力への影響
鼻呼吸と比べて、口呼吸は体内に取り込む酸素の量自体は多くなります。しかし、酸素が過剰に取り込まれることで赤血球との結合が強くなり過ぎてしまい、結果的に脳への酸素供給が減少する可能性が指摘されています。
脳への酸素供給が減ると、学習能力や記憶力が低下しやすくなると考えられています。
睡眠の質の低下
口呼吸をしている子どもは、いびきをかきやすく、睡眠時に無呼吸を引き起こすリスクも高まります。質の良い睡眠が得られないと、日中の集中力や活動性にも影響が出てしまいます。
口呼吸の原因を知る|なぜ子どもは口呼吸になるのか
口呼吸は単なる「癖」ではありません。
様々な原因が複雑に絡み合っていることが多く、原因を正しく理解することが改善への第一歩となります。
鼻づまり・アレルギー性鼻炎
風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で鼻がつまっていると、鼻呼吸がしづらいため一時的に口呼吸になることがあります。特にアレルギー性鼻炎が慢性化すると、それが習慣となり、鼻づまりが治った後も口呼吸が続いてしまうケースが少なくありません。
まずは耳鼻咽喉科で元の病気をしっかり治療することが必要です。
扁桃肥大
のどにある口蓋扁桃(扁桃腺)と呼ばれるリンパ組織が通常よりも大きくなった状態を「扁桃肥大」と言います。扁桃肥大があると、鼻から空気が流れ込みにくくなり、その結果、口呼吸になりやすくなります。
扁桃肥大は10歳から12歳頃がピークで、それ以降は徐々に小さくなるため、多くの場合は経過を見守りますが、舌の位置や動きに影響がある場合は扁桃腺の切除を検討することもあります。気になる場合は耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
歯並びや顎の形の問題
歯並びや顎の発達に問題があることも、口呼吸の原因になります。例えば、上顎前突(出っ歯)の場合は唇が閉まりにくいため、口呼吸になりやすいです。また、もともと上顎の幅が狭くて舌を上げるスペースがないため、口が自然に開いてしまうケースもあります。
こうした場合には、小児歯科での診断を受け、口腔内の状態によっては矯正などの治療を受けることが必要になります。
口周りの筋肉の発達不足
口周りの筋肉が弱いことも口呼吸の原因になります。柔らかい食事を取る回数が多かったり、噛む回数が少なかったりすると、口周りの筋肉や舌の筋肉が十分に発達しません。
口周りの筋肉が発達していないと、口を閉じた状態を維持するのが難しくなり、自然と口が開いて口呼吸になってしまいます。また、舌の筋力が低下すると舌の位置が下がり、口呼吸を引き起こすこともあります。
今すぐできる口呼吸の改善アプローチ
口呼吸は自分では直しにくく、特に自己管理能力が低い子どもは自分自身では改善が難しいことが多いです。
しかし、適切なアプローチを取ることで、口呼吸を改善し、健全な成長を促すことができます。ここでは、今日から始められる具体的な改善方法をご紹介します。

耳鼻咽喉科での治療
鼻づまりやアレルギー性鼻炎、扁桃肥大などが原因の場合は、まず耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることが最優先です。原因となる疾患を治療することで、自然と鼻呼吸ができるようになることもあります。
小児矯正(咬合誘導)による改善
歯並びや顎の発達に問題がある場合、小児矯正(咬合誘導)が有効な選択肢となります。特に5歳から8歳頃までの成長期に行う「マイオブレース矯正」や「プレオルソ」といったマウスピース型矯正装置は、口呼吸の改善に効果的です。
これらの矯正装置は、歯を動かすだけでなく、舌の位置を正しく導き、口周りの筋肉を鍛え、鼻呼吸への移行を促す「筋機能矯正」としての役割も持っています。日中1時間と就寝中の装着が基本で、継続しやすい点もメリットです。
むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者が矯正治療を担当し、治療中の虫歯・歯周病予防のためのシステムも確立しています。子どもの矯正治療は成人矯正と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる体制を整えています。
口周りの筋肉を鍛えるトレーニング
口周りの筋肉を鍛えることで、口呼吸の改善が期待できます。以下のようなトレーニングを日常的に取り入れてみましょう。
