2025年11月29日
乳歯の抜ける時期と歯列の発達|小児矯正を始めるベストタイミングとは

乳歯の生え変わりは子どもの成長の大切な節目
お子さまの乳歯がぐらぐらし始めると、親御さんは「いつ抜けるのだろう」「歯並びは大丈夫かな」と心配になることも多いのではないでしょうか。
乳歯から永久歯への生え変わりは、お子さまの成長における重要な節目です。この時期の歯の状態や顎の発育は、将来の歯並びや噛み合わせに大きく影響します。
実は、乳歯の抜ける時期や順番には個人差があり、必ずしも教科書通りに進むわけではありません。しかし、適切な時期に適切なケアを行うことで、お子さまの健やかな口腔発達をサポートすることができます。
この記事では、乳歯の抜ける時期と歯列の発達について詳しく解説し、小児矯正を始めるベストタイミングについてもお伝えします。お子さまの歯の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
乳歯が抜ける時期と順番を知っておこう
乳歯は全部で20本あり、一般的には2歳半ごろまでに生え揃います。そして、6歳ごろから永久歯への生え変わりが始まるのが一般的です。

乳歯が抜け始める平均的な年齢
生後6カ月ごろから下の前歯が生え始め、2歳半くらいまでに20本の乳歯が生え揃います。その後、6歳ごろから永久歯への生え変わりが始まるのが一般的です。
最初に抜けるのは下の前歯(乳中切歯)で、5歳から9歳ごろに抜けることが多いとされています。その後、上の前歯、横の歯(乳側切歯)と順番に抜けていきます。
ただし、これはあくまで目安であり、個人差があります。前後半年程度の誤差は正常範囲内と考えられています。
乳歯が抜ける順番と永久歯の生える順序
一般的に、乳歯は生えてきた順番に抜けていきます。下の前歯から始まり、上の前歯、横の歯、奥歯へと進んでいくのが通常のパターンです。
永久歯は乳歯の根を吸収しながら成長し、乳歯が自然に抜ける準備を整えます。乳歯が抜けずに残っている場合、永久歯が別の位置から生えてきてしまい、「二重歯列」という状態になることもあります。
特に注意したいのは、犬歯が生えてくる時期です。犬歯は非常に大きく、相当な隙間を必要とします。ほかの歯がどうにか歯並びに収まったとしても、犬歯がはみ出してガタガタになってしまうことが多く、これがいわゆる「八重歯」です。
個人差がある乳歯の生え変わり
乳歯の抜ける時期には個人差があり、男女でも若干の違いが見られます。ただし、大きな違いはありません。
4歳の誕生日までに20本全て揃っていない場合は、「生まれつき歯の数が少ない(先天性欠如)」「隣の乳歯にくっついてしまってなかなか生えてこない(癒合歯)」など、何かしらの問題がある可能性があります。
また、生まれた時から歯が生えている「先天性歯」という状態もあります。これは下の前歯に多く見られ、もともと歯のつくりが弱いことが多いため、定期健診で診てもらうことが大切です。
歯列の発達と顎の成長の関係
お子さまの歯並びは、歯だけでなく顎の成長と密接に関係しています。乳歯から永久歯への生え変わり期は、顎の発育も活発な時期です。
混合歯列期における顎の発育
6歳から12歳ごろの、乳歯と永久歯が混在している時期を「混合歯列期」と呼びます。この時期は、体が大きく成長し顎も発育していく重要な段階です。
顎の発育と歯列のバランスが崩れやすい時期でもありますが、顎の成長に合わせて歯並びを修正することができるため、矯正治療においては適した時期といえます。
顎が十分に発育していないと、歯の生えるスペースが確保できず、歯列不正になるリスクが高まります。特に現代の子どもたちは、柔らかい食事が多くなり、しっかり噛む機会が減ることで顎の成長が十分でないケースが増えています。
永久歯が生えるスペースの確保

永久歯は乳歯よりも大きいため、十分なスペースが必要です。顎が小さいと、永久歯が並びきれず、デコボコの歯並びや八重歯になってしまいます。
この時期に「拡大床」などの装置を使って顎を広げる治療を行うと、歯の並ぶスペースを確保でき、抜歯を選択しなくても済む可能性が高まります。
拡大床は、プレートやワイヤーで出来た装置によって上顎と下顎を広げる治療法です。装置は取り外せるため、矯正治療をしていると周りに気づかれる心配もありません。
生活習慣が歯並びに与える影響
日常生活の中で無意識に行っている些細な姿勢や癖も、毎日長時間に及ぶと、骨の成長を妨げたり、歯列や顎を変形させたりしてしまう場合があります。
指しゃぶりや舌の突出癖、口呼吸、頬杖、猫背などの習慣は、歯並びに悪影響を与える可能性があります。特に指しゃぶりが長期間続くと、前歯が押し出されるような形になり、永久歯が本来の位置に生えにくくなることがあります。
また、毎日口で呼吸をしていると、筋力が弱まり歯を外から支える力が弱くなり、舌のおさまる位置も変わってきます。正しい歯並びには口をしっかり閉じていることが大事ですので、口呼吸が習慣化しないようにしましょう。
小児矯正を始めるベストタイミングとは
小児矯正を始める適切な時期は、お子さまの成長段階や症状によって異なります。一般的には6歳から8歳ごろが適齢期とされています。
第1期治療(混合歯列期)のメリット
6歳から12歳ごろの混合歯列期に行われる治療を「第1期治療」と呼びます。この段階では、顎の骨の成長をコントロールしながら、歯が正しく並ぶスペースを確保したり、骨格のバランスを整えたりすることが目的です。
平均的な治療期間は1年半から3年程度です。早期に治療を始めることで、骨の発達に合わせた効果的な調整が可能になります。
子どものうちの矯正は、顎の成長発育期という貴重な時期を活かした治療法です。この時期には顎の骨が柔らかく成長途上にあるため、その自然な成長力を利用して歯並びや噛み合わせを理想的な方向へ導くことができます。
早期治療が効果的な症状
「このくらいなら大丈夫だろう」と放置しておくと、生え変わりが終わる頃になって歯並びが悪くなるという場合もあります。ほんの少しでも異常があれば、早めにご相談することをおすすめします。
特に早期治療が効果的なのは、以下のような症状です。
- 「反対咬合(受け口)」・・・下の顎が前に出ている状態で、骨格の問題が関係するケースが多く見られます。早期に治療を始めることが効果的です。
- 「上顎前突(出っ歯)」・・・上の前歯が前方に出ている状態で、指しゃぶりや舌癖などが原因となることもあります。顎の成長を調整しながら治療を行います。
- 「開咬」・・・前歯が上下で噛み合わず、奥歯だけで噛んでいる状態です。指しゃぶりや舌の癖が原因の場合が多く、癖の改善と矯正治療を併行して行う必要があります。
- 「叢生(八重歯)」・・・歯が顎のスペースに入りきらず、デコボコに並んでしまう状態です。比較的多く見られる症状です。
第2期治療への移行と経過観察
第1期治療が終了した後、すぐに第2期治療を始めるわけではなく、永久歯がすべて生え揃うまでの数年間は経過観察を行います。期間としては1年から2年が目安ですが、症状によっては観察のみで終了する場合もあります。
12歳から15歳ごろ、永久歯がすべて生え揃ったタイミングで行われる治療が「第2期治療」です。この段階では、歯をきれいに並べて噛み合わせを整えることが目的です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正などが用いられ、平均的な期間は1年半から2年半程度です。
上記のステップをすべて行うと、治療開始から終了まで約3年から6年にわたる場合もあります。ただし、症状が軽度であれば第1期治療のみで完了することもあります。
小児矯正の治療方法と選択肢
小児矯正には、お子さまの症状や成長段階に合わせて、さまざまな治療方法があります。それぞれの特徴を理解し、最適な治療法を選択することが大切です。

