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口呼吸が子どもの歯並びに与える影響|今すぐできる改善アプローチ

2025年12月8日

口呼吸が子どもの歯並びに与える影響|今すぐできる改善アプローチ

「うちの子、いつも口が開いているな」「テレビを見ている時、ポカンと口を開けている」…そんな光景を目にしたことはありませんか?

実は、この何気ない「口呼吸」という習慣が、お子さんの歯並びや顔立ち、さらには全身の健康にまで深刻な影響を及ぼす可能性があります。

私は東京歯科大学で学び、日々の診療の中で多くのお子さんの口腔内を診てきました。その経験から、口呼吸がもたらす影響の大きさを実感しています。単なる「癖」として見過ごしてしまうと、将来的に大きな問題につながることも少なくありません。

今回は、口呼吸が子どもの歯並びに与える具体的な影響と、今日から始められる改善アプローチについて詳しく解説します。

口呼吸とは何か|鼻呼吸との違いを理解する

私たち人間は、本来「鼻」で呼吸をするのが正常な状態です。

鼻呼吸では、鼻の粘膜や鼻毛がフィルターの役割を果たし、空気中の細菌やウイルス、埃などを体内に取り込む前に除去してくれます。また、冷たく乾燥した空気を温かく湿度の高い状態に調整してから体内に送り込むため、喉や肺への負担が少なくなります。

一方、口呼吸は文字通り「口」で呼吸をする状態を指します。何らかの理由で常に口を開けたまま呼吸をしていると、フィルター機能が働かず、細菌やウイルスが直接体内に侵入しやすくなります。さらに、冷たく乾燥した空気がそのまま喉を刺激するため、風邪やアレルギーを引き起こすリスクが高まるのです。

口呼吸が習慣化すると、口の中が常に乾燥した状態になります。唾液には自浄作用があり、食べかすや細菌を洗い流す役割を担っていますが、口呼吸によって唾液の分泌が減少すると、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

口呼吸をしている子どもの特徴

お子さんが口呼吸をしているかどうかは、以下のような特徴で見分けることができます。

  • 常に口がポカンと開いている
  • テレビを見ている時や寝ている時に口が開いている
  • 上唇が下唇よりも白っぽく乾燥している
  • 唇を頻繁になめる癖がある
  • 音を立てて食べる(クチャクチャ食べ)
  • いびきをかきやすい
  • 風邪をひきやすい
  • 姿勢が悪い
  • 滑舌が悪い

これらの特徴が複数当てはまる場合、口呼吸が習慣化している可能性が高いです。

口呼吸が子どもの歯並びに与える具体的な影響

口呼吸は単なる呼吸方法の違いではありません。

実は、歯並びや顎の発達に深刻な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、口呼吸が引き起こす具体的な歯並びの問題について詳しく見ていきましょう。

上顎前突(出っ歯)のリスク

口呼吸が習慣化すると、常に口を開けた状態になるため、上唇の筋肉が緩んで力が入らない状態が続きます。通常、上唇の筋肉は上の前歯を内側から押さえる役割を果たしており、その力によって前歯が正しい位置に保たれています。

ところが、口呼吸によって上唇の力が働かなくなると、舌が上の前歯を前方に押し続けることになります。この状態が長期間続くと、少しずつ上の前歯が前に動いていき、「上顎前突(出っ歯)」と呼ばれる不正咬合になってしまうのです。

開咬(前歯が噛み合わない状態)の発生

口呼吸をしている子どもは、舌の位置が下がりやすくなります。本来、舌は上の前歯の裏側の歯ぐき(スポット)に軽く触れている状態が正しい位置です。

しかし、口呼吸では舌が下顎の歯列の中に落ち込む「低位舌」と呼ばれる状態になりやすく、舌が上下の前歯の間を押し広げてしまいます。その結果、上下の前歯の間に隙間が生じる「開咬」という不正咬合を引き起こすことがあります。

顎の発達不良と歯列の狭窄

口呼吸が原因で舌の位置が下がると、上顎の成長が妨げられます。舌が上顎の内側に正しく接することで、上顎の幅や高さの成長が促されるのですが、口呼吸ではこの刺激が不足してしまうのです。

上顎が十分に成長しないと、歯が並ぶためのスペースが不足し、永久歯が生え変わる6歳から12歳頃の時期に、歯が変な方向に生えてきたり、歯と歯が重なって生える「叢生(乱ぐい歯)」になったりするリスクが高まります。

