コラム

instagram

tiktok

衛生士募集

キービジュアル

子どものすきっ歯は自然に治る?治らない?小児矯正の判断基準と受診目安

2026年01月21日

お子さんの前歯に隙間があると、親御さんとしては心配になるものです・・・「このまま放っておいて大丈夫なのか」「いつ歯医者に相談すべきなのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

実は、子どものすきっ歯には自然に治るケースと、治療が必要なケースがあります。

成長段階によって適切な対応が異なるため、正しい知識を持つことが大切です・・・この記事では、東京歯科大学大学院で学んだ知識と臨床経験をもとに、すきっ歯の原因から治療の判断基準、受診のタイミングまで詳しく解説していきます。

子どものすきっ歯とは〜「空隙歯列」のこと

歯科医学的には、歯と歯の間に隙間がある状態を「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼びます・・・特に前歯の中央に隙間がある場合は「正中離開(せいちゅうりかい)」という名称で区別されることもあります。

乳歯の段階では、多くのお子さんに歯と歯の間に隙間が見られます・・・これは「発育空隙(はついくくうげき)」と呼ばれる正常な発育過程の一部です。

乳歯は永久歯に比べてサイズが小さいため、顎の成長に伴って自然に隙間ができるのです・・・この隙間は、将来的に永久歯が十分なスペースを持って並ぶための準備段階と考えられています。

一方で、永久歯に生え変わった後もすきっ歯が残っている場合は、自然に改善する可能性は低くなります。

乳歯のすきっ歯は成長の証

乳歯列の時期に見られる隙間は、むしろ望ましい状態といえます・・・顎の成長や永久歯への生え替わりに備えた自然な現象だからです。

この時期のすきっ歯を積極的に治療する必要はなく、経過観察が基本となります・・・ただし、異常に大きな隙間や噛み合わせの問題が伴う場合は、精密な検査が必要になることもあります。

永久歯のすきっ歯は要注意

永久歯が生え揃った状態でのすきっ歯は、自然に改善する可能性が低くなります・・・見た目の問題だけでなく、発音への影響や食べ物が詰まりやすくなるといった機能面での課題も生じます。

放置すると、むし歯や歯周病のリスクが高まる可能性もあるため、早期の診断と適切な対応が重要です。

子どもがすきっ歯になる主な原因

すきっ歯の原因を正確に見極めることが、適切な治療方針を立てる第一歩となります・・・原因によって治療の必要性や開始時期が大きく変わるため、専門家による診断が欠かせません。

顎と歯の大きさのバランス

顎が大きく歯が小さい場合、歯列全体に隙間ができやすくなります・・・歯の大きさや顎の形は遺伝的な要因が強く、両親がすきっ歯の場合はお子さんにも遺伝する可能性が高まります。

このタイプのすきっ歯は、骨格的な要因によるものなので、自然に改善することは期待できません。

上唇小帯の発達異常

上唇の裏側から歯茎の中央に向かって走る「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」という組織があります・・・通常、成長とともにこの小帯は収縮していきますが、退縮が進まず太く短いままだと、前歯の間に入り込んでしまうことがあります。

上唇を引っ張った際に小帯が前歯の隙間に白い引き込み線を作る場合や、歯間乳頭部(歯と歯の間の歯茎)に血流障害が見られる場合は、上唇小帯異常の可能性があります・・・この状態は自然経過では改善が期待できないため、必要に応じて切除術を行うことで歯列の正常化が促されます。

乳歯の早期喪失

むし歯などによって乳歯が通常よりも早く抜けると、隣の歯が移動してしまうことがあります・・・そうすると、乳歯の下で待機していた永久歯が生えてくる位置がずれ、永久歯が正しく並ばずにすきっ歯になる可能性が高まります。