マウスピース型矯正装置の特徴
近年、小児矯正においてマウスピース型矯正装置が注目されています。取り外し可能で日常生活への影響が少なく、口呼吸から鼻呼吸への改善や舌位置の正常化により、歯並びだけでなく顔貌の健全な発育を促進します。
従来のワイヤー矯正と比べて審美性に優れているだけでなく、取り外しが可能なため食事や歯磨きの際の煩わしさもありません。また、痛みが少なく、虫歯リスクも低減できます。
学校生活や運動への影響を最低限に抑えながら、効果的に歯並びを改善できるマウスピース矯正は、成長期のお子さまにとっても理想的な治療法です。
拡大床による顎の成長促進
拡大床は、混合歯列期の6歳から11歳が対象となります。発育に合わせて顎をゆっくりと広げていくので、矯正の負担も少ないのが特徴です。
治療がスムーズに進むと、歯の並ぶスペースを確保できて、抜歯を選択しなくても済む可能性が高まります。また装置は取り外せるため、矯正治療をしていると周りに気づかれる心配もありません。ストレスなく食事や歯磨きが可能です。
その他の矯正装置
「リンガルアーチ」は、歯の裏側にアーチ状にスプリングを装着し、バネの弾性によって歯を動かしていく装置です。セメントで固定するため、患者様ご自身で着脱することはできませんが、歯の裏側に装着するため目立ちにくいのが特徴です。
「ヘッドギア」は、口にフェイスボウをつけて、ネックストラップもしくはヘッドキャップで固定する治療機器です。在宅時や就寝時に使用し、顎の成長をコントロールしたり、上の奥歯を後ろに動かしたりといった効果が期待できます。特に上顎の骨の成長を抑制するので、上顎前突、いわゆる「出っ歯」でお悩みのお子さまに対応しています。
小児矯正を成功させるために知っておきたいこと
小児矯正は治療期間が長く、成長とともに進めるため、途中で気をつけるべきポイントがいくつかあります。矯正を円滑に進め、効果を最大限にするための注意点をご紹介します。
治療中の生活習慣の見直し
乳歯と永久歯の入れ替わりの時期は、毎日の習慣が永久歯の生え方に大きく影響を与えます。ですから、この時期にきちんとした生活習慣を身につけて、綺麗な歯並びを目指しましょう。
姿勢や癖に注意し、猫背や頬杖などといった日常生活の中で無意識に行っている些細な姿勢でも、毎日長時間に及ぶと、骨の成長を妨げたり、歯列や顎を変形させたりしてしまう場合があります。きちんとした姿勢を心掛け、歯並びに悪影響を与える癖を無くすように、日常から心掛けましょう。
食事の仕方も重要です。あまり噛まずに飲み込むような食べ方をしたり、前歯で噛み切らない柔らかいものばかり食べるなどという食事を続けていると、歯並びに悪影響を及ぼします。
定期的な通院と経過観察の重要性
小児矯正では、定期的な通院と経過観察が非常に重要です。お子さまの成長は変化が早く、治療中でも柔軟に調整できます。定期的な観察と調整により、治療効果を最大限に引き出します。
専門家の指導のもと、適切なタイミングでの調整が可能となり、より良い結果につながります。治療がうまくいった時のお子さまの笑顔は、何にも代えがたい宝物です。
保定期間の大切さ
治療後には、歯並びが元に戻らないように「リテーナー」という装置を装着します。この期間は1年から2年が一般的です。お子さまが装置をきちんと使えるかどうかも、矯正の成功を左右します。
保定期間をしっかりと守ることで、せっかく整えた歯並びを長期間維持することができます。この期間も定期的な通院と経過観察が必要です。
むらせ歯科医院の小児矯正へのアプローチ
むらせ歯科医院では、お子さまの健やかな成長を第一に考えた小児矯正治療を提供しています。厚生労働省認定の「臨床研修施設」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、経験年数・技術力・設備などの面で国に認められた数パーセントの歯科医院の一つです。
日本矯正歯科学会有資格者が担当し、お子さま一人ひとりの成長段階や症状に合わせた最適な治療計画をご提案します。「成人矯正まで持ち込まない」短期集中治療を目指し、出っ歯やうけ口など様々な症例に対応しています。
また、保育士常駐のキッズルームを完備し、女性ドクター(女医)が多数在籍しているため、お子さまも安心して通院できる環境を整えています。可能な限り「痛みを抑えた」治療を実施し、「説明と同意」を最優先する方針を掲げています。
「ヨーロッパ基準の滅菌体制」に基づいた厳格な感染予防対策を実施しており、患者様ごとに滅菌された新しい機器を使用し、診療台ごとにウイルスを含むPM0.1レベルの微粒子まで捕らえる空気清浄機を配置しています。
むらせ歯科医院は「健口創造型歯科医院」として、お口のトラブル「ゼロ」の世界を目指しています。医療の本来の目的は「悪くなったところを治療する」ことではなく、「健康な状態を長期にわたって維持させる」ことであるという理念を持っています。
お子さまの歯並びや小児矯正について気になることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。詳細はこちら:むらせ歯科医院
2025年11月27日
ハイブリッド矯正の魅力とは|ワイヤーとマウスピース併用で理想の歯並びを実現する方法

ハイブリッド矯正とは何か
歯並びを整えたいけれど、治療方法に迷っている方は多いのではないでしょうか。
近年、矯正歯科の分野では「ハイブリッド矯正」という新しい治療法が注目を集めています。これは、従来のワイヤー矯正と透明なマウスピース矯正を組み合わせた画期的な方法です。それぞれの治療法が持つメリットを最大限に引き出し、デメリットを補い合うことで、より効率的で審美的な矯正治療が可能になります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の特性
ハイブリッド矯正の魅力を理解するには、まず各治療法の特性を知る必要があります。
ワイヤー矯正の強みと課題
ワイヤー矯正は、歯を大きく動かすことに優れた治療法です。歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ワイヤーで力を加えることで歯を移動させます。重度の叢生(凸凹)や上顎前突(出っ歯)など、抜歯を伴う大きな歯の移動が必要な症例でも、確実に歯を動かすことができます。
また、歯の捻じれや凸凹を解消するのに効果が高く、治療の初期段階で比較的すぐに改善されるという利点があります。幅広い症例に対応できる点も、ワイヤー矯正の大きな強みと言えるでしょう。
一方で、装置が目立つという審美的な課題があります。歯の裏側に装置を着けるリンガル矯正もありますが、慣れるまでに時間がかかったり、歯みがきにコツが必要だったりと、お口の中のケアが少し難しくなる面もあります。

マウスピース矯正の利点と限界
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを交換しながら歯を少しずつ動かしていく方法です。
最大の魅力は、装置が透明で目立ちにくいこと。矯正をしていることが周囲に分かりにくいため、見た目を気にする方に人気があります。食事時や歯磨き時には取り外せるため、従来の矯正装置のように食事制限や歯磨きが難しいといった悩みが少ないのも大きなメリットです。
また、金属を使わない装置であるため、金属アレルギーの方も安心して治療を行うことができます。痛みや違和感が少ないと感じる方が多いのも特徴の一つです。
しかし、マウスピース矯正には苦手な動きがあります。歯を回転させる動きや、歯を大きく動かす「歯体移動」、歯を伸ばす「挺出」といった動きは得意ではありません。重度の歯並びの乱れや複雑なケースには、対応できない場合があるのです。
ハイブリッド矯正が生まれた背景
マウスピース矯正「インビザライン」は1997年に開発され、日本では2006年に登場しました。
急速的に普及してきましたが、次第にマウスピース矯正だけでは矯正しづらい点なども明らかになってきたのです。そこで、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のそれぞれの良いところを組み合わせた「ハイブリッド矯正」という治療法を扱うクリニックが出てきました。
それぞれの得意分野を活かす治療設計
ハイブリッド矯正では、治療の段階に応じて最適な装置を使い分けます。
一般的には、治療前半はワイヤー矯正で歯並びを大きく動かし、後半はマウスピース矯正で細かい微調整を行うことが多いです。ワイヤー矯正は歯並びを大きく動かすのに適しており、マウスピース矯正は細かい微調整をスピーディーに行うのに適しているからです。
ただし、症例によっては逆の流れもあります。治療前半にマウスピース矯正で、治療後半にワイヤー矯正を行うケースもあるのです。具体的には、マウスピース矯正で進めた場合に奥歯が噛み合わないケースが出てくるため、その場合に最後にワイヤーで噛み合わせを調整するためです。

ハイブリッド矯正の具体的なメリット
では、ハイブリッド矯正にはどのような利点があるのでしょうか。
治療期間の短縮が期待できる
複数の治療方法を組み合わせることで、効率的に歯を動かすことが可能です。マウスピース矯正だけでは難しい症例も、リンガル矯正やワイヤー矯正が補うことで、治療がスムーズに進む場合があります。場合によっては、単一の矯正方法よりも短い期間で治療を終えることができる可能性があるのです。
審美性の高さを維持できる
治療の後半で「目立たない装置」を利用できるというメリットがあります。
リンガル矯正は歯の裏側に装置をつけるため、矯正をしていることがほとんどわかりません。また、マウスピース矯正も透明なため、装着していても目立ちにくいという利点があります。ワイヤーを取り付ける期間が短く、装着も部分的なので違和感や痛みが少ないのも魅力です。
難症例にも対応可能
マウスピース矯正では対応できなかった症例にも適応できます。
歯の捻転や歯の根の傾きを改善できるのも大きな利点です。より複雑な歯並びの改善や、噛み合わせの調整に対応できるため、治療の選択肢が広がります。リンガル矯正で大きな歯の移動や複雑な歯の移動を行い、マウスピース矯正で細かい調整をするなど、それぞれの矯正装置の特性を最大限に活かすことができるのです。
患者様のニーズに合わせた柔軟な治療
患者様の希望やライフスタイルに合わせて、治療方法をカスタマイズすることができます。
「効率よく矯正治療を行いたい」「できるだけ見た目が気にならない装置を使用したい」といった要望に応えられるのが、ハイブリッド矯正の大きな魅力と言えるでしょう。