また、舌が前歯を前方に押す一方で、奥歯を外側に押す力が働かないため、頬の筋肉が歯を内側に押してしまい、奥歯が内側に傾いて口腔内が狭くなることもあります。

受け口(反対咬合)のリスク

低位舌の状態が続くと、落ち込んだ舌によって下顎の歯列が外側に押され、下顎が前方に突き出す「反対咬合(受け口)」を引き起こす原因にもなります。

このように、口呼吸は舌や唇、頬の筋肉の使い方を悪くし、歯のアーチを正しい位置から歪めてしまうのです。

口呼吸が引き起こす歯並び以外の健康への影響

口呼吸の影響は、歯並びだけにとどまりません。

全身の健康や顔立ち、さらには学習能力にまで影響を及ぼす可能性があります。ここでは、口呼吸が引き起こす様々な問題について見ていきましょう。

顔立ちの変化|アデノイド顔貌のリスク

小さな頃から口呼吸が習慣化すると、顎やのど周りの筋肉が十分に鍛えられず、顎の骨格が健全に成長しません。その結果、以下のような特徴的な顔立ちになることがあります。

  • 顎無し顔…下顎の骨格が発達せず、下顎が引っ込んだ顔立ち
  • アデノイド顔貌…下顎が小さく、ぼんやりとした表情
  • 口ゴボ…口元が突き出した顔立ち

これらの顔立ちは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや呼吸機能にも影響を及ぼします。

むし歯・歯周病・感染症のリスク増加

口呼吸によって口腔内が常に乾燥すると、唾液の自浄作用が弱まり、むし歯や歯周病になりやすくなります。また、口やのどの乾燥により免疫機能が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることも分かっています。

姿勢の悪化

口呼吸をしていると、自然と口元(下顎)が前に突き出しやすくなります。この姿勢が習慣化すると、猫背などの悪い姿勢につながることがあります。口周りと全身の筋肉・骨格は密接に関係しているため、口呼吸は全身の姿勢にまで影響を及ぼすのです。

学習能力・記憶力への影響

鼻呼吸と比べて、口呼吸は体内に取り込む酸素の量自体は多くなります。しかし、酸素が過剰に取り込まれることで赤血球との結合が強くなり過ぎてしまい、結果的に脳への酸素供給が減少する可能性が指摘されています。

脳への酸素供給が減ると、学習能力や記憶力が低下しやすくなると考えられています。

睡眠の質の低下

口呼吸をしている子どもは、いびきをかきやすく、睡眠時に無呼吸を引き起こすリスクも高まります。質の良い睡眠が得られないと、日中の集中力や活動性にも影響が出てしまいます。

口呼吸の原因を知る|なぜ子どもは口呼吸になるのか

口呼吸は単なる「癖」ではありません。

様々な原因が複雑に絡み合っていることが多く、原因を正しく理解することが改善への第一歩となります。

鼻づまり・アレルギー性鼻炎

風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で鼻がつまっていると、鼻呼吸がしづらいため一時的に口呼吸になることがあります。特にアレルギー性鼻炎が慢性化すると、それが習慣となり、鼻づまりが治った後も口呼吸が続いてしまうケースが少なくありません。

まずは耳鼻咽喉科で元の病気をしっかり治療することが必要です。

扁桃肥大

のどにある口蓋扁桃(扁桃腺)と呼ばれるリンパ組織が通常よりも大きくなった状態を「扁桃肥大」と言います。扁桃肥大があると、鼻から空気が流れ込みにくくなり、その結果、口呼吸になりやすくなります。

扁桃肥大は10歳から12歳頃がピークで、それ以降は徐々に小さくなるため、多くの場合は経過を見守りますが、舌の位置や動きに影響がある場合は扁桃腺の切除を検討することもあります。気になる場合は耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

歯並びや顎の形の問題

歯並びや顎の発達に問題があることも、口呼吸の原因になります。例えば、上顎前突(出っ歯)の場合は唇が閉まりにくいため、口呼吸になりやすいです。また、もともと上顎の幅が狭くて舌を上げるスペースがないため、口が自然に開いてしまうケースもあります。

こうした場合には、小児歯科での診断を受け、口腔内の状態によっては矯正などの治療を受けることが必要になります。

口周りの筋肉の発達不足

口周りの筋肉が弱いことも口呼吸の原因になります。柔らかい食事を取る回数が多かったり、噛む回数が少なかったりすると、口周りの筋肉や舌の筋肉が十分に発達しません。

口周りの筋肉が発達していないと、口を閉じた状態を維持するのが難しくなり、自然と口が開いて口呼吸になってしまいます。また、舌の筋力が低下すると舌の位置が下がり、口呼吸を引き起こすこともあります。

今すぐできる口呼吸の改善アプローチ

口呼吸は自分では直しにくく、特に自己管理能力が低い子どもは自分自身では改善が難しいことが多いです。

しかし、適切なアプローチを取ることで、口呼吸を改善し、健全な成長を促すことができます。ここでは、今日から始められる具体的な改善方法をご紹介します。

耳鼻咽喉科での治療

鼻づまりやアレルギー性鼻炎、扁桃肥大などが原因の場合は、まず耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることが最優先です。原因となる疾患を治療することで、自然と鼻呼吸ができるようになることもあります。

