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子供の歯並びが悪くなる5つの原因〜専門医が解説する早期発見のポイント

2025年09月23日

子供の歯並びが気になっているけれど、どうしたらいいのか迷っているお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか。実は、子供の歯並びが悪くなる原因はいくつかあり、早期に発見して対処することで、将来的な負担を軽減できる可能性があります。

私は東京歯科大学を卒業し、長年にわたって小児矯正に携わってきました。その経験から、子供の歯並びに関する悩みを持つ保護者の方々に、ぜひ知っておいていただきたい情報をお伝えします。

この記事では、子供の歯並びが悪くなる5つの主な原因と、早期発見のポイントについて詳しく解説していきます。お子さんの健やかな成長のために、ぜひ最後までお読みください。

子供の歯並びが悪くなる根本的な原因

子供の歯並びが悪くなる根本的な原因は、「乳歯期の顎の成長が不十分であること」です。これは現代の子供たちに特に多く見られる傾向があります。

実は、歯並びの悪さは近代になって急増した問題なのです。国立科学博物館に展示されている古代の人骨を見ると、不正咬合はほとんど見られません。つまり、歯並びの悪い子供たちは、長い人類の歴史の中でつい最近現れた現象と言えるでしょう。

現代の子供は4人中3人が顎の成長不足による不正咬合の症状を示しています。年齢でいえば、5歳頃から歯並びの悪さが顕著に現れてくることが多いのです。

では、なぜ現代の子供たちは顎の成長が不十分なのでしょうか?

食生活の変化による影響

現代の子供たちは、昔の子供たちと比べて柔らかい食べ物を食べる機会が増えています。その結果、咀嚼回数が減少し、顎の筋肉を十分に使わなくなっているのです。

一口あたり30回噛むことが理想と言われていますが、現代の食事ではそこまで噛まないことが多いですね。顎の骨は咀嚼によって刺激を受けて成長するため、咀嚼回数の減少は顎の成長不足に直結しています。

硬いものをしっかり噛む習慣がないと、顎が小さくなる傾向にあり、結果として歯が並ぶスペースが足りなくなってしまうのです。

遺伝的要因の影響

歯並びが悪くなる原因には、遺伝的な要因も関係しています。顎の大きさや形、骨格、歯の大きさなどは親から子へと受け継がれます。

親御さんの歯並びが悪い場合、お子さんも同様の歯並びになる可能性が高くなります。ただし、遺伝だけが原因ではなく、生活習慣との複合的な要因によって歯並びは決まってくるのです。

あなたのお子さんの歯並びが気になるなら、遺伝的要因だけを気にするのではなく、生活習慣の改善にも目を向けることが大切です。

子供の歯並びが悪くなる5つの原因
子供の歯並びが悪くなる具体的な原因として、以下の5つが挙げられます。これらの原因を理解することで、早期発見・早期対応が可能になります。

1. 口呼吸の習慣

口で呼吸する「口呼吸」の習慣は、歯並びに大きな影響を与えます。口呼吸をしていると、舌が低い位置にあり、上顎の成長を妨げてしまいます。

花粉症や慢性的な鼻炎などのアレルギー症状がある子供は、鼻づまりから口呼吸になりやすく、歯並びが悪化するリスクが高まります。また、口呼吸は顎関節症や肩こりなどの身体的な問題も引き起こす可能性があります。

口呼吸をしているお子さんの特徴として、口が常に少し開いている、口元が乾燥している、いびきをかく、などの症状が見られます。

あなたのお子さんに心当たりはありますか?

2. 舌の位置や機能の問題(舌癖)

普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている状態を「舌癖」といいます。正しい舌の位置は、上の前歯のつけねの少し手前あたりに当たっている状態です。

舌癖があると、常に歯に対して一定の力が加わり続けるため、たとえ小さな力でも長時間続くことで歯並びは崩れてしまいます。

舌で前歯を押す癖や、舌を歯の間に挟む癖などは、特に前歯の歯並びに悪影響を及ぼします。お子さんが話すときや飲み込むときの舌の動きに注目してみてください。

3. 指しゃぶりなどの悪習慣

指しゃぶりは、多くの子供に見られる習慣ですが、4歳を過ぎても続くと歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。指を吸うことで前歯が前方に押し出され、「出っ歯」の原因になることがあるのです。