ハイブリッド矯正の注意点とデメリット
魅力的な治療法ですが、いくつかの注意点もあります。
費用面での考慮
装置がマウスピース矯正とワイヤーで二重に必要なため、費用が余分にかかる可能性があります。治療計画を立てる際には、費用面についてもしっかりと確認することが大切です。
表側矯正を選択した場合の審美性
表側矯正の治療中は、装置が目立つという課題があります。ただし、最近では歯に付けるブラケット、そしてワイヤーのどちらとも「半透明の装置」を利用するクリニックもあり、通常のワイヤー矯正とは比較にならないほど目立ちにくくなっています。
患者様の協力が不可欠
マウスピース矯正の部分では、マウスピースを1日20時間以上装着する必要があります。
患者様の協力が治療の成功に大きく影響するため、自己管理が重要になります。長時間マウスピースを外していると、治療が計画通りに進まなくなり、治療期間が延びるリスクがあることを理解しておく必要があります。
ハイブリッド矯正が適している症例
どのような方にハイブリッド矯正が向いているのでしょうか。
重度の不正咬合がある方
重度の受け口や出っ歯、複雑な歯並びといった不正咬合では、歯を大きく動かす必要があります。マウスピースを用いた矯正では十分な効果が得られにくい場合でも、ハイブリッド矯正なら対応できる可能性があります。
歯を大きく動かす必要がある方
歯を垂直に大きく動かしたり、奥歯まで歯列全体を大きく動かしたりする治療が必要な場合、マウスピース矯正だけでは十分な矯正効果が得られず、治療期間が長引く可能性があります。このようなケースでは、ハイブリッド矯正が有効な選択肢となります。
審美性と治療効果の両立を求める方
「効率よく矯正治療を行いたい」「できるだけ見た目が気にならない装置を使用したい」という両方の希望を持つ方に、ハイブリッド矯正は最適な治療法と言えます。
治療の流れと期間
ハイブリッド矯正はどのように進められるのでしょうか。
初診・カウンセリング
まず、歯並びで気になっている点を詳しくお聞きします。次に、現状のお口の状態を細かく確認し、最適だと考えられる治療法をご提案します。この段階で、患者様の希望やライフスタイルについても丁寧にヒアリングを行います。
診断結果・治療計画のご説明
検査結果を基に、患者様に最適な治療法をご提案いたします。
シミュレーションソフトを活用して、歯並びがどのように変化していくかを視覚的にご確認いただけます。治療は患者様の同意を得てから進めますので、不安や疑問があればいつでもお気軽にお問合せください。納得いただけるまで何度でも説明し、同意のもと歯科医療を提供する方針を大切にしています。
ワイヤー矯正の開始
まずワイヤー矯正では歯を大きく動かします。ワイヤーを交換した後、数日間は違和感や痛みを感じることがありますが、ほとんどの方は1週間も経てば慣れてきます。この段階で、歯の凸凹がかなりなくなり、綺麗になってきます。
マウスピース矯正への移行
ワイヤー矯正である程度歯を動かせたら、マウスピース矯正で微調整していきます。
この時点で裏側矯正を外し、透明なマウスピース矯正に移行することで、審美性を保ちながら治療を進めることができます。まだ残っている凸凹や隙間などを、マウスピース型矯正装置で丁寧に整えていきます。
保定期間
歯並びが計画通りに整ったら、最後は「リテーナー(保定装置)」の装着に進みます。初めは食事と歯磨きの時間以外は装着し、その後少しずつ装着時間を短くしていきます。この保定期間は、治療後の後戻りを防ぐために非常に重要です。
むらせ歯科医院のハイブリッド矯正へのアプローチ
むらせ歯科医院では、患者様一人ひとりに最適な矯正治療を提供しています。
厚生労働省認定の「臨床研修施設」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、経験年数・技術力・設備などの面で国に認められた数%の歯科医院の一つです。日本矯正歯科学会「有資格者」による矯正治療を実施しており、見えにくい「舌側矯正」「マウスピース型矯正装置」などの矯正治療にも対応しています。
また、「説明と同意」を最優先する方針を掲げており、「歯科医療をガラス張りに」というコンセプトのもと、納得いただけるまで何度でも説明し、同意のもとで歯科医療を提供しています。可能な限り「痛みを抑えた」治療の実施にも力を入れており、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。
保育士常駐のキッズルームを完備し、バリアフリー構造となっているため、お子様からご高齢の方まで安心して通院できます。女性ドクター(女医)が多数在籍しており、特に女性患者やお子様にとって安心感のある診療を提供しているのも特徴です。
まとめ
ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の利点を組み合わせた画期的な治療法です。
治療期間の短縮が期待でき、審美性の高さを維持しながら、難症例にも対応可能という大きなメリットがあります。それぞれの矯正装置の特性を最大限に活かすことで、より効率的で審美的な治療が実現できるのです。
ただし、費用面での考慮や患者様の協力が不可欠であることなど、注意点もあります。治療を検討される際には、専門の歯科医師としっかりと相談し、ご自身に最適な治療計画を立てることが大切です。
理想の歯並びを実現するために、ハイブリッド矯正という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。むらせ歯科医院では、日本矯正歯科学会有資格者による矯正治療を提供しており、患者様一人ひとりのニーズに合わせた最適な治療法をご提案しています。詳しくは、むらせ歯科医院までお気軽にご相談ください。
2025年11月26日
リテーナーだけでは不十分?矯正後の後戻りを本当に防ぐ方法

矯正治療後の「後戻り」とは?
長い期間をかけて整えた歯並び。
矯正装置が外れた瞬間の喜びは、何にも代えがたいものです。しかし、矯正治療は装置を外したら終わりではありません。実は、ここからが本当に大切な時期なのです。
「後戻り」という言葉を聞いたことはありますか?これは、矯正治療によって整えた歯並びが元の位置に戻ろうとする現象を指します。せっかく時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びが、少しずつ崩れていく・・・想像するだけで不安になりますよね。
歯は生涯を通じて常に変化し続けています。矯正治療の有無に関わらず、食事や噛みしめ、加齢などの影響で歯は少しずつ動いているのです。特に矯正治療直後は、歯を支える骨がまだ完全に安定していないため、歯が非常に動きやすい状態にあります。
なぜ後戻りは起こるのか?
後戻りが起こる理由を理解することは、予防策を講じる上で非常に重要です。
歯根膜と骨のリモデリング
矯正治療で歯が移動する際、歯を支えている歯槽骨と歯根膜が再構築されます。移動方向の骨は吸収され、移動後の位置には新しい骨が形成されるのです。しかし、このリモデリングが完全に終わるには時間がかかります。
治療終了直後は、歯槽骨がまだ完全に再構築されていない状態です。この不安定な時期に適切な固定が行われないと、歯は元の位置に戻ろうとする力が働いてしまいます。

歯根膜の弾性復位力
歯根膜はコラーゲン線維を多く含んでおり、弾力性があります。歯が移動した後も、歯根膜は元の位置に戻ろうとする性質を持っているのです。この力が働くことで、矯正後の歯が少しずつ元の位置に戻ることがあります。
日常生活の習慣と癖
舌で歯を押す癖、唇を噛む癖、頬杖、歯ぎしりなど・・・日常生活におけるさまざまな癖が後戻りのリスクを高めます。特に舌で前歯を押す習慣は、前歯の位置を大きく変える原因となります。
矯正治療後に新しい咬合に適応するため、歯が微妙に動くこともあります。この動きが後戻りと感じられることもあるのです。
リテーナーの役割と限界
矯正治療後の最も重要なアフターケアは「リテーナーの使用」です。
リテーナーは、矯正治療後に動かした歯を安定させ、後戻りを防ぐための装置です。治療が終了した段階では歯はまだ完全に固定されておらず、時間が経つにつれて歯が元の位置に戻ろうとすることがあります。この後戻りを防ぐために、リテーナーは欠かせません。
リテーナーの種類と特徴
リテーナーには大きく分けて「固定式」と「可動式(取り外し式)」の二種類があります。
固定式リテーナーは、前歯の裏側に細いワイヤーを貼り付けて固定するタイプです。後戻りを防ぐ効果は非常に高いですが、取り外しができないため清掃性には注意が必要です。特に下顎前歯は戻りやすいため、なるべく長くつけておくことが望ましいとされています。
可動式リテーナーには、ワイヤーとプレートで歯を挟むタイプと、透明なマウスピース型タイプがあります。最近では透明なマウスピース型が人気です。食事や歯磨きのときに外すことができますが、装着をさぼると後戻りを起こしてしまいます。
リテーナーだけでは不十分な理由

リテーナーは後戻り防止に非常に重要ですが、それだけでは完全に後戻りを防ぐことはできません。
研究によれば、固定式リテーナーを使用していても、後戻りの半数は保定開始後2年以内に発生し、10年経過後もリスクが残ることが示されています。また、マウスピース矯正とワイヤー矯正を比較した研究では、マウスピース矯正のほうが後戻りの程度がひどかったという報告もあります。
リテーナーの装着時間や期間を守らなかった場合、後戻りのリスクは大幅に高まります。しかし、リテーナーを適切に使用していても、加齢や生活習慣、歯周病などの影響で歯は少しずつ動いてしまうのです。
後戻りを本当に防ぐための総合的なアプローチ
後戻りを防ぐには、リテーナーの使用だけでなく、総合的なアプローチが必要です。
リテーナーの正しい使用方法
一般的に、装着時間は1日20時間以上で、矯正期間と同じ期間リテーナーを装着する必要があると言われています。最初の数ヶ月は、食事や歯磨きの時以外はほぼ24時間装着し、歯が安定するまでサポートします。
その後、歯が安定してきたら使用頻度が減り、寝ている時のみ着ける場合や、週に数回だけの使用になることもあります。しかし、保定期間が終了してもリテーナーをしなくなると徐々に歯は動いてきます。夜間のみ装着するなど、可能な限り長く続けることが推奨されています。
悪習癖の改善
舌で歯を押す癖、唇を噛む癖、頬杖、歯ぎしりなど・・・これらの悪習癖を改善することが重要です。無意識にしている場合が多く、自分で改善することが難しい方もいますが、意識的に直す努力が必要です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方には、マウスピース型のナイトガードを作成し、歯への負担を軽減する対策が有効です。