小児矯正(咬合誘導)による改善

歯並びや顎の発達に問題がある場合、小児矯正(咬合誘導)が有効な選択肢となります。特に5歳から8歳頃までの成長期に行う「マイオブレース矯正」や「プレオルソ」といったマウスピース型矯正装置は、口呼吸の改善に効果的です。

これらの矯正装置は、歯を動かすだけでなく、舌の位置を正しく導き、口周りの筋肉を鍛え、鼻呼吸への移行を促す「筋機能矯正」としての役割も持っています。日中1時間と就寝中の装着が基本で、継続しやすい点もメリットです。

むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者が矯正治療を担当し、治療中の虫歯・歯周病予防のためのシステムも確立しています。子どもの矯正治療は成人矯正と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる体制を整えています。

口周りの筋肉を鍛えるトレーニング

口周りの筋肉を鍛えることで、口呼吸の改善が期待できます。以下のようなトレーニングを日常的に取り入れてみましょう。

  • 舌を上顎に押し付ける練習…舌を上の前歯の裏側の歯ぐき(スポット)に軽く押し付ける習慣をつける
  • 口を閉じて鼻で呼吸する練習…意識的に口を閉じ、鼻で呼吸することを習慣化する
  • よく噛んで食べる…食事の際によく噛むことで、口周りの筋肉を鍛える
  • 硬めの食材を取り入れる…柔らかい食事ばかりでなく、適度に硬い食材を取り入れる

口呼吸防止グッズの活用

市販されている口呼吸防止テープや口呼吸防止マスクなどのグッズを活用することも一つの方法です。特に就寝中の口呼吸を防ぐために、口を閉じた状態を保つテープを使用することで、鼻呼吸の習慣化を促すことができます。

日常生活での意識づけ

保護者の方が日常的にお子さんの口の状態をチェックし、口が開いている時には優しく声をかけて閉じるように促すことも大切です。ただし、強制的に直そうとするとストレスになることもあるため、お子さんの様子を見ながら無理のない範囲で進めましょう。

むらせ歯科の矯正治療で口呼吸を改善

むらせ歯科では、口呼吸の改善を含めた総合的な矯正治療を提供しています。

日本矯正歯科学会の有資格者(非常勤)が治療を担当し、専門教育を受けてしっかりと臨床経験を積んだ医師による質の高い治療を受けることができます。

マウスピース型矯正装置「インビザライン」

むらせ歯科では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置「インビザライン」を導入しています。透明な装置を口にはめ、何度か新しいものに交換しながら徐々に歯を移動させる矯正治療方法です。

取り外し可能なため、食事制限がなく、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えるメリットがあります。また、患者さんと医院とのコミュニケーションアプリを導入しており、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能があります。

虫歯・歯周病予防の徹底

矯正専門の医院と異なり、むらせ歯科では虫歯治療や歯周病治療も行っているため、矯正治療前の初期処置(虫歯治療・歯周病治療・抜歯)や、矯正治療中の虫歯予防・歯周病予防が適切に対処できます。

矯正治療中は器具が口腔内に装着されるため汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びが綺麗になっても、虫歯や歯周病によって口腔の審美性や機能性が損なわれては本末転倒です。そのため、歯を綺麗に並べることだけでなく、虫歯や歯周病予防の処置をしっかり行えるかどうかも医院選びの重要な判断基準となります。

顎関節に配慮した治療

不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを抱えている場合が多いため、患者さんの希望に応じて矯正治療前にスプリント療法(別途費用11万円(税込み))を行い、歯並びの改善と同時に顎関節症の改善も行います。

これにより、顎関節症に由来する頭痛や肩こりなどの不定愁訴、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状改善が期待できます。

まとめ|口呼吸の早期改善が子どもの未来を守る

口呼吸は、単なる「癖」ではありません。

歯並びや顔立ち、全身の健康、さらには学習能力にまで影響を及ぼす可能性がある重要な問題です。特に成長期の子どもにとって、口呼吸が習慣化すると、顎の発達不全や歯並びの乱れ、むし歯や感染症のリスク増加など、様々な悪影響が生じやすくなります。

しかし、適切なアプローチを取ることで、口呼吸は改善できます。耳鼻咽喉科での治療、小児矯正(咬合誘導)、口周りの筋肉を鍛えるトレーニング、日常生活での意識づけなど、複数の方法を組み合わせることが効果的です。

むらせ歯科では、日本矯正歯科学会の有資格者による専門的な矯正治療、虫歯・歯周病予防の徹底、顎関節症への配慮など、総合的なアプローチでお子さんの健全な成長をサポートしています。子どもの矯正治療は成人と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる体制を整えていますので、早期の相談が大切です。

お子さんの口呼吸が気になる方、歯並びや顎の発達に不安がある方は、ぜひ一度むらせ歯科にご相談ください。お子さんの健やかな成長と、美しい歯並び、そして健康な未来のために、私たちが全力でサポートいたします。

 

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