また、爪を噛む習慣も、歯並びに悪影響を与える可能性があります。これらの習慣は、できるだけ早く改善することが望ましいでしょう。

お子さんの指しゃぶりが気になる場合は、叱るのではなく、手や口を使う別の活動を増やしたり、スキンシップを増やしたりして、自然に改善できるよう工夫してみてください。

4. 乳歯の早期喪失

虫歯などで乳歯を早くに失ってしまうと、永久歯が生えるスペースが確保できず、歯並びが乱れる原因になります。乳歯は永久歯のスペースを確保する「スペースキーパー」としての役割も持っているのです。

特に奥歯の乳歯を早くに失うと、他の歯が空いたスペースに移動してしまい、後から生えてくる永久歯の場所がなくなってしまうことがあります。

乳歯の虫歯予防と早期治療は、歯並びを守るためにも非常に重要です。定期的な歯科検診を受け、乳歯の健康を守りましょう。

5. 口腔周囲筋の機能不全

口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)の機能不全も、歯並びが悪くなる重要な原因です。これらの筋肉のバランスが崩れると、歯に不均等な力がかかり、歯並びが乱れてしまいます。

例えば、口呼吸をしていると口輪筋(口の周りの筋肉)の力が弱くなり、上の前歯が前に出やすくなります。また、舌の力が強すぎると、歯を外側に押し出してすきっ歯の原因になることもあります。

これらの筋肉のバランスを整えるトレーニングは、歯並びの改善に効果的です。専門医の指導のもと、適切なトレーニングを行うことで、歯並びの悪化を防ぐことができます。

早期発見のポイント〜いつから歯並びを気にすべきか

「子供の歯並びはいつから気にすればいいの?」という質問をよく受けます。結論から言うと、大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度専門医に相談することをおすすめします。

多くの親御さんは「矯正は永久歯が生え揃ってからで遅くないでしょう」と考えがちですが、実はそれでは適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多いのです。

年齢別の歯並びチェックポイント

お子さんの年齢に応じて、以下のポイントをチェックしてみましょう。

0〜2歳:この時期は、座り方や姿勢、抱っこの仕方が歯並びに影響することがあります。正しい姿勢を身につけることが大切です。

3〜5歳:乳歯が生え揃う時期です。乳歯の並びに大きなすき間がない、前歯が斜めに生えている、受け口になっているなどの症状があれば、専門医に相談しましょう。

6〜9歳:永久歯の前歯が生え始める時期です。この時期に歯並びの問題が見られる場合は、早めに対処することで、将来的な矯正治療の負担を軽減できる可能性があります。

プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測でき、治療が必要かどうか、治療開始時期はいつ頃がいいかなどのアドバイスを受けることができます。

早期発見・早期治療のメリット

子供の歯並びの問題を早期に発見し、適切な時期に治療を始めることには、いくつかの大きなメリットがあります。

まず、子供の顎は成長段階にあり、骨がまだ柔らかいため、顎の大きさを広げる治療が効果的です。上顎の成長のピークは3〜4歳頃、下顎は12〜15歳頃ですが、18歳頃まで成長が続きます。

早期治療により、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保することができ、将来的に抜歯を必要とする可能性を低減できます。また、治療期間の短縮や費用の削減にもつながる可能性があります。

さらに、歯並びの改善は見た目だけでなく、正しく噛めるようになることで消化機能の向上や発音の改善、虫歯や歯周病のリスク低減など、全身の健康にも良い影響を与えます。

あなたのお子さんの将来のために、早めの相談をおすすめします。

子供の矯正治療の種類と特徴

子供の矯正治療は、一般的に2段階で行われます。前半の治療をI期治療、後半の治療をII期治療と呼びます。それぞれの特徴について見ていきましょう。

I期治療(早期治療)

I期治療は、歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目した治療です。歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになる「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していきます。

年齢に応じて、以下のようなアプローチがあります:

  • 0〜2歳:正しい姿勢を獲得するための訓練を親子で行います。
  • 3〜5歳:インファントという取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用します。
  • 6〜9歳:マイオブレーストレーナーという装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。

これらの治療は痛みを伴わず、トレーニング自体も難しくありませんが、「継続」が大切です。家庭でのトレーニングを続けることで効果を発揮します。

I期治療で顎の成長をコントロールすることで、可能な限りII期治療を必要としない状態を目指します。

II期治療(本格矯正)

I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。そのような場合に、仕上げのII期治療を行います。

II期治療には主に以下の2種類があります:

  • 唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型):歯にワイヤー型の装置を取り付けて行う従来の矯正治療です。ほぼすべての症例に対応できます。
  • マウスピース矯正(インビザライン):透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に取り換えながら、歯並びを整える治療です。見た目が目立たないというメリットがあります。

矯正治療の費用は症状や治療内容によって異なりますが、約22〜110万円(税込)かかります。I期治療で完了できれば、費用も期間も抑えることができるでしょう。

家庭でできる歯並び悪化の予防法

歯並びの悪化を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、家庭でできる予防法もいくつかあります。日常生活に取り入れてみてください。

正しい食習慣の確立

顎が十分に発達し、必要なスペースが作られるよう、普段からしっかり噛んで食べる習慣をつけましょう。1口あたり30回噛むことを目標にし、柔らかいものだけでなく硬いものもバランスよく食べることが大切です。

野菜やお肉など、噛みごたえのある食材を意識的に取り入れ、顎の筋肉を鍛えましょう。ガムを噛むのも良い方法ですが、砂糖不使用のものを選ぶと虫歯予防にもなります。

また、食事中はテレビやスマホを見ながらではなく、食べ物に集中して丁寧に噛むことを心がけましょう。

口呼吸の改善と鼻呼吸の習慣化

口呼吸から鼻呼吸への切り替えは、歯並び改善に大きく貢献します。花粉症や鼻炎がある場合は、適切な治療を受けることが大切です。

家庭でできる鼻呼吸トレーニングとしては、口を閉じて鼻から息を吸い、ゆっくりと吐くことを繰り返す簡単な呼吸法があります。就寝前に親子で一緒に行うと、習慣化しやすいでしょう。

また、子供部屋には空気清浄機を設置し、アレルギー原因物質を減らすことも効果的です。

悪習慣の早期改善

指しゃぶりや舌で歯を押す癖などの悪習慣は、できるだけ早く改善することが大切です。指しゃぶりは4歳頃までに、その他の癖もできるだけ早く改善しましょう。

これらの癖を直接やめさせるのは難しいことがあります。代わりに、外遊びや運動でエネルギーを発散させたり、手や口を使う別の活動を増やしたりして、自然に改善できるよう工夫してみましょう。

スキンシップを増やし、子供の安心感を高めることも効果的です。寝つくまでの間、子供の手を握ったり、絵本を読んであげたりして、子供を安心させてあげましょう。

まとめ〜子供の歯並びと将来の健康

子供の歯並びが悪くなる主な原因は「乳歯期の顎の成長不足」であり、食生活の変化や口呼吸、舌癖などの生活習慣が大きく影響しています。歯並びの問題は見た目だけでなく、将来の全身の健康にも関わる重要な問題です。

早期発見・早期治療のためには、大人の歯(前歯)が生えてきたタイミングで専門医に相談することをおすすめします。プロの目で診断することで、今後の歯の動きを予測し、適切な治療開始時期を提案してもらえます。

子供の矯正治療は一般的に2段階(I期治療とII期治療)で行われますが、可能な限りI期治療で完了することで、期間も費用も抑えることができます。

家庭でできる予防法としては、しっかり噛む食習慣の確立、鼻呼吸の習慣化、悪習慣の早期改善などがあります。これらを日常生活に取り入れることで、歯並びの悪化を防ぐことができるでしょう。

お子さんの健やかな成長のために、歯並びの問題に早めに気づき、適切に対処することが大切です。少しでも気になることがあれば、ぜひ専門医に相談してみてください。

子供の歯並びを守ることは、将来の健康を守ることにつながります。お子さんの笑顔が一生続くよう、今からできることから始めてみませんか?

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