定期的な歯科検診の重要性
矯正治療が終了した後も、定期的な歯科チェックは非常に重要です。治療後しばらくは、歯や顎が完全に安定していないため、歯科医師によるフォローが必要です。
定期的なチェックにより、歯並びが安定しているか、後戻りがないかを確認してもらうことで、早期に問題に対処することができます。また、リテーナーが歯の変化に合わせて調整されているか、適切に装着できているかを確認してもらいます。長期間使用しているとリテーナーが磨り減ることもあるため、定期的に交換や調整が必要です。
一般的に、矯正装置を撤去してすぐは1〜2ヶ月での来院が推奨され、期間が空いてくると半年に1回の通院になっていきます。
口腔ケアの徹底
毎食後の歯磨きは基本中の基本です。特に食べかすやプラークが歯と歯茎に残らないよう、丁寧に歯磨きを行いましょう。
矯正治療中は特に、歯と歯の間に汚れがたまりやすくなります。リテーナー使用後も、歯間ブラシやフロスを使って、歯の間をしっかりと清掃することが推奨されます。定期的な歯科クリーニングを受けることで、歯石や汚れが取り除かれ、歯を清潔に保つことができます。
歯周病予防
歯周病は進行すると、歯を支える骨が溶けていき、歯を支えきれなくなってしまいます。その結果、歯が移動して後戻りしてしまうのです。
歯周病を予防するには、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診が有効です。歯周病の早期発見と治療により、後戻りのリスクを大幅に軽減できます。
後戻りしてしまった場合の対処法
もし後戻りしてしまった場合でも、諦める必要はありません。
後戻りの程度が軽度であれば、リテーナーの装着時間を増やすことで改善する場合があります。歯科医師に相談し、適切な対応を取りましょう。
後戻りの程度が大きい場合は、再矯正が必要になることもあります。部分矯正で気になる部分だけを治療することも可能です。再矯正の費用は、後戻りの程度や治療方法によって異なりますが、初回の矯正治療よりも短期間で済む場合が多いです。
後戻りにより再び矯正治療を受けた方の症例では、2ヶ月程度の期間で治療が完了したケースもあります。早期に対処することで、費用や期間を抑えることができるのです。
むらせ歯科医院が提供する包括的なサポート
矯正治療後の後戻り予防には、専門的なサポートが不可欠です。
むらせ歯科医院では、日本矯正歯科学会有資格者による矯正治療を提供しています。見えにくい「舌側矯正」や「マウスピース型矯正装置」など、患者様のニーズに合わせた治療方法を選択できます。
厚生労働省認定の「臨床研修施設」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、経験年数・技術力・設備などの面で国に認められた数%の歯科医院の一つです。「ヨーロッパ基準の滅菌体制」に基づいた厳格な感染予防対策を実施しており、患者様ごとに滅菌された新しい機器を使用しています。
「健口創造型歯科医院」として、お口のトラブル「ゼロ」の世界を目指しています。医療の本来の目的は「悪くなったところを治療する」ことではなく、「健康な状態を長期にわたって維持させる」ことであるという理念のもと、矯正治療後の長期的なフォローアップを重視しています。
「説明と同意」を最優先する方針を掲げており、納得いただけるまで何度でも説明し、同意のもとで歯科医療を提供しています。女性ドクター(女医)が多数在籍しており、特に女性患者やお子様にとって安心感のある診療を提供しています。
矯正治療後の美しい歯並びを長期間維持するために、むらせ歯科医院の専門的なサポートをぜひご活用ください。詳細はむらせ歯科医院の公式サイトでご確認いただけます。
まとめ
矯正治療後の後戻りは、誰にでも起こり得る現象です。
リテーナーの適切な使用は後戻り予防の基本ですが、それだけでは不十分です。悪習癖の改善、定期的な歯科検診、口腔ケアの徹底、歯周病予防など、総合的なアプローチが必要なのです。
せっかく時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びを守るために、日々のケアと専門家のサポートを組み合わせましょう。後戻りの兆候を早期に発見し、適切に対処することで、理想の歯並びを長く維持することができます。
あなたの笑顔を守るために、今日から始められることがあります。まずは、リテーナーの装着時間を見直し、定期的な歯科検診を受けることから始めてみませんか?
矯正治療後のケアについてご不安な点がある方は、ぜひ専門家にご相談ください。むらせ歯科医院では、一人ひとりの患者様に合わせた最適なアフターケアをご提案しています。
2025年11月24日
矯正後の後戻りを防ぐリテーナー管理の基本と正しい装着方法

矯正治療後のリテーナー・・・その重要性とは
長い矯正治療期間を経て、ようやく手に入れた美しい歯並び。しかし、矯正装置を外した瞬間から、新たな「保定期間」が始まることをご存知でしょうか。
矯正治療で動かした歯は、実はまだ完全に安定していません。歯と歯茎の間の繊維が元に戻ろうとする力を歯に加えるため、何も対策をしなければ、せっかく綺麗になった歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」を起こす可能性があるのです。
この後戻りを防ぐために必要なのが「リテーナー」と呼ばれる保定装置です。リテーナーは矯正治療後の歯並びを安定させ、長期間にわたって美しい歯並びを維持するための重要な装置となります。
矯正治療が終わって「これでやっと完了!」と安堵の気持ちでいっぱいになる方も多いでしょう。しかし、矯正装置を外した後こそが、美しい歯並びを維持するための重要な時期なのです。
なぜ歯は後戻りするのか・・・そのメカニズムを理解する

矯正治療によって歯を動かすと、歯の周りの骨や歯周組織が新しい位置に適応するまでに時間がかかります。
矯正装置を外した直後は、歯を支える骨がまだ完全に形成されておらず、歯周靭帯も伸展した状態にあります。この伸展した歯周靭帯はゴムのような働きをして、歯を元の位置に戻そうとする力を発揮するのです。
また、舌や唇の圧力、噛み合わせのクセ、姿勢の悪さなども後戻りの原因となります。特に舌で歯を押す癖や口呼吸などの習慣がある方は、より後戻りのリスクが高まります。
後戻りが起きやすい主な要因
- 歯根を支える骨が安定するまでに時間がかかる
- 舌や唇の癖、噛み癖による圧力
- 成長や加齢による骨の変化
- 頬杖や横向き・うつぶせ寝などの生活習慣
- 親知らずが横向きに生えている場合
- かむ力が強い場合
これらの要因が重なると、矯正で整えた歯列が崩れてしまう可能性があります。特に治療直後の数ヶ月は、後戻りのリスクが最も高い時期です。
後戻りを放置すると、せっかく時間とコストをかけて整えた歯並びが崩れるだけでなく、噛み合わせの問題や顎関節への負担、さらには虫歯や歯周病のリスク増加にもつながる可能性があります。一度崩れた歯並びを再び整えるには、再矯正治療が必要になることもあり、時間的にも経済的にも大きな負担となります。
リテーナーの種類と特徴・・・自分に合ったタイプを選ぶ
リテーナーには大きく分けて「取り外し式」と「固定式」の2種類があります。それぞれに特徴があり、患者さんの状態や生活スタイルに合わせて最適なものを選択します。
取り外し式リテーナーの種類
マウスピースタイプ(クリアリテーナー)
透明なプラスチック素材で作られたマウスピース型のリテーナーです。目立ちにくく審美性に優れているため、特に大人の患者さんに人気があります。歯全体にフィットするデザインで、均等に力をかけることで歯並びの安定を図ります。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に外して使うことができ、口腔ケアがしやすい点も魅力です。
プレートタイプ(ベックタイプ・ホーレータイプ)
歯の表側にワイヤーを、裏側にプラスチックのプレートを取り付けたタイプのリテーナーです。ベックタイプは歯全体をワイヤーで囲み、ホーレータイプは特に後戻りしやすい前歯部分をしっかり固定する設計になっています。耐久性に優れ、長期間使用できるのが特徴です。また、リテーナーが壊れた場合でも、歯科医院で簡単に修理が可能です。

固定式リテーナーの特徴
歯の裏側にワイヤーを接着して固定するタイプのリテーナーです。フィックスタイプリテーナーやリンガルリテーナーとも呼ばれます。自分で取り外すことができないため、装着忘れの心配がなく、24時間体制で歯の位置を保持できます。特に前歯の後戻りが起こりやすい方に適しています。
装置自体が小さく目立たないため、審美的にも優れていますが、ワイヤーが接着された部分は歯磨きがしづらいため、清掃に工夫が必要です。
自分に合ったリテーナーの選び方
リテーナー選びでは「見た目」「使いやすさ」「清掃のしやすさ」「後戻りのリスク」の4つの観点から判断するのがポイントです。見た目を重視する方には透明なクリアリテーナーがおすすめで、装着を忘れそうな方には取り外せないフィックスリテーナーが安心です。清掃しやすさを重視する方にはホーレーリテーナーが適しており、矯正後すぐの不安定期にはフィックスと取り外し式の併用が効果的です。
リテーナーの正しい装着方法と装着時間