乳歯の健康管理は、将来の歯並びにも大きく影響するのです。

過剰歯や埋伏歯、矮小歯の存在

「過剰歯(かじょうし)」とは、本来の歯の本数よりも多く歯が存在する状態です・・・特に上の前歯の間に現れると、前歯が正しく生えられずに隙間ができてしまいます。

「埋伏歯(まいふくし)」は、歯が顎の骨や歯茎の中に埋まっていて生えてこない状態を指します・・・本来歯が生えるべきスペースが埋まらないため、すきっ歯の原因となることがあります。

「矮小歯(わいしょうし)」は、歯のサイズが通常よりも小さい状態です・・・特に上の前歯の横にある側切歯に起こることが多く、隣接する歯との間に隙間が生じやすくなります。これらの異常は、レントゲンなどによる検査で明らかになることが多いです。

舌癖や口呼吸などの悪習慣

日常的に舌で歯を押す癖や、指しゃぶり、口呼吸などの習慣があると、前歯に対して口の中から外に向かって力がかかり続けます・・・この持続的な力によって、すきっ歯や出っ歯などの不正咬合が起きやすくなります。

舌癖は単なる生活習慣の問題にとどまらず、「筋機能療法(MFT: Myofunctional Therapy)」などによる機能訓練が必要な場合があります・・・習癖を放置すると、将来的に矯正治療を行っても後戻りのリスクが高まるため、早期介入が重要です。

自然に治るすきっ歯と治らないすきっ歯の見分け方

すきっ歯が自然に治るかどうかは、その原因と成長段階によって大きく異なります・・・正しい判断のためには、専門家による診断が不可欠です。

自然に治る可能性が高いケース

乳歯列特有の「発育空隙」は、顎の成長や永久歯への生え替わりに伴って自然に閉じることがほとんどです・・・また、前歯の生え変わり時期に見られる「アグリーダックリングステージ(みにくいアヒルの子時代)」と呼ばれる一時的な隙間も、犬歯が生えてくるにしたがって自然に改善します。

この時期は、顔の成長に伴い顎骨も大きくなりますが、歯の大きさは変わらないため、一時的に隙間が生じるのです・・・通常、大人の犬歯(糸切り歯)が萌出してくるにしたがって隙間は閉鎖します。

治療が必要になるケース

永久歯に生え変わった後もすきっ歯が残っている場合は、自然に改善する可能性は低くなります・・・特に以下のような状況では、専門的な治療が必要になります。

上唇小帯が太く短く、歯間部まで深く入り込んでいる場合は、物理的なバリアとなって歯が閉じようとする動きを妨げます・・・この状態は自然経過では改善が期待できず、切除術を行うことで歯列の正常化が促されます。

過剰歯や埋伏歯がある場合も、レントゲン検査で原因を特定し、必要に応じて抜歯や矯正治療が検討されます・・・矮小歯が原因の場合は、自然に隙間が閉じることは少なく、矯正治療や補綴治療(レジンによる修復など)が必要になることがほとんどです。

また、舌癖や口呼吸などの悪習慣が原因の場合は、習癖を改善しない限り、矯正治療を行っても後戻りのリスクが高まります。

小児矯正の判断基準と治療開始の適切な時期

お子さんのすきっ歯治療を検討する際、最も重要なのは「いつ治療を始めるべきか」という判断です・・・治療開始時期を誤ると、効果が半減したり、費用や期間が余計にかかったりする可能性があります。

治療を検討すべきサイン

永久歯に生え変わってもすきっ歯が残る場合、上唇小帯が発達しすぎている場合、噛み合わせに問題がある場合、発音や見た目に影響がある場合は、治療を検討すべきタイミングといえます。

特に、サ行やタ行の発音が不明瞭になったり、笑顔に自信が持てなくなったりしている場合は、お子さんの心理面にも配慮が必要です。

理想的な治療開始時期は7歳前後

一般的に、子どもの矯正治療は大人の前歯が生えてくる7歳前後から検討するのが理想的です・・・この時期は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、顎の成長を利用した治療が可能になります。

