子どもの歯の痛みが夜だけ出る理由と今すぐできる応急処置
2026年04月29日
「夜になると急に子どもが歯が痛いと泣き出す…」
そんな経験をされた保護者の方は、少なくないと思います。
昼間は元気に遊んでいたのに、寝る直前になって突然「歯が痛い!」と言い出す。歯科医院はもう閉まっている。どうしたらいいか分からず、焦ってしまう夜があります。
実は、歯の痛みが夜に強くなるのには、明確な理由があります。原因を知っておくだけで、冷静に対処できるようになります。この記事では、子どもの歯の痛みが夜だけ出る理由と、今すぐできる応急処置を分かりやすく解説します。
なぜ夜になると歯が痛くなるのか?
夜に歯の痛みが強くなるのは、偶然ではありません。
体の仕組みとして、夜間には痛みを感じやすい状態になります。その主な理由は3つあります。
横になると頭部への血流が増える
日中は重力の影響で、血液は下半身へと流れやすい状態です。
しかし、夜に横になると、頭部へと血液が流れ込みます。血管が膨張し、その近くにある神経が圧迫されることで、昼間は気にならなかった痛みが表面に出やすくなります。これが、夜だけ歯が痛くなる大きな原因のひとつです。
副交感神経が優位になる
夜は「副交感神経」が活発になります。
副交感神経とは、体をリラックスさせる神経のことです。血管を拡張させる働きがあるため、血流が増加します。その結果、神経が圧迫されやすくなり、痛みを感じやすい状態になります。昼間に交感神経が優位なときは、血管が収縮して痛みが抑えられていることが多いのです。
入浴などで全身の血流が良くなる
寝る前のお風呂も、痛みを強くする要因になります。
入浴は副交感神経を優位にし、同時に血行を促進します。体が温まることで血管が膨張しやすくなり、歯の神経への圧迫が増します。「お風呂に入った後から急に歯が痛くなった」というケースは、まさにこのメカニズムによるものです。
子どもの歯が夜に痛む主な原因

痛みが夜に出やすい仕組みは分かりました。では、そもそも何が原因で痛みが起きているのでしょうか?
子どもの歯の痛みには、いくつかの原因が考えられます。
虫歯の進行(歯髄炎)
最も多い原因のひとつが、虫歯の進行です。
虫歯が進んで「歯髄(しずい)」と呼ばれる歯の神経・血管が詰まった部分にまで炎症が達すると、特に夜間に強い痛みが出やすくなります。これを「歯髄炎(しずいえん)」といいます。
歯髄炎は、ズキズキとした拍動するような痛みが特徴です。子どもが「心臓みたいに歯がドクドクする」と表現することもあります。この状態になると、歯科医院での神経の処置が必要になります。応急処置で一時的に痛みが和らいでも、必ず受診してください。
虫歯がさらに進行した状態(根尖性歯周炎)
虫歯が悪化すると、神経が死んでしまうことがあります。
その場合、歯の根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」という状態になることがあります。この場合は歯髄の神経ではなく、歯茎の神経が痛みを感じ取ります。夜間に血流が増えることで、この部分の炎症が強まり、痛みが増します。
歯の生え変わり
子どもならではの原因として、歯の生え変わりがあります。
乳歯が抜ける時期や、永久歯が生えてくる際に、歯茎が圧迫されて痛みを感じることがあります。特に夜間は血流が増えるため、生え変わりに伴う歯茎の違和感や痛みが強く感じられることがあります。昼間は気にならなかったのに、夜になると「歯茎がムズムズする」「痛い」と訴えるケースもあります。
歯ぎしり・食いしばり
子どもも歯ぎしりをします。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、そのダメージが積み重なって「歯根膜(しこんまく)」や歯周組織に炎症が起こります。夜間に血流が増えることで、この炎症部分の痛みが強まります。朝起きたときに「顎が疲れている」「歯が浮いた感じがする」という訴えがある場合は、歯ぎしりが関係している可能性があります。
歯周病・歯茎の炎症
子どもでも歯周病になることがあります。
体調不良やストレス、口腔内の不衛生な状態が続くと、歯茎に炎症が起きることがあります。歯茎がじんわりと痛む、腫れているように感じるという症状が夜間に強くなることがあります。
夜間にすぐできる応急処置5選

歯科医院が閉まっている夜間に、保護者ができる応急処置をご紹介します。
これらはあくまでも「その場しのぎ」の対処法です。翌日には必ず歯科医院を受診してください。
① 痛む部分を外側から冷やす
頬の外側から、水で濡らしたタオルを当てて冷やします。