リテーナーの効果を最大限に発揮するためには、正しい使い方と適切な装着期間を守ることが重要です。
基本的な装着方法
リテーナーを装着する前は、必ず手を石けんで洗いましょう。細菌がついた手で触れると、リテーナーに雑菌が繁殖して口臭や虫歯の原因になります。
鏡の前で、自分の歯並びとリテーナーの形を確認しながら装着するのがコツです。無理に押し込まず、上下の位置・左右の向きを合わせて優しく押し込みましょう。奥歯のあたりから左右均等に押し込むのが基本です。前歯を力強く押すと変形する恐れがあるので注意が必要です。
片方だけを先に押し込んでしまうと、リテーナーが歪んだり、歯列に余計な力がかかったりします。必ず両手で均等に、まっすぐ装着しましょう。
装着期間の目安
リテーナーの装着期間は一般的に矯正治療期間と同じくらいの2〜3年が目安とされています。しかし、歯の状態や元の歯並びの程度によって個人差があります。
矯正治療が終わり約1年間は、歯を磨く時以外はリテーナーを装着していただきますが、歯の位置が徐々に馴染んできましたら、担当の歯科医師と相談しながら装着時間を調整していきます。
特にマウスピース矯正を終えた直後は後戻りが起きやすいため、必ずリテーナーを使用しましょう。基本的には食事や歯磨き時以外はリテーナーを付けるようにします。リテーナーを1年以上使用し後戻りが起きにくくなってきたら、就寝中だけ使用し日中は外しても良いです。リテーナーを2〜3年使用しより歯並びが安定してきたら、リテーナーを一切使用しなくて良いこともあります。
リテーナーの正しい管理とお手入れ方法
リテーナーはお口の中で使う医療器具です。毎日の清掃が不十分だと、歯垢や細菌が繁殖し、口臭や虫歯の原因になります。
毎日の基本的なお手入れ
リテーナーを外した後は、必ず水かぬるま湯で洗いましょう。歯磨きのタイミングで一緒に洗うと習慣化しやすいです。軟らかい歯ブラシで優しく洗い、歯磨き粉は使わないようにしてください。歯磨き粉には研磨剤が含まれており、リテーナーの表面に傷をつけてしまう可能性があります。
1〜2日に1回はリテーナー洗浄剤に浸けることで、細菌の繁殖を防げます。洗浄後は乾燥させ、専用ケース内で保管するようにしましょう。湿ったままだと菌が増えるため、ケースに入れる前に軽く拭くことが大切です。
避けるべきお手入れ方法
熱湯や漂白剤を使用すると、素材の変形・変色を防ぐため避けましょう。リテーナーは熱に弱い素材でできているため、熱湯で洗うと変形してしまいます。また、強い力でこすったり、硬いブラシを使用したりすると、表面に傷がつき、細菌が繁殖しやすくなります。
保管時の注意点
リテーナーを外した際は、必ず専用ケースに入れて保管しましょう。ティッシュに包んで置いておくと、誤って捨ててしまうことがあります。また、高温になる場所(車の中や直射日光が当たる場所)に放置すると、変形の原因となります。
ペットを飼っている方は、リテーナーをペットの届かない場所に保管することも重要です。犬や猫がリテーナーを噛んでしまうケースは意外と多いのです。
よくあるリテーナートラブルと対処法
リテーナーを使用していると、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。適切な対処法を知っておくことで、後戻りを防ぎ、美しい歯並びを維持できます。
リテーナーが合わなくなった場合
リテーナーの装着を忘れていたなど、一定期間あいた後にリテーナーを付けると、きつかったり痛かったりすることがあります。以前は普通に付けられていたリテーナーが合わないということは、後戻りや歯並びに変化が起きているということです。
多少きつさや痛みを感じても、徐々に慣れてくるようであれば問題ありません。マウスピース矯正中のように、リテーナーを付けることで歯に力をかけ、元の歯並びに戻すことができます。ただリテーナーが浮いている感じがしたり歯並びにぴったり合う感じがしなかったりする場合は、すぐに歯科医院へ連絡することが大切です。
リテーナーが壊れた・取れた場合
固定式リテーナーのワイヤーが外れてしまった場合や、取り外し式リテーナーが割れてしまった場合は、できるだけ早く歯科医院に連絡しましょう。装置が壊れたまま放置すると、歯が動いてしまう可能性があります。
応急処置として、取り外し式リテーナーの場合は、割れた部分を無理に使わず、使用を中止してください。固定式リテーナーのワイヤーが外れた場合は、舌や頬を傷つけないよう注意しながら、早めに受診しましょう。
リテーナーをなくした場合
リテーナーを紛失してしまった場合は、すぐに歯科医院に連絡して新しいリテーナーを作製してもらう必要があります。新しいリテーナーができるまでの間に歯が動いてしまう可能性があるため、できるだけ早く対応することが重要です。
リテーナーの紛失を防ぐためには、外した際は必ず専用ケースに入れる習慣をつけることが大切です。外食時にティッシュに包んで置いておき、そのまま捨ててしまうケースが非常に多いのです。
後戻りが起きてしまった場合の対処法
リテーナーの装着を怠ったり、適切な管理ができなかったりした場合、後戻りが起きてしまうことがあります。後戻りの程度によって、対処法は異なります。
軽度の後戻りの場合
わずかな歯の移動であれば、リテーナーを再び装着することで元の位置に戻せる可能性があります。ただし、自己判断せず、必ず歯科医師に相談してください。場合によっては、新しいリテーナーの作製が必要になることもあります。
中度〜重度の後戻りの場合
歯並びが大きく変化してしまった場合は、再矯正治療が必要になることがあります。再矯正の方法は、元の矯正方法や後戻りの程度によって異なります。部分的な矯正で済む場合もあれば、全体的な矯正が必要になる場合もあります。
再矯正治療は時間的にも経済的にも負担が大きいため、日々のリテーナー管理を徹底し、後戻りを防ぐことが何より重要です。
むらせ歯科医院での矯正治療とアフターケア
千葉県市原市のむらせ歯科医院では、日本矯正歯科学会有資格者による質の高い矯正治療を提供しています。小児矯正から成人矯正まで幅広く対応し、見えにくい舌側矯正やマウスピース型矯正装置など、患者様のニーズに合わせた治療法をご提案しています。
厚生労働省認定の「臨床研修施設」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、経験年数・技術力・設備などの面で国に認められた数%の歯科医院の一つです。ヨーロッパ基準の滅菌体制に基づいた厳格な感染予防対策を実施しており、患者ごとに滅菌された新しい機器を使用しています。
矯正治療後のリテーナー管理についても、丁寧な説明とサポートを行っています。「説明と同意」を最優先する方針のもと、納得いただけるまで何度でも説明し、同意のもと歯科医療を提供しています。
保育士常駐のキッズルームを完備し、バリアフリー構造となっているため、お子様からご高齢の方まで安心して通院できる環境を整えています。また、女性ドクターが多数在籍しており、特に女性患者やお子様にとって安心感のある診療を提供しています。
まとめ・・・リテーナー管理で美しい歯並びを守る
矯正治療で手に入れた美しい歯並びを長期間維持するためには、リテーナーの適切な管理が欠かせません。
リテーナーの装着を怠ると後戻りが起こり、せっかくの治療効果が失われてしまう可能性があります。毎日の適切なお手入れと、歯科医師の指示に従った装着時間の遵守が重要です。
リテーナーにトラブルが生じた場合は、自己判断せず、すぐに歯科医院に相談しましょう。早期の対応が、後戻りを防ぐ鍵となります。
矯正治療は装置を外した時点で終わりではなく、リテーナーによる保定期間まで含めて完了します。長い治療期間を経て手に入れた美しい歯並びを、適切なリテーナー管理で守り続けましょう。
むらせ歯科医院では、矯正治療からアフターケアまで、一貫したサポート体制を整えています。リテーナーの管理方法や装着時間について不安がある方、後戻りが気になる方は、お気軽にご相談ください。
詳細はこちら:むらせ歯科医院
2025年11月22日
インプラント周囲炎を防ぐ正しいケア方法|歯科医が教える長持ちの秘訣