6歳から10歳までは顎の成長が活発な時期であり、この成長を上手に利用することで、簡単なマウスピース型の矯正装置で治療できる可能性が高まります・・・成長期を利用して治療することで、複雑な針金や金属を使った矯正器具を着ける必要がなくなる可能性も高くなります。

早期に治療を始めることで、治療費用を抑えられるだけでなく、痛みを軽減でき、後戻りのリスクも低減できるというメリットがあります・・・また、取り外しができる装置を使用することで、むし歯になりにくく、学校に器具を着けて行かなくて良いという利点もあります。

2段階治療〜I期治療とII期治療の考え方

子どもの矯正治療は、一般的に2段階で行われます・・・前半の治療を「I期治療」、後半の治療を「II期治療」といいます。

I期治療では、歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目し、「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」を使用して改善します・・・この装置は歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになる原因をオリジナル装置やトレーニングで改善する方法です。

年齢に応じたアプローチがあり、0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳では「インファント」という取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用、6〜9歳では「マイオブレーストレーナー」という装置と舌・口・呼吸の訓練を行います・・・家庭でのトレーニング継続が重要で、専任スタッフの指導とオリジナルアプリケーションによる支援があります。

I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります・・・その場合に、仕上げのII期治療を行います。

II期治療では、「唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)」や「マウスピース矯正(インビザライン)」といった本格矯正を行い、歯並びの最終的な仕上げを行います・・・むらせ歯科では、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進め、どうしてもII期治療まで必要な場合は、しっかりとお子さんと親御さんに説明した上で治療を進めていきます。

矯正治療の費用について

矯正治療の費用は症状や治療内容によって異なりますが、約22〜110万円(税込)かかります・・・治療の流れは①矯正相談、②資料取り、③診断、④治療開始(予防矯正または本格矯正)、⑤メンテナンス・保定治療となります。

むらせ歯科では「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。

歯科医院を受診すべきタイミングと相談のポイント

「いつ歯医者に相談すべきか」という判断は、親御さんにとって難しい問題です・・・適切なタイミングで受診することで、お子さんにとって最適な治療計画を立てることができます。

大人の歯が生えてきたら一度相談を

特にお子さんの歯並びの場合、親御さんが「矯正した方がいいかな」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります・・・大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度相談することをおすすめします。

プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測でき、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどを判断できます。

相談時に確認すべきこと

歯科医院を受診する際は、以下のポイントを確認しておくと良いでしょう・・・すきっ歯の原因は何か、自然に治る可能性はあるか、治療が必要な場合はいつ開始すべきか、どのような治療方法があるか、治療期間と費用の目安はどれくらいか、といった点を明確にしておくことが大切です。

また、お子さんの日常的な癖(舌で歯を押す、指しゃぶり、口呼吸など)についても、正直に伝えることが重要です・・・これらの情報が、正確な診断と適切な治療計画につながります。

レントゲン検査の重要性

すきっ歯の原因は、レントゲン写真を撮らないと分からないことがほとんどです・・・過剰歯や埋伏歯、矮小歯などの異常は、レントゲンなどによる検査で明らかになることが多いです。

他の治療をしている際にレントゲンを撮影し、たまたま原因が見つかることも非常に多くあります・・・原因を特定し、取り出さなければならないものは取り出し、上手く生えてこない歯は引っ張り出し、元々歯の本数が足りない時は、大人の歯並びになった時の噛み合わせを考慮して矯正治療計画を立てていきます。

すきっ歯を放置するリスクと治療のメリット

すきっ歯を放置すると、見た目の問題だけでなく、さまざまなリスクが生じる可能性があります・・・一方で、適切な治療を行うことで得られるメリットも多くあります。

放置することのリスク

すきっ歯が目立つことにより、お子さん自身がコンプレックスを感じることがあります・・・笑顔に自信が持てなくなったり、会話や写真で口元を隠すようになったりすると、自己肯定感の低下につながる可能性があります。