冷やすことで血管が収縮し、神経への圧迫が和らいで痛みが軽減されることがあります。ただし、氷を直接口の中に含んだり、患部に直接当てたりするのは避けてください。冷やしすぎると逆に痛みが増すことがあります。また、温めるのは絶対にNGです。体が温まると血流が増えて、痛みが強くなります。
② 食べかすを取り除く
まず、歯に食べかすが詰まっていないか確認します。
歯と歯の間に硬いものが挟まっていると、それだけで痛みを感じることがあります。うがいをして、食べかすが詰まっていないか確かめてみましょう。歯ブラシで取り除く場合は、患部を強く刺激しないよう、そっと優しく行ってください。
③ 子ども用の鎮痛剤を使用する
痛みが強い場合は、鎮痛剤の使用を検討します。
子どもに使用できる鎮痛剤として、「アセトアミノフェン」という成分が最も安全とされています。子どもの発熱時に処方される解熱剤と同じ成分です。ご自宅に余っている場合は、用法・用量を守って使用してください。効果が出るまで30分〜1時間程度かかります。一度服用したら、最低でも6時間はあけてください。一度にたくさん飲んでも効果は変わりません。
なお、子どもへのロキソプロフェン(ロキソニン)の使用は年齢制限がありますので、必ず添付文書を確認するか、薬剤師にご相談ください。
④ 体を温めない・安静にする
入浴・運動・飲食は控えましょう。
体が温まると血流が増え、痛みが強くなります。シャワーを使う場合もぬるめのお湯にとどめてください。また、患部を指やつまようじで触るのは厳禁です。細菌を付着させたり、患部を傷つけたりする可能性があります。
⑤ 楽な姿勢で安静にする
完全に横になると頭部への血流が増えます。
少し上体を起こした姿勢で休むと、血流の増加を抑えられる場合があります。枕を高めにして寝かせてあげると、痛みが和らぐことがあります。
やってはいけないNG対処法

痛みを和らげようとして、逆効果になる行動があります。
保護者の方が知っておくべきNG対処法をまとめます。
温める・お風呂に入れる
体を温めると血流が増え、痛みが悪化します。
「温めると楽になるかも」と思いがちですが、歯の痛みに関しては逆効果です。ホットタオルや湯たんぽを患部に当てることも避けてください。
患部を指や爪楊枝で触る
患部への刺激は炎症を悪化させます。
「どこが痛いか確認しよう」と触ってしまいがちですが、細菌を付着させたり、傷をつけたりする危険があります。
鎮痛剤を過剰に服用する
一度にたくさん飲んでも効果は変わりません。
用法・用量を必ず守ってください。過剰摂取は体への負担になります。
痛みが引いたからといって受診しない
これが最も危険な行動です。
応急処置で痛みが和らいでも、虫歯や炎症の原因が治ったわけではありません。翌日には必ず歯科医院を受診してください。放置すると、さらに悪化する可能性があります。
「痛みが引いたから大丈夫」は、歯の世界では通用しません。原因が残っている限り、必ず再発します。
翌朝、歯科医院を受診する前に確認すること
応急処置で夜を乗り越えたら、翌朝一番に歯科医院に連絡しましょう。
受診前に以下の点を確認しておくと、スムーズに診察が進みます。
痛みの状況を記録しておく
いつから痛み始めたか、どんな痛み方か、何をすると痛みが増すかを整理しておきましょう。
「ズキズキする」「じんわり痛い」「冷たいものがしみる」「噛むと痛い」など、できるだけ具体的に伝えると、歯科医師が原因を特定しやすくなります。子どもが自分で説明できない場合は、保護者が代わりに伝えてあげてください。
緊急性の高いサインを見逃さない
以下の症状がある場合は、翌朝まで待たずに夜間の救急対応を検討してください。
- 歯茎が大きく腫れていて、顔が変形するほどになっている
- 息が苦しい・飲み込みにくいなど、呼吸や嚥下に影響がある
- 高熱が出ている
- 子どもが泣き止まず、意識がもうろうとしている
歯茎の腫れが喉の方まで広がると、呼吸困難になる可能性があります。このような場合は、夜間救急の歯科や総合病院を受診してください。お住まいの地域の救急相談窓口(#7119など)に電話して、状況に合った対応を確認することもできます。
かかりつけ歯科への連絡を優先する
翌朝、開院時間に合わせてすぐに電話しましょう。
「昨夜から子どもが歯の痛みを訴えています」と伝えると、優先的に診てもらえる場合があります。かかりつけ医がいない場合は、地域の歯科医院に連絡してみてください。
子どもの歯を守るために日頃からできること
夜間の歯の痛みは、多くの場合、虫歯や歯周病の進行が原因です。
日頃からのケアで、こうした緊急事態を防ぐことができます。
毎日の仕上げ磨きを丁寧に
子どもは自分だけでは磨き残しが出やすいです。
特に奥歯や歯と歯の間は、虫歯になりやすい場所です。就寝前の仕上げ磨きを丁寧に行うことが、虫歯予防の基本です。フッ素入り歯磨き粉の使用も効果的です。
定期的な歯科検診を受ける