インプラント治療後の最大の課題「インプラント周囲炎」とは
インプラント治療を受けた方にとって、最も注意すべき問題が「インプラント周囲炎」です。
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が広がった状態のことで、「インプラントの歯周病」とも呼ばれる感染症になります。天然歯と歯ぐきの境目に溜まった汚れや細菌によって歯肉が炎症を起こし、やがて歯を支える骨まで溶かしてしまう歯周病と同様に、インプラントにおいても治療後の適切なケアを怠ってしまうと、細菌感染が起こる可能性があるのです。
インプラント周囲炎の発生率は研究によって異なりますが、一般的にはインプラントを受けた人の約10%から20%の間で発生するとされています。長期間にわたる追跡調査では、インプラントを受けた後の5年から10年で、約22%から43%の患者に何らかの形でインプラント周囲炎が発生することが報告されています。
インプラントは人工素材でできているため、天然歯のように虫歯になることはありません。しかし、だからといってケアを怠ってもいいわけではないのです。インプラントの周囲には天然の歯や歯茎が残っている場合が多く、それらが細菌の影響を受けるリスクがあります。
インプラント周囲炎の進行段階と症状
インプラント周囲炎は通常、二段階で進行します。

初期段階「インプラント周囲粘膜炎」の症状
インプラント周囲粘膜炎は、インプラント周囲の軟組織(粘膜)のみに炎症が限局している初期段階です。この段階では、インプラント周辺の歯肉が通常よりも赤く見え、感染部位の歯肉が腫れて触ると柔らかく感じられることがあります。
歯ブラシをかけたり、歯間ブラシを使用したりする際に、歯肉からの出血が見られることがあります。痛みは通常軽度ですが、触れたり圧力がかかったりしたときに痛みを感じることがあります。しかし、痛みなどがないことも多いため、炎症が起きていることに気が付かないこともあるので注意が必要です。
進行段階「インプラント周囲炎」の症状
インプラント周囲炎は、インプラント周囲粘膜炎が進行し、インプラントを支える骨にも炎症が及び始めた状態です。
歯肉の状態がさらに悪化し、色が濃くなり、腫れが増します。軽い刺激で歯肉から出血しやすくなり、感染した部位から不快な臭いが発生することがあります。痛みが増し、食事や話す際に不快感を感じることがあります。細菌のバイオフィルムが形成され、清掃が困難になります。
レントゲン検査で確認できる骨の減少が見られ、これがインプラントの安定性に影響を与えます。炎症が進むと、次第に骨が溶けてきてしまい、溶けてきてしまった歯槽骨は元には戻りません。そのまま炎症が進み続けると、インプラントを支えられなくなり、インプラントのグラつきや脱落が起こります。
インプラント周囲炎を引き起こす主な原因
インプラント周囲炎の最大の原因は「歯周病菌」です。
お口の中が不衛生な状態になり、歯周病菌が増殖することによって引き起こされます。歯磨きがきちんとできていないと、歯周病菌は増殖してしまいます。歯科医院の定期的なメンテナンスを受けていない場合も、落としきれない汚れが溜まってしまうので、注意が必要です。
喫煙習慣がある場合
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなります。そのため、栄養が行き届かず、免疫力が低下します。喫煙は口腔内の血流を減少させ、組織の修復能力を低下させます。これにより、インプラント周囲の組織が細菌感染に対して脆弱になり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
インプラントは、天然の歯に比べて歯周病菌への抵抗力が弱いです。インプラント治療を希望する段階で喫煙していると、治療を行うことができない場合もあるので覚えておきましょう。
糖尿病や貧血がある場合
糖尿病の影響で血糖値が高いと、細菌に対する抵抗力が弱くなります。歯周病菌も同様です。糖尿病の場合、インプラント治療自体が行えない場合がありますが、血糖値のコントロールができていれば、インプラント治療を行うことができる場合もあります。
インプラント治療を行うことができた場合には、インプラント埋入後も、糖尿病のコントロールを引き続き注意していく必要があります。血液には、病気を治すための白血球や栄養を運ぶ役割がありますが、貧血がある場合、これらの機能が低下し、感染リスクが高まります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに過度な負担をかけ、周囲組織にダメージを与える可能性があります。これにより、炎症が起こりやすくなります。歯ぎしりを放置していると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
ほかの歯の歯周病が完治していない状態でインプラント治療を受けた場合
口腔内に歯周病菌が残っている状態でインプラント治療を受けると、その細菌がインプラント周囲に感染するリスクが高まります。インプラント治療前には、他の歯の歯周病治療を完了させることが重要です。
インプラントを長持ちさせるための正しいケア方法

インプラントは治療後の適切な予防管理を継続すれば、10年後の残存率は90%以上とされており、生涯にわたって使い続けられることが期待できます。
長期間にわたり安定して快適に使い続けるには、毎日の適切なセルフケアの実践と、定期的に歯科医院で検診やメンテナンスを受けることが最も基本的かつ有効な方法となります。
毎日の適切なセルフケアの実践
ご自身のお口の健康を守るために日々のセルフケアが最も重要であることは、やはりインプラント治療後においても同じです。
インプラント周囲は特にプラーク(細菌)が溜まりやすいので、ブラシだけでは不十分です。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間やインプラントの周りも毎日清掃しましょう。柔らかい歯ブラシを使い、インプラント周囲の歯茎を傷つけないよう、ソフトタイプのブラシで丁寧に磨きます。
抗菌性のマウスウォッシュを使用し、細菌の繁殖を抑えるため、定期的に使用することがおすすめです。口腔管理のプロフェッショナルである歯科衛生士の指導に沿って、適切なセルフケアグッズを活用しながら清潔な状態を保てるように努めましょう。
定期的に歯科医院で検診やメンテナンスを受ける

インプラントを長持ちさせ、健康な状態を保つためには、治療が終わった後も定期的に歯科医院でチェックを受ける必要があります。
定期検診では、一人ひとりに合わせた正しい歯磨きの仕方などをレクチャーさせていただき、日々のセルフケアだけではどうしても落としきれない汚れを専門のクリーニングで綺麗にしていきます。メンテナンスは3か月に1回程度が理想です。
この時、歯科医院でインプラントの定着状態や噛み合わせ、被せ物の調整なども行われます。ご自宅でのケアだけではどうしても不十分なため、歯科医院でのプロによるクリーニングや細菌の除去をサポートしてもらうことが推奨されます。
歯科医院では、自宅でのケアでは取り切れない汚れを専門的な器具で除去します。また、歯科医師がインプラントの状態や噛み合わせをチェックし、異常の早期発見につなげます。特にインプラント周囲炎は自覚症状が少ないため、定期検診での診断がリスク回避のカギとなります。
生活習慣の改善や全身の病気のコントロール
喫煙や過度の飲酒は避け、口腔内環境を整えましょう。規則正しい生活習慣を守ることが大切です。糖尿病などの全身疾患がある場合は、適切にコントロールすることがインプラント周囲炎の予防につながります。
歯ぎしり対策にナイトガードを使用することも効果的です。インプラントは天然歯と同様に見えますが、構造が異なるため、特に接合部分のケアが重要です。これらのポイントを習慣化することで、インプラントを長期間快適に使用できます。
むらせ歯科医院のインプラント治療とメンテナンス体制
むらせ歯科医院は、厚生労働省認定の「臨床研修施設」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、経験年数・技術力・設備などの面で国に認められた数%の歯科医院の一つです。
当院では「ヨーロッパ基準の滅菌体制」に基づいた厳格な感染予防対策を実施しており、患者ごとに滅菌された新しい機器を使用し、診療台ごとにウイルスを含むPM0.1レベルの微粒子まで捕らえる空気清浄機を配置しています。
日本口腔インプラント学会「指導医」「認定医」など専門性の高いスタッフが在籍しており、可能な限り「痛みを抑えた」治療を実施し、「説明と同意」を最優先する方針を掲げています。「歯科医療をガラス張りに」というコンセプトのもと、納得いただけるまで何度でも説明し、同意のもとで歯科医療を提供しています。
むらせ歯科医院は「健口創造型歯科医院」として、お口のトラブル「ゼロ」の世界を目指しています。医療の本来の目的は「悪くなったところを治療する」ことではなく、「健康な状態を長期にわたって維持させる」ことであるという理念を持っています。
まとめ|インプラントを一生ものにするために
インプラント治療は、見た目の自然さや噛む力の回復といった大きなメリットがあります。しかし、メンテナンスを怠ると周囲炎やインプラントの破損などのリスクが増大します。
インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲炎などのリスクを防ぐためのケアが必要です。毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを徹底することで、インプラントを長持ちさせることができます。
千葉県市原市、袖ケ浦市、木更津市、五井、姉ヶ崎周辺の地域の皆様に信頼される歯科医院を目指し、1本でも多くの歯を残し、患者様とその家族のお口の健康を守るため、常に知識・技術の研鑚を行っています。インプラント治療やメンテナンスについてのご相談は、ぜひむらせ歯科医院にお任せください。
詳細はこちら:むらせ歯科医院
2025年11月20日
子どもの歯並びが集中力を左右する?顎の成長と脳の発達の深い関係

お子さんの集中力、実は「歯並び」が関係しているかもしれません
「うちの子、宿題に集中できなくて……」
そんな悩みを抱えている親御さんは少なくありません。実は、お子さんの集中力の問題は、性格や環境だけでなく「歯並び」や「噛み合わせ」といった口腔環境が深く関わっている可能性があります。近年の研究では、咀嚼機能と脳の発達には密接な関係があることが明らかになってきました。
東京医科歯科大学と神戸大学の共同研究によれば、成長期における咀嚼刺激の低下が記憶を司る海馬の神経細胞に変化をもたらし、記憶・学習機能障害を引き起こすことが突き止められています。つまり、しっかり噛めるかどうかが、お子さんの学習能力や集中力に影響を与えているのです。
この記事では、歯科医療の専門的視点から、子どもの歯並びと集中力の関係について詳しく解説していきます。顎の成長と脳の発達がどのように結びついているのか、そして親御さんができることは何なのか……一緒に見ていきましょう。
歯並びが悪いと集中力が低下する科学的根拠
「歯並びと集中力に関係があるなんて……」と驚かれる方もいるかもしれません。しかし、これは決して根拠のない話ではありません。