- 舌を上顎に押し付ける練習…舌を上の前歯の裏側の歯ぐき(スポット)に軽く押し付ける習慣をつける
- 口を閉じて鼻で呼吸する練習…意識的に口を閉じ、鼻で呼吸することを習慣化する
- よく噛んで食べる…食事の際によく噛むことで、口周りの筋肉を鍛える
- 硬めの食材を取り入れる…柔らかい食事ばかりでなく、適度に硬い食材を取り入れる
口呼吸防止グッズの活用
市販されている口呼吸防止テープや口呼吸防止マスクなどのグッズを活用することも一つの方法です。特に就寝中の口呼吸を防ぐために、口を閉じた状態を保つテープを使用することで、鼻呼吸の習慣化を促すことができます。
日常生活での意識づけ
保護者の方が日常的にお子さんの口の状態をチェックし、口が開いている時には優しく声をかけて閉じるように促すことも大切です。ただし、強制的に直そうとするとストレスになることもあるため、お子さんの様子を見ながら無理のない範囲で進めましょう。
むらせ歯科の矯正治療で口呼吸を改善
むらせ歯科では、口呼吸の改善を含めた総合的な矯正治療を提供しています。
日本矯正歯科学会の有資格者(非常勤)が治療を担当し、専門教育を受けてしっかりと臨床経験を積んだ医師による質の高い治療を受けることができます。
マウスピース型矯正装置「インビザライン」
むらせ歯科では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置「インビザライン」を導入しています。透明な装置を口にはめ、何度か新しいものに交換しながら徐々に歯を移動させる矯正治療方法です。
取り外し可能なため、食事制限がなく、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えるメリットがあります。また、患者さんと医院とのコミュニケーションアプリを導入しており、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能があります。
虫歯・歯周病予防の徹底
矯正専門の医院と異なり、むらせ歯科では虫歯治療や歯周病治療も行っているため、矯正治療前の初期処置(虫歯治療・歯周病治療・抜歯)や、矯正治療中の虫歯予防・歯周病予防が適切に対処できます。
矯正治療中は器具が口腔内に装着されるため汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びが綺麗になっても、虫歯や歯周病によって口腔の審美性や機能性が損なわれては本末転倒です。そのため、歯を綺麗に並べることだけでなく、虫歯や歯周病予防の処置をしっかり行えるかどうかも医院選びの重要な判断基準となります。
顎関節に配慮した治療
不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを抱えている場合が多いため、患者さんの希望に応じて矯正治療前にスプリント療法(別途費用11万円(税込み))を行い、歯並びの改善と同時に顎関節症の改善も行います。
これにより、顎関節症に由来する頭痛や肩こりなどの不定愁訴、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状改善が期待できます。
まとめ|口呼吸の早期改善が子どもの未来を守る
口呼吸は、単なる「癖」ではありません。
歯並びや顔立ち、全身の健康、さらには学習能力にまで影響を及ぼす可能性がある重要な問題です。特に成長期の子どもにとって、口呼吸が習慣化すると、顎の発達不全や歯並びの乱れ、むし歯や感染症のリスク増加など、様々な悪影響が生じやすくなります。
しかし、適切なアプローチを取ることで、口呼吸は改善できます。耳鼻咽喉科での治療、小児矯正(咬合誘導)、口周りの筋肉を鍛えるトレーニング、日常生活での意識づけなど、複数の方法を組み合わせることが効果的です。
むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者による専門的な矯正治療、虫歯・歯周病予防の徹底、顎関節症への配慮など、総合的なアプローチでお子さんの健全な成長をサポートしています。子どもの矯正治療は成人と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる体制を整えていますので、早期の相談が大切です。
お子さんの口呼吸が気になる方、歯並びや顎の発達に不安がある方は、ぜひ一度むらせ歯科にご相談ください。お子さんの健やかな成長と、美しい歯並び、そして健康な未来のために、私たちが全力でサポートいたします。