また、隙間から空気が漏れることで、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になることがあります・・・食べ物が詰まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが増えることも懸念されます。歯茎が乾燥して知覚過敏が起こりやすくなったり、顎関節への負担が増えたりすることもあります。

病的な原因を排除しなかった場合、すきっ歯は改善しないだけでなく、骨の中では状況がより悪化している場合もあります・・・例えば、生えている歯の歯根を溶かしてしまっていたり、歯の動揺が大きくなってしまったりします。

治療によって得られるメリット

適切な治療を行うことで、前歯の隙間がなくなり、自然で美しい笑顔を取り戻すことができます・・・発音がクリアになり、会話が快適になるだけでなく、食べ物が詰まりにくくなり、むし歯や歯周病予防にもつながります。

噛み合わせが整うことで、顎関節への負担が軽減され、噛み合わせの安定が得られます・・・小児から矯正治療を行うことで、成人矯正よりも難症例化を防ぎ、場合によってはインプラントを使用しなくてもご自身の歯だけで噛み合わせ、歯並びを整えることも可能です。

矯正治療のメリットとして噛み合わせが整うこと、虫歯や歯周病になりにくくなることが挙げられます・・・一方、デメリットとしては抜歯が必要な場合があること、自費診療で高額になること、歯根吸収が起こる可能性があることなどがあります。

また、矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用として、装置装着後の違和感や痛み、治療期間の延長可能性、むし歯や歯周病のリスク増加、歯根吸収、金属アレルギー、顎関節症状、装置の誤飲、治療後の「後戻り」などがあります・・・これらのリスクについても、治療前にしっかりと説明を受けることが大切です。

出典

   三鷹ハートフル矯正歯科医院「すきっ歯は子どものうちに治したほうがいい?治療法も解説!」

 (2025年3月)より作成

まとめ〜お子さんの歯並びは早めの相談が鍵

子どものすきっ歯は、乳歯の段階では自然な発育過程の一部であることが多く、過度に心配する必要はありません・・・しかし、永久歯に生え変わった後もすきっ歯が残っている場合は、自然に改善する可能性は低く、専門的な治療が必要になることがほとんどです。

すきっ歯の原因は多岐にわたり、顎と歯の大きさのバランス、上唇小帯の発達異常、乳歯の早期喪失、過剰歯や埋伏歯、矮小歯の存在、舌癖や口呼吸などの悪習慣などが挙げられます・・・原因によって治療の必要性や開始時期が大きく変わるため、専門家による正確な診断が不可欠です。

理想的な治療開始時期は7歳前後で、この時期は顎の成長を利用した効果的な治療が可能になります・・・早期に治療を始めることで、治療費用を抑えられるだけでなく、痛みを軽減でき、後戻りのリスクも低減できるというメリットがあります。

大人の歯が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度歯科医院で相談することをおすすめします・・・プロの目で診断することで、今後の歯の動きを予測し、適切な治療開始時期を提案できます。

むらせ歯科では、お子さんの成長段階に応じた矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しており、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています・・・お子さんの健やかな成長と美しい笑顔のために、気になることがあればお気軽にご相談ください。

著者情報

院長:村瀬 俊彦

村瀬 俊彦

血液型 O型
星座 おとめ座
趣味 映画鑑賞、読書
出身大学 東京歯科大学
専門 補綴

今すぐ行動
受け口(反対咬合)は早めの評価が安心です

まずは「経過観察でよいか」「治療が必要か」を確認しましょう。ご希望に合わせてご案内します。

※診療時間・休診日は公式案内をご確認ください。

個別相談へのご案内

患者さまが抱えているお口の悩みや疑問、不安など、私たちにご相談ください。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

個別相談

受付時間
09:30 ~ 13:30
15:00 ~ 18:00

★受付時間は09:00~17:30です。 ★休診日:日曜・祝日

〒299-0109 千葉県市原市千種2-6-8

0436-63-3315

このページの先頭に戻る