咀嚼刺激が脳に与える影響
よく噛むという行為は、単に食べ物を細かくするだけではありません。咀嚼によって脳への血流が増加し、神経細胞が活性化されることが分かっています。特に記憶や学習を司る「海馬」という脳の器官は、血液量の減少に非常に敏感です。
歯並びや噛み合わせが悪いと、正しく噛むことができません。その結果、脳への刺激が減少し、集中力や判断力が衰えてしまう可能性があるのです。マウスを用いた実験では、粉末飼料を与えて咀嚼刺激を低下させたマウスは、通常の固形飼料を与えたマウスと比べて記憶・学習機能が顕著に障害されることが確認されています。
口呼吸が引き起こす脳の酸素不足
歯並びの乱れは口呼吸を招きます。本来、人間は鼻呼吸を行うものですが、歯並びや噛み合わせが悪く口を閉じることが難しい場合、鼻呼吸ができずに口呼吸になってしまいます。
鼻でうまく呼吸できずに口呼吸で過ごすと、脳が大量の酸素を消費してしまい、脳を過剰に使って疲れさせている状態になります。疲れやすく集中力が落ちた状態では、勉強や遊びで良いパフォーマンスを出すことは難しいでしょう。また、口呼吸で口腔内が乾燥することにより、風邪をひきやすくなったり、虫歯や歯周病のリスクが増大したりします。
「ヒミコノハガイーゼ」が示すよく噛むことの重要性
「ヒミコノハガイーゼ」という言葉をご存じでしょうか?これは、よく噛むことによるメリットを表した標語です。
- ヒ:肥満防止……ゆっくりよく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ
- ミ:味覚の発達……よく噛むと食べ物の味がわかり、味覚が発達する
- コ:言葉の発達……顎の成長が促されて歯並びが良くなり、正しい発音ができる
- ノ:脳の発達……脳に流れる血量が増えて、脳の働きが活発になる
- ハ:歯の病気予防……歯肉や粘膜のマッサージになり、唾液の分泌が促進されて口内を清潔にする
- ガ:がん予防……発がん性物質の毒性を弱める酵素を含んだ唾液の分泌が良くなる
- イー:胃腸快調……消化吸収がよくなり、胃の働きを助ける
- ゼ:全力投球……全力を出すときには歯をしっかりと噛み締める
このように、よく噛むことは脳の発達だけでなく、全身の健康に関わる重要な要素なのです。
顎の成長と全身への影響
歯並びの問題は、口の中だけにとどまりません。顎の成長不足や噛み合わせの悪さは、姿勢や運動能力にまで影響を及ぼします。
噛み合わせと姿勢の深い関係
噛む力や噛み合わせのバランスが崩れると、首や肩、背中の筋肉に負担がかかり、姿勢の崩れ(猫背や前かがみ)を引き起こします。悪い姿勢は呼吸を浅くさせ、集中力をさらに下げる悪循環に陥ります。
さらに、体幹が不安定になることで運動能力にも悪影響を与える可能性があります。食べ物を噛む際に使われる側頭筋という筋肉は、頭の横から顎の関節に繋がっています。噛み合わせが悪い場合、食べ物を噛むたびに側頭筋に負担がかかり、頭痛を引き起こすこともあります。症状が悪化すると、顎関節症を引き起こす原因にもなります。
舌の位置が全身に与える影響
お口の中でも「舌」は特に重要な役割を果たしています。舌が本来の正しい位置に収まっていないと、さまざまな悪影響を及ぼします。
舌は通常、上顎のくぼみ(口蓋)にくっついているのが正常です。ところが、舌を口蓋にくっつけられないお子さんが増えており、舌で歯をいつも触っている(押している)状態になります。舌によって歯が押され、受け口(反対咬合)や上下の前歯が噛み合わない状態(開咬)になることがあります。
また、舌の筋力が弱い場合、リラックスした状態になると舌の根っこが喉の奥に落ち込んでしまい、舌の根によって気道が狭くなります。その結果、口呼吸になったり、うつぶせ寝をするようになったりします。仰向けで寝ると舌がさらに沈下して苦しいため、横向き寝やうつ伏せ寝になり、顎が押さえつけられることで歯列がゆがんでくるのです。
歯並びと運動能力の関係
歯並びが悪いと食いしばれないため、力が入らないという問題も生じます。スポーツをする際に全力を出すときには、歯をしっかりと噛み締めることが重要です。噛み合わせが整っていないと、この踏ん張る力が十分に発揮できず、運動能力にも影響を及ぼす可能性があります。
成長期の咀嚼刺激が脳の発達に与える影響
成長期における咀嚼刺激の重要性は、科学的にも証明されています。
海馬への影響と記憶・学習機能
東京医科歯科大学と神戸大学の共同研究では、マウスに離乳期から成長期にかけて粉末飼料を与えることで咀嚼刺激を低下させるモデルの解析が行われました。その結果、粉末飼料を与えたマウスでは、通常の固形飼料を与えたマウスと比べて、顎顔面の骨や噛むための筋肉の成長が抑制され、記憶・学習機能も顕著に障害されることが見いだされました。
記憶・学習を司る脳領域である海馬を解析したところ、神経活動やシナプス形成、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現が低下し、神経細胞が減少していることが明らかになりました。このことから、成長期に咀嚼刺激が低下すると、顎骨や咀嚼筋の成長と記憶・学習機能が障害される可能性が示されたのです。
現代の食生活と咀嚼回数の減少
加工食品などの柔らかく栄養価の高い食品が普及することによって、現代人の咀嚼回数は劇的に減少しています。成長期に咀嚼回数が低下すると、顎の骨や噛むための筋肉だけでなく、脳の発達にも悪影響を及ぼすことが知られています。
また、加齢に伴い歯を失うことによって咀嚼機能が低下すると、認知症のリスクが高まることも分かってきました。現在、高齢化は全世界で進行しており、咀嚼機能の低下とそれに伴う脳機能の低下が大きな問題となっています。
咀嚼と高次脳機能を結びつける分子メカニズム
咀嚼機能と高次脳機能の関係には不明な点が多く残されていますが、研究の成果は記憶・学習機能障害や認知症の予防において咀嚼機能の維持または強化が有効であることを示唆しています。将来、ヒトを対象とした研究を含め、咀嚼機能と脳機能を結びつける分子メカニズムがさらに詳細に解明されることによって、認知症や記憶・学習機能障害の新たな治療法や予防法の確立につながることが期待されています。
むらせ歯科の小児矯正アプローチ……原因から改善する治療法
では、実際にどのような治療法があるのでしょうか?むらせ歯科では、子どもの矯正治療を2段階で提供しています。