虫歯は早期発見が大切です。
痛みが出る前の段階で発見できれば、治療の負担も軽くなります。3〜6ヶ月に1回の定期検診を習慣にしましょう。定期検診では、虫歯チェックだけでなく、歯並びの確認やフッ素塗布なども行ってもらえます。
歯ぎしりが気になる場合は早めに相談
子どもの歯ぎしりは、成長とともに自然に収まることが多いです。
しかし、歯がすり減っていたり、顎の痛みを訴えたりする場合は、歯科医師に相談してください。適切なアドバイスや対処法を教えてもらえます。
歯の生え変わり時期は特に注意
6歳前後から始まる歯の生え変わりは、口の中が大きく変化する時期です。
乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」は、磨き残しが出やすく、虫歯になりやすい時期でもあります。この時期は特に丁寧なケアと定期検診が重要です。また、永久歯がきれいに生えるかどうかも、この時期の管理にかかっています。
むらせ歯科医院の小児歯科について

千葉県市原市にある「むらせ歯科医院」は、小児歯科に力を入れている地域密着型の歯科医院です。
「子どもを歯医者嫌いにさせない」ことを第一目標に掲げ、子どもが安心して通える環境づくりを徹底しています。
いきなり治療しない、段階的なアプローチ
初めての受診でいきなり治療を始めることはありません。
診療台に座る練習、器具を見せてもらう体験、ドクターやスタッフとのコミュニケーションというステップを大切にし、子どものペースで慣れてもらいます。小さい頃の歯科体験は、大人になってからの通院意識に大きく影響します。「歯医者さんは怖くない」という経験を積み重ねることが、長期的な口腔健康につながります。
痛みを抑えた治療への徹底配慮
痛みが歯医者嫌いの原因にならないよう、細かな工夫を行っています。
- 表面麻酔の使用…注射の前に麻酔クリームを塗布し、針の痛みを軽減
- 極細針による注射…できる限り細い針を使用して痛みを最小限に
- 電動麻酔によるゆっくりした注入…一定の速度でゆっくり注入することで痛みを抑える
- 解剖学に基づいた麻酔テクニック…最も効果的な部位に適切に麻酔を行う
小児歯科に慣れたドクターが対応し、できる限り負担を軽減します。
咬合誘導による早期歯並びサポート
「咬合誘導(こうごうゆうどう)」にも力を入れています。
永久歯がきれいに生えるようサポートする予防的アプローチで、抜歯を伴う本格矯正とは異なります。早期に介入することで、将来的な矯正の負担を抑えられる可能性があります。「まだ乳歯だから大丈夫」と思わず、気になることがあれば早めに相談することをおすすめします。
マイナス1歳からの虫歯予防・マタニティ歯科
むらせ歯科医院では「マタニティ歯科外来」を設置しています。
妊娠中のお母さまの口腔環境を整えることで、赤ちゃんへの虫歯菌感染リスクを抑える取り組みを行っています。育児経験のあるドクターが担当し、必要に応じて産婦人科と連携します。産後もキッズルームを利用でき、子どもと一緒に通える環境が整っています。
キッズルーム完備・保育士在籍
院内にはキッズルームがあり、保育士が在籍しています。
兄弟連れや産後のお母さまも安心して来院できます。治療後にはお子さまへのご褒美もあり、「歯医者さんに行きたい」と言ってくれるお子さまも少なくありません。
通いやすさも充実
- 駐車場完備
- 24時間オンライン予約対応
- 月〜土診療(9:30〜18:00)
- 市原市・袖ケ浦市・木更津市・五井・姉ヶ崎エリアから多数来院
予防・一般歯科・矯正・インプラント・訪問歯科まで幅広く対応しています。
まとめ
子どもの歯の痛みが夜だけ出る理由は、横になることによる頭部への血流増加、副交感神経の優位、入浴などによる血行促進が主な原因です。
夜間の応急処置としては、患部を外側から冷やす、食べかすを取り除く、子ども用鎮痛剤(アセトアミノフェン)を用法・用量を守って使用する、体を温めない・安静にするという方法が有効です。
ただし、これらはあくまでも応急処置です。
痛みが引いても、翌日には必ず歯科医院を受診してください。虫歯や炎症の原因が残っている限り、痛みは必ず再発します。日頃からの定期検診と丁寧なケアで、こうした夜間の緊急事態を防ぐことが大切です。
市原市で子どもの歯のことを相談したい方は、むらせ歯科医院にお気軽にご相談ください。
「歯医者さんが怖い」というお子さまも、まずは慣れることからスタートします。子どものペースを大切にした診療で、安心して通える歯科医院を目指しています。
▼ むらせ歯科医院への予約・お問い合わせ
24時間オンライン予約受付中。月〜土(9:30〜18:00)診療。
千葉県市原市の地域密着型歯科医院「むらせ歯科医院」へ、まずはお気軽にご相談ください。