I期治療……歯並びが悪くなる「原因」にアプローチ
なぜ歯並びが悪くなるのでしょうか?原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。分かりやすい例でお伝えすると、普段何もしていない時に舌が常に歯に触れている状態を「舌癖」といいます。つまり、常に歯に対して一定の力が与えられている状態です。こんな小さな力でも歯並びは崩れてしまいます。
むらせ歯科のI期治療では、「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という方法で、これらの問題を改善していきます。歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)矯正は、歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。
年齢に応じた治療アプローチ
むらせ歯科では、お子さんの年齢に応じて最適な治療法を提供しています。
0歳~2歳……歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。親御さんと一緒にお子様の正しい「姿勢」を獲得する訓練を行います。
3歳~5歳……インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分~20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。
6歳~9歳……マイオブレーストレーナーという取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。
家庭でのトレーニングの重要性
トレーニングというと「難しそう」「続けられるかな……」と不安に思われるかもしれません。トレーニング自体は難しくはありませんし、痛みも一切伴いません。しかし、「継続」が大切になります。このトレーニングを行わないと効果が半減してしまいます。
そのため、お子様に継続してもらうため、親御さんの協力が必要となります。トレーニング方法は、専門のトレーニングを受けた専任スタッフがお伝えします。また、ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施してもらうため、ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。
II期治療……仕上げの段階
I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。その場合に、仕上げのII期治療を行います。
むらせ歯科では、「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。どうしてもII期治療まで必要な場合は、しっかりとお子さんと親御さんにご説明させて頂き治療を進めていきます。
親御さんができること……早期発見と適切なタイミング
お子さんの歯並びや集中力について、親御さんができることは何でしょうか?
「大人の歯が生えてきたら」が相談のタイミング
特にお子様の歯並びの場合、親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。
プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせて頂きます。幼児期または学童期の初期から矯正治療をスタートすることが理想的です。
日常生活で気をつけたいポイント
歯並びの異変に気づいたら、できるだけ早めにご相談を。お子さまの成長に合わせて早期に治療を始めれば、永久歯を抜くことなく、見えにくい装置を使用し、健全な噛み合わせを育成することができます。
また、日常生活では以下のような点に注意してみてください。
- お口がポカンと開いていないか
- 食事中に立ち歩いたり、集中できていないか
- 姿勢が悪く、猫背になっていないか
- よく噛まずに飲み込んでいないか
- 指しゃぶりや舌を突き出す癖がないか
これらのサインが見られたら、早めに専門家に相談することをおすすめします。
矯正治療のメリットとリスク
矯正治療には多くのメリットがありますが、同時にリスクも理解しておく必要があります。
メリットとして、噛み合わせが整うこと、虫歯や歯周病になりにくくなることが挙げられます。一方、デメリットとしては、抜歯が必要な場合があること、自費診療で高額になること、歯根吸収が起こる可能性があることなどがあります。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用として、装置装着後の違和感や痛み、治療期間の延長可能性、むし歯や歯周病のリスク増加、歯根吸収、金属アレルギー、顎関節症状、装置の誤飲、治療後の「後戻り」などが説明されています。これらのリスクについても、しっかりと理解した上で治療を進めることが大切です。
まとめ……お子さんの未来のために今できること
お子さんの歯並びは、見た目の問題だけではありません。集中力、学習能力、運動能力、そして全身の健康にまで影響を及ぼす重要な要素です。
歯並びや噛み合わせが悪いと、脳への血流が減少し、口呼吸によって脳の酸素が不足し、姿勢が悪くなって体幹が不安定になります。これらすべてが、お子さんの集中力や学習能力に影響を与える可能性があるのです。
むらせ歯科の小児矯正では、歯を直接動かすのではなく、歯並びが悪くなる「原因」である口腔周囲筋の機能不全を改善していきます。年齢に応じた適切なアプローチで、お子さんの成長をサポートします。
大切なのは、早期発見と適切なタイミングでの治療開始です。大人の歯が生えてきたら、一度専門家に相談してみてください。お子さんの笑顔あふれる未来のために、今できることから始めてみませんか?
むらせ歯科では、無料の矯正相談を実施しています。お子さんの歯並びや集中力について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。専門のスタッフが、お子さん一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。
お子さんの健やかな成長と、充実した学びの時間をサポートするために……まずは一歩を踏み出してみましょう。
2025年11月18日
成長期に合わせた小児矯正の考え方|顎の発達と歯並びの関係を徹底解説

子どもの歯並びと顎の発達の深い関係
お子さんの歯並びが気になり始めたとき、多くの親御さんは「矯正治療」を考えるかもしれません。しかし、子どもの矯正治療は大人とは全く異なるアプローチが必要です。
なぜなら、成長期の子どもは顎の骨が発達途中にあり、この時期だからこそできる治療法があるからです。歯並びの問題は単に歯の位置だけでなく、顎の成長や口腔周囲の筋肉機能とも密接に関わっています。
子どもの上顎は6歳から10歳の間に大きさが決まり、下顎は思春期に成長します。男の子は18歳頃、女の子は13歳頃に下顎の成長がほぼ完了するため、この成長期をどう活用するかが将来の歯並びを左右する重要なポイントとなります。
本記事では、成長期に合わせた小児矯正の考え方と、顎の発達と歯並びの関係について、専門的な視点から詳しく解説していきます。
歯並びが悪くなる本当の原因とは
歯並びが悪くなる原因として、多くの方が「遺伝」を思い浮かべるでしょう。確かに遺伝的要因は無視できませんが、実は後天的な要因が大きく影響しているケースが少なくありません。
特に注目すべきは「口腔周囲筋」の機能不全です。舌・唇・頬の筋肉が正しく機能していないと、歯並びに悪影響を及ぼします。

舌癖が歯並びに与える影響
普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている状態を「舌癖」といいます。
たとえ小さな力でも、舌が常に歯を押し続けることで歯並びは崩れてしまいます。正しい舌の位置は、上の前歯のつけねの少し手前あたりに当たっている状態です。この位置から外れている場合、歯並びに影響を与える可能性が高くなります。
口呼吸がもたらす問題
口で呼吸していると舌は低位になり、上顎の成長を妨げて歯並び悪化の原因となります。
また、病原菌が喉の粘膜から直接取りこまれてしまうため、健康面でも良いことではありません。鼻呼吸が正常な顎の発育には不可欠なのです。
食生活と顎の発達
現代の食生活の変化により、柔らかい食べ物を好んで食べるようになってきました。咀嚼回数が減ると、顎の筋肉が発達せずに弱くなっていきます。
食物繊維を多く含む根菜類や、弾力のある食べ物をよく噛んで食べることで、咀嚼筋が発達し顎の骨の成長を促していきます。さらには、顔周りの血流が増加するために脳への血流がよくなり脳細胞の活性化にも繋がるといったことがわかっています。
成長期を活かした小児矯正の2段階治療
子どもの矯正治療は一般的に2段階で行われます。前半の治療を「I期治療」、後半の治療を「II期治療」といいます。

I期治療の重要性と目的
I期治療では、歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋の機能不全」に着目します。
歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用し、歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう原因をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。可能な限りI期治療で完了することで、患者様の肉体的負担・経済的負担を抑えることができます。
年齢に応じた治療アプローチ
0歳から2歳では、歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。親御さんと一緒にお子様の正しい姿勢を獲得する訓練を行います。
3歳から5歳では、インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分から20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。
6歳から9歳では、マイオブレーストレーナーという取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。
II期治療の役割
I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。その場合に、仕上げのII期治療を行います。
本格矯正には唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)とマウスピース矯正(インビザライン)の2種類があり、患者様の状態に応じて最適な方法を選択します。
家庭でのトレーニングの重要性
I期治療の成功には、ご自宅での毎日のトレーニングが欠かせません。トレーニング自体は難しくはありませんし、痛みも一切伴いません。しかし、「継続」が大切になります。
専門スタッフによるサポート体制
トレーニング方法は、専門のトレーニングを受けた専任スタッフがお伝えします。お子様に継続してもらうため、親御さんの協力が必要となります。
ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施してもらうため、ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。
トレーニングを継続するコツ
このトレーニングを行わないと効果が半減してしまいます。そのため、お子様が楽しみながら続けられる工夫が重要です。
親御さんが一緒に取り組むことで、お子様のモチベーションを維持しやすくなります。毎日の習慣として定着させることが、治療成功への近道となります。
矯正治療のメリットとリスクを正しく理解する

矯正治療には多くのメリットがありますが、同時にリスクや注意点も存在します。治療を始める前に、これらを正しく理解しておくことが大切です。
矯正治療のメリット
噛み合わせが整うことで、食事がしやすくなり、消化機能の向上にも繋がります。また、歯磨きがしやすくなることで、虫歯や歯周病になりにくくなるという大きなメリットがあります。
さらに、正しい噛み合わせは発音の改善や、顎関節症の予防にも効果があります。見た目の改善だけでなく、お子様の健康面でも多くのメリットがあるのです。
治療に伴うリスクと副作用
矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間から1、2週間で慣れてきます。
治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことや、歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
治療費用について
矯正治療の費用は症状や治療内容によって異なりますが、約22万円から110万円(税込)ほどかかります。自費診療となり健康保険対象外であるため高額になることがありますが、お子様の将来の健康への投資として考えることが大切です。
予防矯正は44万円、本格矯正は77万円から110万円(税込)となっており、予防矯正から移行した場合は33万円(税込)で本格矯正を受けることができます。
治療開始の最適なタイミング
親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。
大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせて頂きます。
受け口は早めの対応が重要
受け口(反対咬合)は、成長とともに治療が困難になる場合が多く見られます。悪い咬み合わせでものを噛みつづけることで、自分の歯を傷つけてしまい、歯肉がさがり、歯がぐらぐらになってしまったり、時には歯が欠けてしまうこともあります。
また、歯並びが悪いために、正しい位置でまっすぐに噛めず、あごをずらして噛む習慣が、骨格的なあごの歪みへと発展する場合があります。このような状態にならないようにするには、早期の対応が重要です。
顎を広げる矯正の適齢期
顎の矯正は、顎の成長が活発な7歳から12歳の間に行うとより効果を発揮します。上顎は12歳で成長がほぼ完了し、15歳以降は下顎を含めた顎の成長も止まるため、その後の拡張は困難です。
成人後は外科手術で顎を広げることも可能ですが、費用と体への負担が大きいため、成長期に矯正治療を受けることが推奨されます。
まとめ|成長期だからこそできる小児矯正
成長期の子どもの矯正治療は、単に歯を動かすだけでなく、顎の成長をコントロールし、口腔周囲筋の機能を改善することで、根本的な原因にアプローチできる治療法です。
I期治療で口腔周囲筋の機能不全を改善し、必要に応じてII期治療で歯並びを仕上げていくという2段階のアプローチにより、お子様の肉体的・経済的負担を最小限に抑えながら、理想的な歯並びと噛み合わせを実現することができます。
大人の歯が生えてきたタイミングが、矯正相談の最適な時期です。早めの相談により、お子様に最適な治療計画を立てることができます。
お子様の健やかな成長と、将来の健康のために、成長期を活かした小児矯正をぜひご検討ください。専門の歯科医師が、お子様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。